曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

1%が99%勢力を支配するための五つの詐術

2018年04月17日 13時57分39秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                                

                                          「植草一秀の『知られざる真実』」

                                            2018/04/16


                        1%が99%勢力を支配するための五つの詐術

                        第2018号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2018041623153645399
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-45922.epub
────────────────────────────────────
安倍内閣が退場を求められる主因は、この政権が国民生活の改善、浮上を実現
していないことにある。

より正確に表現するなら、安倍内閣が国民の生活を第一に位置付けていないこ
とが問題なのだ。

国民生活を改善させようとしているが、結果的に国民生活が改善していないの
と、そもそも、国民生活の改善を目指していないのとでは意味が異なる。

安倍内閣は「アベノミクス」を掲げて、「アベノミクスが成功した」と宣伝し
ているのだが、「アベノミクス」で何がどのように変わったのかが大事であ
り、その具体的成果が問題なのだ。

安倍首相がアピールするのは、

名目GDPが増えた。

有効求人倍率が上昇した。

雇用者数が増えた。

企業収益が拡大した。

株価が上昇した。

であるが、これだけでは、国民生活が改善したのかどうかが分からない。

雇用者が増えて、有効求人倍率が上昇したのは、たしかに良いことではあるだ
ろう。

しかし、労働者にとって一番大事なことは実質の賃金が増えるのかどうか。

労働者としての身分の安定性が増したのかどうかである。

これらの質的な側面を考慮すると、アベノミクスは主権者国民に恩恵をもたら
していない。



安倍内閣の下での日本経済全体のパフォーマンスは非常に悪い。

経済成長率の単純平均値は+1.5%にとどまっている。これは、民主党政権
時代の+1.8%をも下回る数値である。

民主党政権時代の日本経済は極めて低調だった。

東日本大震災があり、原発事故もあった。

あの低迷していた時代よりも、さらに悪いのが第2次安倍内閣発足後の日本経
済の実態なのだ。

経済政策を評価する出発点は経済成長率の実績であるが、この中核においてア
ベノミクスは完全に落第点なのである。

労働者=生活者=消費者=市民=主権者にとって、最重要の経済指標は言うま
でもない。実質賃金の変化だ。

この実質賃金が第2次安倍内閣発足後に約5%も減少した。

国民の生活レベルは確実に落ち込んだのである。

あの、あまりパットしなかった民主党政権時代でさえ、実質賃金指数はおおむ
ね横ばい推移だった。

それが第2次安倍内閣発足後に5%も減少した。

アベノミクスは国民生活の視点から見れば、完全に落第なのだ。

その一方で、大企業の利益は史上空前の高水準に達している。

株価は上昇したが、株価というのは400万社ある日本の法人のなかのたった
の4000社の利益を反映するものでしかない。

経済を映す鏡の存在ではなく、0.1%の上澄み企業の収益を映す鏡でしかな
いのだ。



「大企業の利益が増えれば、回り回って労働者の賃金も増える」というのが
「トリクルダウン」と呼ばれる議論だが、アベノミクスではこのような現象は
絶対に起きない。

なぜなら、アベノミクスの中核に、労働コストの圧縮による企業収益の拡大と
いう目標が置かれているからだ。

アベノミクスの柱は「成長戦略」と呼ばれるものだが、これは、大企業利益の
「成長戦略」である。

そして大企業利益を拡大させるための最重要の方策が「労働コストの圧縮」な
のだ。

「働き方改革」などという言葉遊びに惑わされてはならない。

アベノミクスが推進しているのは、正規から非正規へのシフト加速、外国人労
働力導入拡大による国内賃金の引下げ誘導、解雇の自由化、長時間残業の合法
化、残業代ゼロ制度の拡大、なのである。

