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非常事態対応の根幹は生存権の保障

2020年03月27日 16時29分20秒 | 政治

                                

                     「植草一秀の『知られざる真実』」

                                       2020/03/26

                非常事態対応の根幹は生存権の保障

           第2586号

   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2020032619402664939
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安倍内閣のコロナウイルスへの対応が支離滅裂だ。

1月下旬には中国での爆発的な感染拡大が明らかになっていた。

本ブログでは1月25日付記事
「常に後手に回る政策対応が日本崩壊の主因」
https://bit.ly/396vaNV

に次のように記述した。

「安倍内閣は利権まみれの東京汚リンピックを推進しているが、新型肺炎の感
染拡大によって東京汚リンピックが開催中止に追い込まれる可能性も否定し切
れない。」

その後、1月30日に

「「新型肺炎でオリンピック中止」デマ拡散」

の記事が配信された。

本ブログ記事のことを「デマ拡散」と表現したのかどうか分からないが、20
20年の東京五輪開催は不可能になった。

安倍内閣はコロナウイルス感染拡大に対して無策だった。

「水際対策」を叫ぶなら、中国全土からの人の流入を遮断する必要があっただ
ろう。

感染拡大を阻止する施策を推進する必要もあった。

2月3日に横浜港に帰港したダイヤモンド・プリンセスに対して日本政府は、
すでに2月1日に沖縄県那覇港で検疫と入国手続きを完了していた。

安倍内閣は実施済みの検疫を取り消して、再度、検疫を実施した。

しかし、3711人の乗員乗客に対して273人にしかPCR検査を実施しな
かった。



3711人の乗員・乗客を密閉された船内に監禁して、感染の爆発的拡大とい
う悲劇を生み出した。

国内では感染拡大阻止を最優先するべきだったが、安倍内閣の対応は支離滅裂
だった。

2月24日に専門家会議から「これからの1、2週間が、感染が急激に拡大す
るか、感染を収束できるかの瀬戸際になる」との見解を発した。

このときには、学校休校もイベントの一斉自粛も要請しなかったが、北海道知
事が非常事態宣言を発すると、突然、全国一斉の学校休校、イベント自粛を要
請するという場当たり対応を示した。

