曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

日本筆頭に主要国政治の制度疲労が限界に

2019年03月31日 14時00分21秒 | 政治

                                  

                   

                    「植草一秀の『知られざる真実』」
                            

                                 2019/03/30
              

 日本筆頭に主要国政治の制度疲労が限界に
              

                                  第2294号
   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019033023120053341 ──────────────────────────────────── 主要国の政治トップの行動が信頼を欠く状況になっている。
日本では天皇退位に伴い元号が変わる。
元号の利用は事務的な煩雑さを招くばかりで実益がほとんどない。
西暦への換算が面倒であり、多種多様な犯罪事案、詐欺事案の発生原因にもな る。
いっそのこと、新元号を「西暦」とし、「西暦19年」から始めて、以後、元 号改定をなくすことを検討してはどうか。
その新元号が4月1日に公表されるが、午前11時半に官房長官が発表したの ち、正午から安倍首相が会見を行うのだという。
平成を公表した際は、小渕恵三官房長官が発表した。
竹下登内閣だったが新元号の発表は小渕官房長官が行い、首相談話は小渕官房 長官が代読した。
新元号は菅義偉官房長官が発表し、首相談話を菅官房長官が代読すればよい。
ところが、安倍首相は違う。
新元号は菅官房長官に発表させるが、説明は自分でやるというのだ。
安倍首相らしい対応であるが、官房長官として長く仕えてきたのだから、新元 号公表の晴れ舞台を菅氏に提供するのが大人(たいじん)の振る舞いというも のだろう。
しかし、それをできないのが安倍首相ということだ。

トランプ大統領は2月28日の米朝首脳会談が物別れに終わった際に行われた 記者会見でも、記者からの質問を多数受け付けて、自分自身の言葉で回答し た。
米国の大統領記者会見はこの方式で行われる。
ところが、安倍首相の記者会見は「学芸会」のようなもの。
質問を事前に提出させて、予定された質問者しか指名しない。
答弁は事前に官僚が作成して、安倍首相はプロンプターに映し出された原稿を 読むだけだ。
だから、安倍首相はLeaderでなくReaderと言われる。
そのトランプ大統領が、再びFRB批判の言葉を発している。
トランプ米大統領は3月29日のツイッターで、連邦準備制度理事会(FR B)による利上げは「間違い」だと断じた。
そして、金融引き締めがなければ「世界の市場はもっと良かった」と批判し た。
さらに、トランプ氏は「インフレがほとんどない中でFRBが誤った利上げ や、ばかげたタイミングでの保有資産圧縮をしていなければ、米経済成長率と 株価はもっと高かった」と批判した。
FRBに対する批判、不満、怒りを公表することは、FRBの行動を制約する もので害が多い。
パウエル議長を選任したのはトランプ大統領だ。
金融市場はパウエル新議長がインフレ対応に甘くなることを警戒した。
そのために、昨年1月から2月にかけて金融市場に波乱が生じた。
パウエル議長は昨年2月末の議会証言で、インフレ対応に積極的に取り組む姿 勢を示した。
この議会証言で金融市場の動揺が収まったのだ。

パウエル議長率いるFRBは2018年に4度の利上げを断行した。
12月の利上げに向けてトランプ大統領のFRB攻撃が苛烈を極めた。
「FRBはいかれている」とまで罵り始めた。
挙げ句の果てはパウエル解任にまで言及した。
大統領府から金融政策の命令が下されれば、FRBとしては、その命令に従順 に従うことが困難になる。
金融政策運営の独立性に疑問が投げかけられるからだ。
12月のFOMCでFRBは昨年4度目の利上げを断行した。
しかし、この利上げを受けてグローバルな株価下落が加速した。
この変化を受けてパウエル議長は本年1月4日に、金融政策運営の路線転換を 示唆する発言を示した。
実際に、FRBは政策路線を転換した。
これを受けてグローバルに株価反発が広がった。
トランプ大統領は、この状況を見守っていればよい。
ところが、再び金融政策に表から注文をつけ始めた。
節度を守らない行動が、マイナスの影響を自分自身に降り向ける原因になる。
英国ではメイ首相の采配に疑問符がつけられている。
議会政治であるから、議会で承認を得られる方針を提示することが重要だが、 それができない。
英国が合意なきEUからの離脱に突入するリスクが高まりつつある。

