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経済政策誤判断が安倍首相の致命傷になる

2019年01月05日 12時48分07秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                              

                              

                        「植草一秀の『知られざる真実』」

                                 2019/01/04

            経済政策誤判断が安倍首相の致命傷になる

             第2229号

   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019010419530751017
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2019年の大発会は、日経平均株価が前年末比452円安の19561円で
取引を終えた。

昨年の大納会では大引け間際に買いが入り、2万円の大台を超えて取引を終え
たが、公的資金による株価買い支えの印象が強かった。

大発会での大台割れが2019年を暗示しているようにも見える。

ただし、昨年は大発会で日経平均株価が前年末比742円高を演じたが、株価
上昇の基調は1月末までしか続かなかった。

大発会の値動きだけで判断してしまうのは控える必要がある。

だが、2019年を展望すると警戒感を拭えない。

私は会員制レポート『金利・為替・株価特報』=TRIレポート
http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html

の2018年10月15日発行号タイトルを

「長期上相場終局=波乱局面への移行可能性」

として、株価の下落トレンドへの転換を予測してきた。

そのなかで、日経平均株価推移が2007年推移と類似していることを指摘し
た。

その後の株価推移は2007年推移と酷似するものになっている。

私は、株価下落の基本要因として

1.米中貿易戦争

2.FRB利上げ

3.日本増税

の三つを挙げてきた。



この三つの基本要因に大きな変化がないまま、2019年の年明けを迎えた。

日銀が日本株式の買い支えを行っているが、日銀の役割を逸脱するものだ。

2012年12月に第2次安倍内閣が発足して以来、安倍首相は日銀を私物化
する対応を進めてきたが、その弊害が累積してきている。

日銀の資産規模がGDPの規模を突破した。

このような国は世界中のどこにも存在しない。

米国は量的金融緩和政策を先行して実行したが、FRB資産残高はGDP比2
5%の水準までしか膨張しなかった。

この水準でさえ、「異例の資産規模膨張」であると認識され、その後は、異常
事態からの脱却=「出口戦略」が実行されて現在に至っている。

日銀の資産規模はGDP比で見れば、資産を膨張させすぎたと評価されている
米国の4倍の水準に達している。

日銀の意思決定は、総裁、2名の副総裁、6名の審議委員に委ねられている
が、現時点では、この9名全員が安倍内閣によって指名された者になってい
る。

「量的金融緩和でインフレを誘導する」との目論見が実行されてきたが、結果
としては、インフレは実現せず、日銀資産の途方もない膨張だけが残存するこ
とになった。

同時に日銀は2018年9月末時点で、31兆8357億円の株式等・投資信
託受益証券を保有している。

日銀が株価を支えているのである。



米中貿易戦争はトランプ大統領が仕掛けたものだ。

トランプ大統領は中国の対米輸出に高率関税を設定する対応を進めてきた。

中国の対米輸出が5000億ドル、米国の対中輸出が1500億ドルだから、
高率関税を設定する貿易戦争に突き進めば、中国が受けるダメージが大きくな
る。

トランプ大統領はこの「算数」をもとに米中貿易戦争に突き進んできた。

第3弾の制裁関税設定により、中国の対米輸出の半分にあたる2500億ドル
に25%の高率関税が課せられることになる。

その第3弾の対象となる中国の対米輸出金額が約2000億ドルである。

この制裁関税設定が、当初は2019年初とされていたが、12月初の米中首
脳会談で3ヵ月延期された。

3月までに米中貿易戦争が終結すれば制裁関税の発動が見送られる可能性があ
るが、これが実施されれば中国経済に与える影響は極めて大きなものになる。

10月4日にペンス副大統領が演説したが、米中貿易戦争に不退転の決意で臨
むとの主旨だった。

中国の最重要経済指標である製造業PMIが12月についに景気改善の分岐点
となる50を下回った。

FRBは利上げ継続の方針を維持している。

そして、日本では本年10月に消費税率を10%に引き上げる方針が維持され
たままなのである。

株価は一進一退を繰り返すものだが、基調としてのトレンドとしては、極めて
強い警戒を維持し続ける必要がある。



TRIレポートでは、ドル円が2018年10月初に転換点を形成したと判定
している。

そして、現実に、円高傾向が強まっているのである。

この状況下で2019年10月の消費税増税を強行するのは、日本経済に対す
る「テロ行為」であると言わざるを得ない。

かねてより明言しているように、最終的に安倍内閣は消費税増税撤回に追い込
まれることになるだろう。

しかし、安倍内閣は撤退の時期を誤った。

2018年秋の段階で消費税増税中止を宣言しなければならなかった。

安倍内閣は消費税増税を前提に2019年度予算を編成してしまった。

この予算が2019年の通常国会で審議される。

予算が成立するのは早くても3月末だ。

通常国会は1月28日に召集され、6月27日まで開かれる可能性が高い。

この国会開会中に増税撤回を表明することは、安倍内閣の敗北を意味する。

通常国会最大の審議事項である予算案を、内閣が自ら否定することは、内閣自
身の自己否定を意味することになるからだ。



増税を実施する予算を国会で強行成立させて、国会が閉幕して直ちに消費税増
税を撤回することは、内閣の自己否定である。

衆院解散ではなく、内閣総辞職が求められることになる。

株価の下落が持続し、経済の悪化が鮮明になれば、増税どころの状況ではなく
なる。

その期に及んで消費税増税を撤回するなら、当然のことであるが、政策失敗の
責任が問われることになる。

これが参院選の最大争点に浮上することになるだろう。

本日、1月4日の大発会に出席した麻生太郎財務相は株安について、

「アップルのせいだ、商いが薄いからだといろいろ理屈はつけられるが、企業
の実態はきわめて好調だ」

と述べるとともに、

「株価は気分的な影響がきわめて大きい」

「株価が上がれば消費マインドの喚起につながる」

とのお気楽なコメントを発した。



何も分かっていない。

この状況下で消費税大増税に突き進む方針を明確にしたことが株価急落を招い
ているのである。

しかし、予算編成を終えてしまった現時点で、安倍内閣は身動きが取れなくな
る。

予算編成を終えた12月から予算が成立する3月末まで、政策は身動きの取れ
ない期間に入る。

そして、予算成立後も、通常国会閉幕までは、やはり動けない。

強行成立させた予算を否定する行動は、自らの政策運営を全面的に否定するこ
とを意味するからだ。

増税の撤回は、内閣総辞職と引き換えでなければ通らなくなると考えておくべ
きだ。



米国の株式市場では株価暴騰を牽引してきた

GAFA

の株価下落が著しい。

拙著『日本を直撃する「複合崩壊」の正体』
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に明記したように、2019年に向けて重大なリスクが存在する。

私は、米国リスクとして、

1.トランプリスク

2.GAFAに代表されるテクノロジー企業、ハイテク企業の株価動向

3.米国経済の減速可能性

を明記した。

そして、実際に、10月初以降、GAFA株価の明確な下落が確認されている
のである。



多くの株式投信がGAFA株を積極的に組み込んできた。

しかし、そのGAFA株価の下落が鮮明になれば、各投信が相次いでGAFA
株の売却に踏み切ることになる。

これが大きな波乱を生み出す引き金になる。

安倍首相は重要な判断を誤った可能性が高い。

2019年はこうした激動が政治社会の重大な変動を引き起こす核エネルギー
になる可能性が高い。


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