これらのすべてに共通する目的はただ一つ。

労働コストの圧縮である。

4月19日(木)午後5時半から衆議院第二議員会館多目的会議室において
オールジャパン学習会第2弾「さようなら!アベノミクス」を開催する。

第1部「むしり取る経済政策」から「分かち合う経済政策」への転換

第2部 亡国のTPP11&種子法廃止

をテーマに、私と山田正彦元農水相が講演させていただく。

席数に限りはあるが、ぜひご参加賜りたく思う。



安倍内閣は誰のために政治を運営しているのか。

これが非常に大事だ。

安倍内閣は主権者国民のために政治を運営せず、巨大な資本=大資本=ハゲタ
カのために政治を運営している。

ハゲタカが世界を一つの市場にして、利益を極大化させること。

これが「グローバリズム」である。

そして、安倍内閣はこの「グローバリズム」を推進している。

グローバリズムは巨大資本の利益極大化を目指す運動であって、グローバリズ
ムは一般国民の不利益を拡大することによって利益を増大させる。

両者の間には「相反」の関係がある。

経済活動の成果=果実は「労働」と「資本」とに分けられる。

これを「分配所得」と呼ぶが、労働分配を引き上げれば資本分配は減り、労働
分配を引き下げれば資本分配は増加する。

単純な話なのだ。



小泉政権以来、「新自由主義」の経済政策が推進されてきたが、このことに
よって、趨勢として「労働分配率」は低下し、「資本分配率」が上昇してき
た。

政策の方針として、これが意図して実行されてきたのである。

これを「改革政策」、「アベノミクス」と表現して、あたかも「良い政策」で
あるかのような「印象操作」が繰り広げられてきた。

しかし、内実は資本のリターンを高めることが目的であり、必然的に、労働の
取り分、労働分配率が圧縮されてきたのである。

究極の目標は、一握りの支配者と、大多数の低所得者による生産構造を構築す
ることである。

日本社会はかつて、一億総中流と言われたが、いまや、一億総下流状況に移行
しつつある。

この変化を推進するのがアベノミクスなのだ。



安倍内閣がハゲタカ大資本の利益のために政治を運営しているのは、カネの流
れに基づいている。

日本では企業献金が認められている。

大資本は個人と異なり、巨大な資金力を有する。

企業献金が禁止されていれば企業の資金力が政治を支配することは生じ得ない
が、日本の場合、企業献金が合法とされているために、大資本がカネの力で政
治を動かしてしまう。

安倍自公政権は大資本のカネの力によって動かされているのだ。

日本の上場企業の自己資本の約4割が外国資本である。

この巨大資本が安倍自公政治に巨大な資金を投下する。

巨大な資金を投下しても、それ以上の見返りが政治から提供されれば、こうし
た資金投下は合理性を持つ。

要するに、安倍政治というのは、カネの力によって「買われた政治」になって
しまっているのだ。



しかし、このような政治にとって、最大の関門がある。

それが国政選挙である。

国政選挙で勝利しないと、このような政治運営を続けることができない。

したがって、1%勢力が1%のための政治を維持し続けるには、選挙という関
門を乗り切ることが絶対に必要なのである。

そのためには、さまざまな工作活動が必要になる。

巨大資本が民主主義制度下の選挙を乗り切るために活用している五つの手法が
ある。

それは、教育、洗脳、弾圧、堕落、買収である。

日本の教育の基本は「覚えろ、従え」である。

上から押さえつける教育。

上の命令に従順に従い、上の命令をすべて受け入れる者が優等生である。

自分で考え、自分の意見を持ち、自分の意見を述べる者は「問題児」として取
り扱われる。



教育の本当の目的は、「自分で考える力を持たせること」、「自分の意見を主
張することができるようにすること」であるべきだ。

しかし、日本では、これが教育の現場で忌み嫌われている。

国家が支配できる人間を生み出すことが教育に与えられた使命になっている。

「洗脳」とは情報空間を支配して、国民の頭の中に「官製情報」を植え込むこ
とである。

重要なことはマスメディアを支配すること。

多くの市民はマスメディアの情報操作に絡めとられてしまっている。

マスメディアを支配して、国民の思考、判断、哲学を支配してしまうことが実
行されている。



第三の手法は「弾圧」である。

日本政治の基本構造を刷新するリスクのある人物に対しては、激しい「人物破
壊工作」が展開される。

小沢一郎氏、鳩山友紀夫氏がその標的にされた。

私もまったく同じ文脈上で危険人物と判定されて、卑劣な人物破壊工作の標的
にされたのだと思われる。

共謀罪が創設され、特定秘密保護法が制定され、警察・検察の捜査手法・権限
がさらに拡大され、人物破壊工作発動の余地がさらに拡張されている。

第四は「堕落」である。

国民の関心を政治に向かわせないためのさまざまな手法が採られている。

スポーツ、セックス、スクリーンという「3S」政策はいまなお、国民の関心
を政治から逸らすための方策として活用されている。



そして第五は買収である。

日本がこのような五流国に転落した最大の原因は、

「いまだけ、カネだけ、自分だけ」の人物が激増したことにある。

鈴木宣弘教授は、これを「三だけ主義」と命名しているが、まさに「三だけ主
義」の蔓延で、日本が転落しているのである。

政治権力に対して、ひるむことなく正論をぶつける国士が激減する一方で、政
治権力にすり寄り、おこぼれ頂戴を狙うコバンザメ族が激増してしまってい
る。

政治権力の側は、こうしたさもしい人々を応援団に仕立て上げている。

警察・検察・裁判所は腐敗し切っており、権力側の犯罪はすべて無罪放免にす
る「権力犯罪の放置国家」という悲惨な現状が生み出されている。

北朝鮮と大差がないと言って言い過ぎではないと考えられる。



この五つの手法を用いて、1%の勢力が選挙で99%勢力を凌駕してしまう状
況が続いている。

これらの現実をはっきりと、分かり易く主権者国民に伝えることが大事であ
る。

そして、選挙を通じて99%が99%のための政権を樹立する。

これを目指さなければならない。

容易ではないが、必ず実現できる現実的な目標である。

夢と希望を持ち、必ずこの政治刷新を実現しなければならない。

 


https://news.blogmura.com/ ←にほんブログ村 政治ブログに
クリックお願いします。(*_*)??Σ(・□・;)
 
 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