ところが、その一方で、3月1日の東京マラソン、3月8日のびわ湖毎日マラ
ソン、名古屋ウィメンズマラソン実施を強行した。

東京マラソンでは7万人の市民による濃厚接触が創設された。

ギリシャ政府が聖火リレーを中止したにもかかわらず、五輪組織委員会は日本
での聖火リレーを強行する方針を掲げ続けた。

東北地方での復興の火展示では、多数の市民が濃厚接触状態を形成したが、こ
れも容認した。

安倍内閣、五輪組織委員会、小池百合子東京都知事はWHOがパンデミック宣
言を発したあとも、7月24日の五輪開催を叫び続けた。

感染拡大を防ぐには検査を拡充することが基本になる。

感染を早期に発見し、感染者の行動を抑止する。

感染を早期に発見し、高齢者、基礎疾患保持者の重篤化を防ぐ。



世界の各国がこの対応を進めてきた。

ところが、安倍内閣はPCR検査を徹底的に妨害する措置をとり続けてきた。

検査を実施して感染を確認すれば感染者数としてカウントしなければならな
い。

発表する感染者数を少なく見せるためにPCR検査を妨害するという天下の愚
策を展開し続けた。

この愚策の最高責任者が安倍首相であり、現場責任者が加藤勝信厚労相だ。

安倍首相は2月29日の記者会見で、

「かかりつけ医など、身近にいるお医者さんが必要と考える場合には、すべて
の患者の皆さんがPCR検査を受けることができる十分な検査能力を確保いた
します」

と述べながら、かかりつけ医の判断でPCR検査を受けることができる運用を
徹底的に拒んでいる。

日本に医療機関は11万あるが、PCR検査を実施する医療機関を860の帰
国者・接触者外来に制限している。

しかも、帰国者・接触者相談センターが帰国者・接触者外来での受診をほとん
ど許可しない。

小池百合子東京都知事は3月25日になって、突然「感染爆発・重大局面」と
言い始めた。

こんなことは1月末に示すべきことだった。

感染抑止ではなく五輪ファーストで突き進み、3月1日に東京マラソンを実施
しておいて「感染爆発・重大局面」とは恐れ入る。

重大局面は安倍内閣、五輪組織委員会、小池都知事が生み出したものだ。

鳩山友紀夫元首相のツイートは正鵠を射るものだ。

https://bit.ly/3awFU9u



暴落した株価が反発した。

大暴落の局面では必ず底練り反動高がある。

一気に3割、4割の株価大暴落が生じたのだから、その反動は生じる。

しかし、基調が変わったと見るのは早計だ。

各国がコロナ対策を打ち出した。

これに金融市場は反応する。

しかし、現時点でアク抜けはしない。

なぜなら、トンネルの出口がまだ見えていないからだ。

トランプ大統領は、4月中旬以降は経済活動を再開させると発言したが、トラ
ンプ大統領の発言に信ぴょう性はない。

トランプ大統領は温かくなればコロナウイルス問題が消えると言っていたの
だ。

事態は真逆に展開している。



2月25日に、米国疾病対策センター(CDC)国立予防接種・呼吸器疾患セ
ンターのナンシー・メッソニエ所長が、米国でコミュニティ感染が生じるのは
確実で、感染の世界的流行=パンデミックになる可能性が極めて高いとの見通
しを示した。

トランプ大統領と真逆の見解を示したが、これが現実になった。

その感染拡大が、今後、どのような推移を辿るのかについて、現時点で判断を
下せない。

日本の公表感染者数を基準に計算すると致死率は4%だ。

きわめて高い。

また、肺炎で死亡している者の多くが実は感染者である疑いも指摘されてい
る。

安倍内閣がPCR検査を徹底的に妨害しているなかで確実に感染者数が増加し
ている。

すでに感染爆発が生じている可能性が高い。



感染から発症、そして、検査での感染確認までに長期間の時間がかかる。

諸外国では検査を拡充しているから早期発見が可能だが、日本では病状が進行
しなければ検査を受けることはできない。

3月25、26日の東京都の確認感染者数が急増したが、この感染者が感染し
た時期は3週間から4週間も前の時点であると考えられる。

日本の方式で確認される感染者数が増加してから「重大事態」と叫んでも遅す
ぎする。

この感染者が感染した頃、小池都知事は東京マラソンの旗を振っていたのだ。

東京マラソンを強行しておきながら、五輪延期が決まると突然重大事態という
のは、支離滅裂としか言いようがない。



安倍支離滅裂内閣に独裁権限を与えるのはヒトラーに独裁権限を与えるような
ものだ。

独裁権限ではなく検査拡大を実現させることが野党の責務ではないのか。

大都市圏で爆発的感染拡大が進行している可能性が高い。

感染を抑制するには適正な行動規範を形成することが必要だ。

自粛を求めても行動を統制することはできない。

なぜなら、人々が生活困窮に陥るからだ。

通勤にしろ、イベントにしろ、自粛を求めるなら、自粛を可能にする経済的補
償が不可欠だ。

経済的補償もなく自粛を求めても、応じられない人が出るのは当然だ。

独裁権限で個人の行動を締め付けるのでなく、合理的な補償を国家が保証する
ことによって、適正な行動を促すことが重要なのだ。

国民は主権者であって奴隷ではないのだ。



イベント自粛を要請しても、イベントをキャンセルするには巨大な費用が発生
する。

この費用に対する補償措置がなければ、自主的にイベントを自粛すること困難
だ。

あたりまえのことだ。

そのために政府がある。

政府がやるべきことは独裁権限を奮うことではなく、合理性のある補償政策で
ある。

政府は主権者が主権者のために創設したものだ。

国民の上に立って、国民を支配する存在でない。

貴重な財政資金を透明、公正に、適正に主権者のために投下するのが政府の責
務である。


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