曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

ノックアウト寸前逃げの一手安倍内閣

2018年04月13日 16時19分47秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                               

                                         「植草一秀の『知られざる真実』」

                            

                          ノックアウト寸前逃げの一手安倍内閣

                          第2014号

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昨年3月13日の参議院予算委員会の質疑で次のやり取りがあった。

質問者は社会民主党の福島みずほ議員である。

○福島みずほ君 次に、加計学園についてお聞きをいたします。
加計学園理事長加計孝太郎さんが今治市で岡山理科大学獣医学部をつくりたい
と思っているのを知っていましたか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) お答えする前に、私や家内がバックにいれば
役所が何でも言うこと聞くんだったら、福島先生、長門市と私の地元、予算全
部通っていますよ。誰が考えたって、私の地元でしょう、そこから要望する予
算が全部通っていますか、通っていませんよ。様々な要望をしているけど、こ
れ全部通っていませんよ。通っているのもあれば通っていないのもあります
よ。そんな簡単なものではない。そういうのを言わば印象操作というんです
よ。

そんな、そんな、言わば、安倍政権のみならず、政府あるいは行政の判断を侮
辱するような判断は、侮辱するような言辞はやめていただきたいと思います
よ。しっかりと皆さんちゃんと真面目に業務に精励しているわけでありまし
て、それが、それがまるで私の名前が付いていれば全部物事が進んでいくかの
ごとくのこの誹謗中傷はやめていただきたいと、こう思う次第でございます。

それと、今、加計学園について、言わば、私がこの獣医学部を、獣医学部を最
終的に知っていましたかというのは、最終的にこれは今治と、これは広島でし
たっけ、の特区が決定された中によってこの加計学園がこの獣医学部を開設を
するということが決定したということは、もちろん私は承知をしております、
政府の決定でございますから。

○福島みずほ君 全く答えていないじゃないですか。加計学園の理事長がここ
で獣医学部をつくりたいと思っているかどうかをあなたが知っていたかどう
か、総理が知っていたかどうかを聞いたわけです。

二〇一六年、七回食事やゴルフをしています。その前、二〇一四年六月から二
〇一六年十二月まで、二年半の中で十三回食事などをしています。長年の友人
じゃないですか。極めて長年の友人です。だからお聞きをしているんです。政
策がゆがめられているんじゃないかという質問です。



平成二十八年、二〇一六年十一月九日、獣医学部の新設を国家戦略特区が決め
ます。そこで、このため、かねてより準備を進め具体的提案を行ってきた自治
体を中心に、具体的プロジェクトとして、実際の獣医学部の立ち上げを急ぐ必
要があり、そのための規制改革、すなわち関係告示の改正を、直ちに行うべき
であるという国家戦略特区の決定です。

この具体的提案を行ってきた自治体というのは今治市ということでよろしいで
すか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これ、担当大臣を呼んでいただけますか。山
本さんが担当大臣なんですよ。ですから、山本さんを呼んでいただかなけれ
ば、私、それお答えのしようがありませんよ。詳しく私存じ上げませんから。
これ、所管外ですから、今、私、お答えできませんよ。

○福島みずほ君 でも、その加計学園の理事長と非常に懇意にしていて、十一
月九日の日に今治市なんですよ。そして、というか、獣医学科を決める、そし
て構造改革特区にずっと愛媛県と今治市はこの獣医学科の選定、やってくれと
いうことを言っています。だから、二〇一〇年、日本の獣医学会はこれに反対
の声明を出しています。それはこういう中身です。

日本獣医師会二〇一〇年八月五日付け声明。特区提案による大学獣医学部の新
設について批判をしています。高度専門職業養成の責を担う獣医学教育課程が
特区に名を借りた地域おこしや特定の一法人による大学ビジネス拡大の手段と
化すようなことがあってはならないというふうに言っているんですね。そし
て、ここの中身は、もう今治市、加計学園というふうに名前がもう既にずっと
出続けているんですよ。

総理、なぜ急転直下、国家戦略特区によって獣医学部新設、そしてこの大臣告
示を規制緩和する、まさにそこで発言をされているからこそ聞いているんで
す。特区の議長じゃないかですか。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) 福島さんね、特定の人物の名前を出して、あ
るいは学校の名前を出している以上、何か政治によってゆがめられたという確
証がなければその人物に対して極めて、私は、失礼ですよ。そして、この学校
で、学校で学んでいる子供たちも傷つけることになるんですよ。まるで私が友
人であるから、何かこの特区、あるいは様々な手続について、何か政治的な力
を加えたかのごとくの今質問の仕方ですよね。それ、あなた責任取れるんです
か、これ全く関係なかったら。

(中略)

それと、今、そこまであなたが疑惑があるかのごとく私人に対して質問をして
いるわけであります。(発言する者あり)名前を出しているじゃないですか。
名前を出している。しかも、学園の名前も出していますよね。これ、生徒の募
集等々にも大きな影響を与えますよ。これ、あなた責任取れるんですか、私は
それを問いたい。これ今NHKで放送されて、全国放送でされているんです
よ。これは私はもう驚くべきことであります。

(中略)

○福島みずほ君 政府の政策が合理的になされているかどうかをただすのが国
会です。政府の審査をするのが国会議員の仕事で、野党じゃないですか。その
質問に対して、何で総理はそう恫喝するんですか。