日本国憲法は前文に次のように明記している。
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、(中略) この憲法を確定する。
そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由 来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受 する。
国政の主人公が国民であることを明記している。
国政は国民の厳粛な信託によるものであり、
その権威は国民に由来するのである。
国民からの信託によって政治を司る代表者が、政治を私(わたくし)してはな らない。
内閣総理大臣は国民の代表者ではあるが、国民の支配者ではない。
内閣総理大臣は行政府の長であって、立法府の長でもない。

日本の支配者でもない首相が、国政を私物化することは許されることではな い。
二階俊博幹事長は安倍首相にこそ、「いささか思い上がっているのではない か」と注文をつけるべきだろう。
首相としての職責を果たしたいのなら、国会における説明責任を果たすことが 先決だ。
森友問題に安倍昭恵氏が深く関与したことは客観的に証明されている。
安倍首相は、自分や妻が関わっていたら、総理大臣も国会議員も辞めるという ことははっきりと申し上げておきたい、と国会で明言した。
安倍昭恵氏の深い関与が明らかになったのであるから、総理大臣も国会議員も 辞めるのが適正な対応だ。
少なくとも、安倍昭恵氏に公の場での説明をさせる責務を負っている。
そのような基本すら守っていない。
これが安倍首相の現状である。

英国でEU離脱の国民投票が実施されたのは2016年6月のこと。
まもなく丸3年の時間が経過する。
国民投票結果を尊重するなら、EU離脱の時期とされた2019年3月末まで に具体的な段取りを正式決定するのが政治の役割である。
この期限がありながら、議会での最終決定を行えぬまま、時間切れに直面して いる。
EU離脱については、英国の国論を二分する論議が展開されたが、国民投票で EU離脱の結果が示されたのである。
その民意を尊重することを前提に国民投票を実施したのではないのか。
議会制民主主義発祥の地である英国において、議会制民主主義の機能不全が生 じていることの意味は重い。

イタリアで政権交代が生じた。
新政権は五つ星運動と同盟による連立政権であるが、五つ星運動は「直接民主 主義」の重要性を訴えている。
イタリア新政権には直接民主主義担当の大臣ポストが新設された。
訪日して市民との対話集会に登壇したリカルド・フラカーロ氏がこの閣僚に登 用された。
五つ星運動はポピュリズム政党とされる。
日本では「ポピュリズム」を「大衆迎合主義」と邦訳するメディアが多いが、 悪質な誤訳である。
「ポピュリズム」は「草の根民主主義」あるいは、「大衆主義」と訳すべき で、「大衆迎合主義」の「迎合」は翻訳者の勝手な価値判断を示す用語法で適 切でない。
米国のトランプ大統領が主要メディアから攻撃され続けているのは、トランプ 大統領が米国を支配する巨大資本勢力の支配下に移行していないからである。
トランプ大統領は巨大資本に服従せずに、米国の旧中産階級の白人層の支持を 得るための施策を展開している。
その基本姿勢に対する評価は多種多様だが、この基本姿勢が、米国を支配する 巨大資本の利害と対立していることは間違いない。
だから、トランプ大統領が主要メディアから攻撃されているのだ。
日本ではNHKがトランプ批判のスタンスを露骨に示すが、このことは、NH Kが米国の支配者である巨大資本の支配下に位置していることを意味してい る。

英国は議会制民主主義の機能不全から早急に脱却しなければならない。
議会が機能不全から脱却する前に、「合意なき離脱」が現実化して、金融市場 が混乱に見舞われる可能性を否定できなくなっている。
日本では国政を私物化する安倍政治に、一刻も早く終止符を打つ必要がある。
そのために、2019政治決戦を最大限活用しなければならない。
 

                              

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