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安倍政権のアジア外交の何が矛盾なのか

2018年01月20日 20時06分53秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                

                        「植草一秀の『知られざる真実』」

                                       2018/01/20

 

                   安倍政権のアジア外交の何が矛盾なのか

              第1949号

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不幸の原因は矛盾にあるという。

三つの矛盾を示しておこう。

第一の矛盾は、五輪を「平和の祭典」としながら、この五輪を政争の具にしよ
うとする矛盾。

隣国の韓国で冬季五輪が開催される。この五輪を契機に南北の融和が進展する
ことは望ましいことである。

日本も東京五輪開催を控えている。東京五輪を「平和の祭典」として成功させ
たいと考えるなら、韓国の冬季五輪に最大の協力をすることは友好国として当
然の行動だろう。

その五輪開会式出席を政治的な理由で拒絶する姿勢に根本的な矛盾がある。

第二の矛盾は、核兵器を「抑止力」と位置付けておきながら、北朝鮮が主張す
る「抑止力」を無視することである。

そもそも、核兵器は廃絶するべきものである。

日本は核兵器禁止条約を批准するべきであるが、日本政府は核兵器禁止条約に
背を向けている。

核兵器は「抑止力」で、この「抑止力」が機能することのより平和を維持でき
る。

これが核兵器を正当化する「抑止力」の論理である。

北朝鮮が核装備に突き進んでいる理由は、米国を侵略するためではなく、米国
からの軍事侵攻に対する「抑止力」を確保するためと考えられる。

この意味では、同じ「抑止力」であり、米国の核保有は正当で北朝鮮の核保有
は正当でないという主張は、「差別」構造そのものである。



第三の矛盾は、南北の対話、融和に対して、米国が北朝鮮への軍事オプション
行使という「煽り」を行っていることだ。

大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の会談で平昌五輪への
合同参加が合意されたときに、米国はカナダのバンクーバーで北朝鮮への「圧
力強化」を確認するための「20ヵ国外相会合」をバンクーバーで開催した。

対話と融和の進展を期待し、見守るべきところ、米国は日本を隷属させて北朝
鮮に対する挑発を繰り返している。

北朝鮮と米国の挑発合戦が偶発的に戦乱につながることを何よりも警戒する必
要があるが、冷静な対応ではない、挑発的な行動が展開されることは望ましい
ことではない。

北朝鮮と韓国は同じ民族が分断されるという悲劇の主人公である。

「アリの一言」ブログ氏が、朝鮮が南北に分断された背景について、奈良女子
大名誉教授中塚明氏とオーストラリア国立大教授ガバン・マコーマック氏の指
摘を紹介されている。

以下に転載する。

「一九四五年八月十五日、日本が敗北するとすぐさま朝鮮建国準備委員会(委
員長・呂運亨)が結成され、八月末まで朝鮮全国各地に一四五もの人民委員会
がつくられる勢いでした。九月六日には、朝鮮人民共和国の樹立が宣言されま
した。首席にアメリカで活動していた李承晩、副首相に呂運亨という布陣で、
幅ひろい組織をめざしました。

しかし、アメリカは南朝鮮に軍政を施行し、朝鮮人民共和国を認めず、きびし
く弾圧しました。

…朝鮮人自身による独立政府樹立の運動がつづく中…

アメリカは、一九四七年、創設まもない国連に朝鮮問題を持ち込み、国連監視
下の南北朝鮮の総選挙を可決、翌年には南朝鮮だけの単独選挙実施方針を示し
ました」(中塚明奈良女子大名誉教授『日本と韓国・朝鮮の歴史』高文研)



「そもそも朝鮮の分断は、アメリカの一方的決定によるものであった。

…終戦直後の一九四五年九月、朝鮮に上陸し、朝鮮南部に軍事的支配を樹立し
たアメリカは、すでにその行政区域内に育っていた朝鮮人自身の萌芽的共和国
(呂運亨主導下の朝鮮人民共和国)とその草の根の組織である人民委員会の承
認を拒否した。…

日本の植民地体制と植民地統治が崩壊し、代わりにアメリカ支配が始まってか
ら、莫大な富と権力がアメリカ人の手に渡った」(ガバン・マコーマック・
オーストラリア国立大教授『侵略の舞台裏 朝鮮戦争の真実』影書房)

米国が朝鮮を南北に分断し、韓国を支配下に置いてきた。

米国にとって日本と韓国は軍事戦略上、極めて重要な位置を占めている。

米国の利益のため、米国の都合のために朝鮮半島の南側が米国に支配され続け
てきたのである。

韓国の文在寅大統領の両親は北朝鮮の出身者であるとされる。

文在寅大統領は南北朝鮮の統一を目指しているのだと考えられる。

米国の軍産複合体は軍事支出を維持するための大義名分を必要としている。

東アジア情勢に緊張が生み出されている最大の背景は、米国の軍産複合体の
「産業事情」にあると考えられる。東アジアに平和と安定が生み出されて困る
のは、この軍産複合体なのである。