総理は、総理は、十月二日と十二月二十四日、まさにその二〇一六年の十一月
九日に国家戦略特区で一つだけ獣医学科を規制緩和する、まさにここでという
ことを総理自身が議長で決めたときの前後に、十月二日、十二月二十四日、こ
の方と食事をしています。こういう話をしたんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これね、私、そもそも、そもそもですよ、何
かこれ不正があったんですか。だから私は言ったんですよ。何か確証をつかん
でいるんですかということですよ、週刊誌の記事以外に。何か確証もつかずに
この国会の場において何か問題があったかのごとく、私と彼が会食、彼は私の
友人ですよ、ですから会食もします、ゴルフもします。でも、彼から私、頼ま
れたことありませんよ、この問題について。ですから、働きかけていません。
これはっきりと申し上げておきます。
 
働きかけているというのであれば、何か確証を示してくださいよ。私は、もし
働きかけて決めているのであれば、やっぱりそれは私、責任取りますよ。当た
り前じゃないですか。

(中略)

安倍首相は昨年3月13日の参議院予算委員会の質疑で、加計学園の獣医学部
新設認可問題について、

「もし働きかけて決めているのであれば、やっぱりそれは私、責任取ります
よ。当たり前じゃないですか。」と明確に答弁している。



愛媛県や今治市、加計学園幹部らが2015年4月2日に柳瀬唯夫首相秘書官
(当時)と面会したとされる問題に関して、愛媛県の職員が作成したとされる
面会記録の内容が報道されている。

この面会記録については、愛媛県の中村時広知事が、その存在を認めている。

面会記録には、柳瀬氏が「本件は、首相案件」だと発言したとされている。

このことについて、柳瀬氏は

「自分の記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありませ
ん」

としている。

文書が「備忘録」的なものであること、愛媛県の職員がメモとして作成したも
のであると見られることから、安倍首相官邸側は、従来の国会答弁を維持して
逃げ切れると判断しているものと見られる。

過去の国会招致の際も、柳瀬氏は今治市および愛媛県の職員と「会っていな
い」とは発言していない。



柳瀬氏は、国会での発言において、常に「記憶の限りでは」という「枕詞(ま
くらことば)」を付している。

この言葉を付けておけば、のちに、「会っていた」ことが判明していても逃げ
られるからだ。

「会っていない」と断言して「会っていた」ことが判明すれば、証言は偽証と
いうことになる。

しかし、「記憶の限りでは」と枕詞をつけておけば、「会っていた」ことが判
明していても、「記憶違いだった」の一言で逃げられる。

逆に考えると、もし本当に会っていないのなら、枕詞を付けずに「会っていな
い」と発言するはずだ。

つまり、「記憶の限りでは」という枕詞を付けて「会っていない」と発言して
いることが、本当は「会っていた」可能性が極めて高いことを示している。



与党は柳瀬唯夫氏の参考人招致を容認する構えだが、決定的な証拠が示されな
い限り、「記憶にない」、「そんなことを発言していない」で乗り切れると判
断しているのだと考えられる。

証拠がなければ、密室でのやり取りについて、事実はこれであると証明するこ
とはできない。

愛媛県職員が作成したメモは事実に基づいているのだと考えられる。

このメモが事実であると、安倍首相の国会答弁は完全崩壊する。

安倍首相は2017年1月まで加計学園が国家戦略特区の事業として獣医学部
新設を申請している事実を知らなかったと答弁している。

ところが、2015年4月の段階で、すでにその事実を認識していたことにな
る。

また、「首相案件」というのが事実であれば、安倍首相が昨年3月13日の国
会答弁で述べた「私が働きかけている」ということになる可能性が高い。

極めて重大な事案である。



現時点では、一種の水掛け論に持ち込まれてしまう懸念があるが、事実関係の
把握がもう一歩進むと状況が一変する。

東京地検特捜部が石川知裕氏に対する事情聴取内容をまとめた捜査報告書をね
つ造して小沢一郎氏を強制起訴に持ち込んだ重大犯罪行為が明らかになったの
も、

財務省が森友学園と事前に価格交渉し、森友学園の要望に沿った実質ゼロ円に
近い価格を提示した事実が明らかになったのも、

決め手は録音データの存在だった。

石川知裕衆院議員の事情聴取捜査報告書は完全にねつ造されていた。

この重大事実は録音データによって発覚した。

また、森友学園への国有地払い下げ問題については、財務省が事前に価格を提
示し、森友学園の要請に従って財務省が森友学園の要請通りの価格を提示した
ことも判明しているが、この事実を明らかにしたのも録音データである。

愛媛県の職員が柳瀬唯夫氏と面会した際のやり取りについても、録音データが
存在する可能性を否定できない。



「天網恢恢疎にして漏らさず」

である。

安倍首相はいくつか明確なことを国会で明言している。

「森友学園の国有地払い下げおよび学校認可について、自分や妻がかかってい
たら、総理も議員も辞める」

「加計学園が今治市で特区制度で獣医学部を新設する意向を持っていることを
初めて知ったのは2017年1月である。」

「加計学園の獣医学部新設認可について私が働きかけていれば責任を取る」

これらの発言に抵触する事実が次から次へと明らかになっている。

どれだけ逃げても、真実の重みは何にも勝るものである。

安倍内閣の崩壊は時間の問題であると見られる。

不毛な国会論戦から脱するには、安倍内閣の退場が最大の急務である。

 


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