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「分かち合う経済政策」=「シェアノミクス」提唱

2018年04月21日 14時22分31秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                

                      「植草一秀の『知られざる真実』」

                                    2018/04/20

「分かち合う経済政策」=「シェアノミクス」提唱

             第2021号

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昨日、4月19日夕刻、衆議院第二議員会館多目的会議室において、
オールジャパン学習会「さようなら!アベノミクス」
が開催された。

会場定員の制約上、告知・広報をやや控えめにさせていただいたが、多数の市
民の参加を得て、意義深い学習会になった。

お運びくださった市民の方、学習会開催にご協力くださったみなさまに深く感
謝を申し上げたい。

学習会冒頭、オールジャパン平和と共生最高顧問を引き受けて下さっている前
日本医師会会長の原中勝征氏から挨拶があった。

原中氏は、日本の食の安全が破壊され、極めて深刻な事態が発生していること
に警告を発せられた。

成長ホルモンが投与された牛肉の消費により乳がんや前立腺がんの発症が明確
に増大していること、また、遺伝子組み換え食品の摂取により、深刻な健康被
害が発生していることを強調された。

安倍政権の政策運営によって、私たちの命とくらしが脅かされている。

現状を認識し、事態を刷新するために主権者が力を合わせて行動しようという
のがオールジャパン平和と共生の基本方針である。

学習会は二部構成で実施され、
第一部「「むしり取る経済政策」から「分かち合う経済政策」へ」
第二部「亡国のTPP11・種子法廃止」
をテーマに約2時間半の学習会が熱心な市民の参加によって成功裏に終了し
た。

原中勝征氏の挨拶に続き、前衆議院議員の福島伸享氏が登壇され、メッセージ
をいただいた。

昨年2月17日の衆議院予算委員会で福島議員が安倍首相を追及し、安倍首相
による「私や妻が関わっていたら総理大臣も国会議員も辞める」の答弁が生ま
れた。

この1年間の安倍政権没落の端緒を開いたのが福島議員であったと言える。



学習会には立憲民主党の初鹿明博衆議院議員、川内博史衆議院議員が出席さ
れ、スピーチをいただいた。

安倍政権を退陣に追い込むには野党と市民の結束が重要である。

財務省による史上空前の失態続きで国会審議が紛糾しているが、野党は麻生太
郎財務相の辞任、柳瀬唯夫元首相秘書官と安倍昭恵氏の証人喚問実現の確約が
あるまで審議に応じるべきでない。

野党の毅然とした行動が日本政治の凋落を防ぐ重要な要素になる。

学習会の第一部では私から説明をさせていただいた。

第二部ではオールジャパン平和と共生の顧問兼運営委員の山田正彦元農林水産
大臣がTPP11、種子法について講演された。

時宜にかなう重要テーマについて、気魄のこもった重要な指摘と呼びかけが提
示された。

私からは五つのことがらを話させていただいた。

1.アベノミクスの本質、2.アベノミクスの歴史的な位置づけ、3.アベノ
ミクスの骨格、4.アベノミクスに代わる経済政策の提案、5.そのための財
源確保方策についての提言を示させていただいた。

時間の制約があり、それぞれの事項について詳細な説明はできず、聴講くだ
さった方には消化不良であったと思われるが、基本事項を足早に説明させてい
ただいたものである。

