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「緊急事態」条項は不要で危険 慶応大学名誉教授小林節氏コラム

2016年01月27日 10時02分59秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

       

「緊急事態」条項は不要で危険

2016/01/26

 かねてより憲法改正に使命感を表明してきた安倍首相が最初に提案してくるのが「緊急事態」条項の新設であることがはっきりしてきた。

 緊急事態(非常事態)とは、典型的には戦争と天変地異のことで、さらに、大規模なテロや内乱も含まれ、その事態であるということは内閣が認定する。

 その認定の法的効果として、まず、内閣(つまり首相)は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるようになる。つまり、本来は(主権者国民の直接代表である)国会が排他的に握っている立法権を内閣が預かることになる。加えて、首相は財政上必要な支出を自由にできるようになる。つまり、これも、本来は国会が排他的に握っている予算承認・拒否権という「国の財布のひも」を首相が預かることになる。さらに、首相は地方自治体の首長に対して(部下に対するように)指示を発する権限も有することになる。

 その上で、全ての国民は公の機関の指示に従う義務を負う。

 要するに、この緊急事態条項は、内閣が緊急事態であると認 定した場合には三権分立と地方自治と人権保障(つまり憲法そのもの)を停止するという、大変な条項である。

 この条項は、事態の認定には事前または事後に国会の承認を得ることと、100日を超える場合にはさらに国会の事前承認を得ることを条件としているが、これは、過半数の議席を有する政党の内閣である場合には何の制約にもならない。さらに、緊急事態に国会の不存在を予防するために、議員任期の自動延長も規定されているが、参院の緊急集会制度(憲法54条)がある以上、不要である。

 ところで、現実に阪神淡路大震災と東日本大震災に対応した人々の報告によれば、すでに現行憲法の下でも、「公共の福祉」が人権に優先する例外的な場合があるという規定(12条、13条)を根拠にして災害対策基本法等がほぼ整備されており、それで緊急事態への対応は十分にできるはずだとのことである。ただし、それを使い熟すための日常的な訓練と、制度として、国から地方自治体(被災現場)に権限を下しておく法改正は不可欠だとのことである。

 いずれにせよ、首相を「国王」にするような憲法停止が不必要なことだけは明白である。それを、露骨に憲法を軽んじてきた安倍首相が提案するとは、逆説的である。

(慶大名誉教授・弁護士)
 
 
 
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