日本は米国の軍産複合体の手先になるのではなく、東アジアの平和と安定の実
現を目指すべきだ。

矛盾だらけの安倍政権はいずれ退場を迫られることになると考えられる。



核を正当化する論理が「抑止力」である。

核を保有することにより、報復攻撃を恐れて軍事侵略が抑止される。

日本が核兵器禁止条約に参加しない理由は、日本が核の傘に守られており、
「抑止力」を有する核兵器の意義を否定できないからだという。

核兵器は戦争を抑止する機能を有しており、この「抑止力」によって日本の安
全保障が確保されているから、核兵器そのものを否定できないのだという。

この「抑止力」理論を正当化するなら、北朝鮮の核武装の主張を頭ごなしに否
定することは難しくなる。

北朝鮮も米国による軍事侵攻を「抑止」するために核武装するのだと主張して
いる。

同じ「抑止力」理論に立脚して核武装を主張している。

日本も加盟している核拡散防止条約=NPTは、第二次大戦の戦勝五大国であ
る米ソ英仏中の五ヵ国だけに核保有を認め、これ以外の国に核兵器保有を認め
ないというものだ。

しかし、この核拡散防止条約そのものが究極の不平等条約なのである。



しかも、核拡散防止条約がありながら、戦勝五大国以外に核保有国が存在す
る。これらの核保有国は核拡散防止条約に加盟していない。

インド、パキスタン、イスラエルが核保有国であると認識されている。

インドやイスラエルの核保有がなぜ是認されるのか。

インドやイスラエルの核保有が黙認されながら、イランや北朝鮮の核保有は認
めない。

こうした枠組み全体が矛盾そのものなのである。



世界で唯一の戦争による被爆国である日本は、核廃絶の先頭に立つべきであ
る。

「抑止力」理論に立脚する核保有を容認しながら、「抑止力」に立脚する核保
有を非難することこそ、本質的な矛盾である。

本当の意味で核を廃絶しようと考えるなら、核保有そのものを禁止するほかな
い。

核兵器禁止条約こそ、日本が先頭に立って実現するべきものである。

米国の命令に服従するだけで、米国の核保有は容認し、他国の「抑止力」理論
に基づく核保有は認めないというのは、論理として破綻している。



朝鮮半島の最大の問題、悲劇は、朝鮮が他国の力によって南北に分断され続け
てきたという点にある。

南北の融和、南北の統一こそ、目指すべき目標である。

その南北の分断、韓国に対する支配を確保し、手放さずに来たのが米国なので
ある。

米国の韓国支配は韓国のためのものではなく、米国のためのものである。

その米国の支配下にある日本は、日本や韓国のための外交ではなく、米国の利
益を守るための外交を展開しているのである。



こうした倒錯した日本外交のあり方を根底から改めるべきときが来ている。

従軍慰安婦少女像に関する日韓合意についても、表に公表された合意の裏側
に、公表されていない「裏合意」が存在していたことが明らかにされた。

この「裏合意」の内容を踏まえると、韓国の新政権としては、問題の根幹にあ
る慰安婦被害者の理解と同意を得ることはできないとの判断に至ったのだと説
明している。

日本政府は「裏合意」について説明する義務がある。

民主主義の体制下で他国との合意にこのような隠ぺい事実が存在することが問
題である。

この「裏合意」の内容が問題解決の最大の障害になっているのだ。

この事実を韓国の新政権が明らかにした。韓国では政権が刷新されたのである
から、過去の外交についての事実を精査した上で、外交方針を見直すことが
あって不自然ではない。

米国はオバマ政権が署名までしたTPPから離脱したが、安倍首相はトランプ
大統領にTPP離脱を認められないとの非難を行っていない。

米国には何も言えず、韓国の新しい方針は認めないというのは、典型的なダブ
ルスタンダード、矛盾そのものである。



日本は北朝鮮との対応において、「対話」の重要性も認識するべきである。

韓国の五輪開会式には首相が出席するべきである。

そして、米国に対しても核廃絶を訴えかけ、核兵器禁止条約の先頭に日本が立
つべきである。

包括的な核兵器禁止を訴えてこそ、初めて北朝鮮に対しても核放棄を訴えるこ
とができるはずなのだ。

矛盾に満ち溢れていることが安倍政権の未来を暗示している。

 


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