詳細については、改めて書物等のかたちでお届けしたいと考えている。

ポイントをかいつまんで表現すると、以下のとおりになる。



アベノミクスは国民の幸福を目指すためのものではなく、大資本の利益拡大を
目指すものである。

アベノミクス三本の矢と言われたが、その核心は「成長戦略」であって、これ
は「大資本の利益の成長戦略」なのである。

アベノミクスは1947年以降の対米隷属政治の基本路線延長線上にある。

対米隷属政治の基本路線を敷いたのは吉田茂と岸信介であり、その孫二人が現
在の日本政治を牛耳っていることは象徴的である。

アベノミクスの柱は、農業自由化、医療自由化、経済特区・民営化、労働規制
撤廃、法人税減税である。

このなかで、とりわけ核心になっているのが労働規制撤廃と法人税減税なの
だ。

私は「アベノミクス」に代わる新しい経済政策として

「シェアノミクス」

を提唱させていただいた。

経済の果実を皆で分かち合う「シェアー」を中心に据えるというものだ。

これを「シェアノミクス」と命名し、新しい経済政策を示す言葉としたい。

「シェアノミクス」の具体的施策として五つの柱を提示した。

消費税廃止、最低賃金引き上げ、最低保障年金確立、一次産業戸別所得補償、
給付型奨学金&奨学金徳政令である。

財源確保の方策として、
法人税増税、所得税の総合課税化、金融資産課税、利権支出排除
を掲げた。

主権者が行動して政権を奪還する。

そして、シェノミクスを実現させたいと思う。



市場原理・小さな政府・規制撤廃・民営化

は「ワシントン・コンセンサス」の柱である。

「ワシントン・コンセンサス」は1989年に経済学者ジョン・ウィリアムソ
ンが命名したもので、ワシントンに本拠地を置くIMF、世銀、米財務省、そ
してホワイトハウスが推進する経済政策の世界戦略である。

ワシントンを拠点とするグローバル巨大資本の策略を世界経済に植え付ける。

各国の経済危機に乗じて経済運営のシステムを強要する。

「ショック・ドクトリン」の一環として経済政策システムを他国に埋め込む。

ネオコンの経済版がワシントン・コンセンサスだと言える。



アベノミクスの本質はまさにこれだ。

すべてを市場原理に委ねれば、何が起こるのかは明白だ。

弱肉強食がすべてを支配する社会が構築される。

富と所得は強い者に集中し、弱者は生存そのものの危機に直面することにな
る。

1%による99%支配の構図が出来上がる。

「小さな政府」とは、政府が社会保障を放棄することを意味する。

「小さな政府」とは政府の「所得再分配機能の放棄」である。

経済力の大きな者から税を徴収し、経済力の小さな者に再分配し、すべての国
民に保障する最低水準を引き上げる。

政府のこの機能を放棄することが「小さな政府」の意味である。



規制撤廃の中心は「労働規制の撤廃」である。

「労働」は「資本」に対して立場が弱い。

だから、規制によって労働者の立場を強化している。

「労働規制の撤廃」は労働者の立場を強化する仕組みをなくすことなのであ
る。

資本が労働を最低コストで使い捨てにできることを後押しするのが「労働規制
撤廃」なのだ。



「民営化」は「官業払い下げ」を言い換えたものだ。

公的事業の多くは、必要不可欠な事業で、かつ、独占事業である。

そして、事業確立に巨大な資本が投下されたものである。

この事業を民間に譲り渡すのが「民営化」だが、事業を引き受けた者は、リス
クも資本投下もなく、倒産しない事業を手にすることができる。

独占事業だから値上げもし放題になる。

努力なしに超過利潤を永続的に手にし続けることができる。

「民営化」とは「官業払い下げ」であり、「利権」そのものなのだ。

一国の経済危機に乗じては、グローバル資本が国家事業を収奪する。

収奪によって濡れ手に粟の利益を獲得するのが国際機関と結託するグローバル
資本なのだ。



アベノミクスとは、まさにグローバル資本=ハゲタカの利益を極大化させるた
めの政策パッケージなのである。

大資本に利益を与え、一般国民に不利益を与える。

この本質を私たちは正確に理解しなければならない。

そして、いま、アベノミクスに決別し、「分かち合う経済政策=シェアノミク
ス」を実行するべきなのだ。

経済活動の結果生まれた果実を、みなで分かち合うための経済政策である。

主眼は、すべての人に保障する最低水準の引き上げにある。

「豊かな社会」とは、社会を構成する鎖の輪の、一番弱い部分をしっかり強く
することのできた社会のことだ。

社会を構成する鎖の輪の、一番弱い部分が強化されれば、社会の輪の力は強く
なる。

これが「豊かな社会」である。

政府がこれを実現するには「所得再分配政策」が必要なのだ。

力の余った経済主体から財源を調達して、これを最低保障水準の引き上げに充
当する。

これが「シェアノミクス」の考え方である。

「シェアノミクス」で愛・夢・希望の社会を実現すること。

いま求められている新しい政治の方向はこの方向であると考える。

 


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