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アベノミクスの帰結は「国民生活が台無し」

2018年05月18日 13時10分26秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                

                        「植草一秀の『知られざる真実』」

                                   2018/05/16

              アベノミクスの帰結は「国民生活が台無し」

              第2040号

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本日、5月16日、本年1-3月期のGDP統計が発表された。

実質GDP成長率は年率換算で-0.6%になった。

GDP成長率がマイナスを記録するのは2015年10-12月期以来、9四
半期ぶりのことである。

安倍政権はGDP成長率が8四半期連続でプラス成長を記録したことなどを日
本経済の好調さを示す証拠だとして誇示してきた。

「アベノミクスが成功している」などと言いふらしてきた。

しかし、経済のパフォーマンス評価は客観的でなければならない。

プラス成長が続いたとしても、地を這うような低成長であれば、賞賛するべき
ものとは言えない。

また、より重要なことは生産の果実がどのように「分配」されるのかである。

国民にとって重要なことは、労働者の所得が増加するのかどうかである。

普通に働く、普通の人々の所得が増えているのかどうか。

普通の人々の暮らしがどう変化しているのかが重要なのである。

四半期ごとに発表される実質GDP成長率を年率換算した数値を単純平均した
ものを調べてみると、

民主党政権時代の成長率単純平均値は+1.8%であるのに対して、

第2次安倍政権発足後の成長率単純平均値は+1.3%である。

民主党政権時代には311の大地震、原発事故という大惨事があった。

この災害と事故により、日本経済は大きく下方に屈折した。

民主党政権時代は、非常に暗い経済状況に包まれていた。



その、暗かった民主党政権時代の経済成長率よりも、第2次安倍政権発足後の
GDP成長率がはるかに低いのである。

「直近8四半期連続でプラス成長が実現した」と安倍首相は自画自賛するけれ
ども、その平均値は+1.65%で、民主党政権時代の成長率を下回ってい
る。

2015年度以降の各年度の実質GDP成長率は1.4%、1.2%、1.5
%で極めて低い成長率が続いている。

そして、本年に入って成長率は、ついにマイナスに転落したのである。

「アベノミクスが成功している」という事実はまったく確認されていない。

労働者にとって、何よりも重要な経済指標は、実質賃金の動きである。

厚生労働省が発表している賃金統計では、本給、時間外労働賃金、ボーナスの
すべてが示されており、これらをすべて合計したものが「現金給与総額」と呼
ばれる数値である。

生活者にとって重要なのは、インフレ率を差し引いた実質賃金の推移である。

現金給与総額の実質推移を知るには、実質賃金指数という統計を見るのがもっ
とも適切である。

この統計を見ると、第2次安倍内閣が発足して以降に、実質賃金指数が約5%
も減少したことが分かる。

労働者の賃金は増えたのではなく、5%も減少したのである。



あの暗かった民主党政権時代はどうだったのかというと、実質賃金指数は、ほ
ぼ横ばい推移を示した。

増えはしなかったが減ることもなかった。

ところが、第2次安倍内閣が発足して以降に、実質賃金指数は約5%も減少し
たのである。

「アベノミクスは成功している」どころか「アベノミクスは大失敗」というの
が真実である。

「知られざる真実」と言ってよいだろう。

第2次安倍内閣が発足したのは2012年12月のこと。あれから5年半もの
時間が過ぎ去った。

2017年まで実質賃金は減り続けてきたが、そのなかで、例外的に実質賃金
が増えた年が1年だけある。2016年のことだ。

なぜ2016年だけ、実質賃金が小幅増加したのかと言うと、この年の日本の
物価が下落したからだ。

「アベノミクス」は「インフレ誘導」を目標に掲げていた。

しかし、これも失敗して、2016年に日本経済は「デフレ」に回帰した。

労働者の名目賃金はほとんど増えていない。そのなかで、物価が下落したこと
で2016年に限って、実質賃金がほんのわずかに増えたのだ。

しかし、2017年はまた実質賃金が減ってしまった。

驚くべきことは、この経済成長率マイナスのニュースがほとんど報道されてい
ないことだ。ネットのポータルサイトにもニュース記事が掲載されていない。

NHKはGDP統計を報道したが、個人が中古品の購入を増やしていること
が、GDP成長率がマイナスに転じた理由であるかのような報道をした。

NHKの御用放送ぶりは目に余るものがある。

成長率がマイナスに転じたことはトップニュースで報じるべき問題である。



この5年半の間に生じたことは、経済成長率の低迷と労働者の実質賃金大幅減
少である。

これがアベノミクスの実績なのである。

失業率が低下した。

有効求人倍率が上昇した。

企業収益が増えた。

株価が上がった。

これらは事実であるが、全体の成績を示す経済成長率が低迷を続けている。

人々の暮らしに直結する実質賃金が大幅に減少している。

全体として評価するなら、労働者にとっては最悪の経済状況がもたらされたと
いうことなのだ。



失業率が下がり、有効求人倍率が上昇し、雇用者が増えたというが、全体の労
働者の所得が減るなかで、小さくなったパイを分け合う人数だけが増えたとい
うことなのだ。

1億人の労働者が全体として下流に押し流されている。

非正規労働者の比率が上昇の一途を辿り、大半の労働者が低賃金労働に追いや
られている。

低賃金労働を強制される人数が増えても、人々の幸福は増大しない。

他方で大企業の利益は史上空前の最高益を更新し続けている。

株価が上昇したと言っても、株価が表示する企業の数は、すべての市場を合計
しても約4000社だ。

日本の法人数全体400万社の0.1%に過ぎない。



0.1%の上澄み大企業の収益だけが拡大し、一般労働者の賃金は5%も減少
し、労働者の身分は不安定になるばかりだ。

この状況下で安倍内閣は

過労死促進法案

正規非正規格差温存法案

定額残業させ放題プラン法案

をまとめた「働かせ方改悪法案」の強行採決を目論んでいる。

2度も3度も内閣総辞職が必要な状況であるにもかかわらず、数の力でごり押
しする横暴極まりない国会運営を展開している。

メディアと刑事司法が政治権力によって支配され、政治の暴走が続いている。



税制においては、過去27年間に国税収入がまったく増えていないなかで、消
費税が年間14兆円も増税される一方、所得税は年間4兆円、法人税に至って
は年間9兆円もの減税が実施されてきた。

1%の富裕層の税負担を激減させるために、一般大衆から消費税をむしり取る
税制改定が強行されてきた。

さらに、2019年10月に、消費税率が10%に引き上げられる予定が組ま
れている。

庶民を踏みつけにして、1%の大資本と富裕層だけを優遇する政治が推進され
ている。

これがアベノミクスの実相である。



インフレは実質賃金と実質預金残高を減らす効果を持つ。

企業の実質債務残高はインフレになればなるほど軽くなる。

つまり、「インフレ誘導」も庶民を踏みつけにして、1%の大資本と富裕層に
利益を供与する政策なのである。

日本の主権者は事実を正確に知らなければならない。

安倍政治が大半の市民にとって「百害あって一利のないもの」である事実を正
確に把握するべきである。

アベノミクスの延長線上には、下流に押し流されて貧困にあえぐ一般大衆と、
一般大衆の犠牲の上に富と所得を独占する1%の大資本と富裕層の二極分化の
姿しか浮上しないのだ。

それでもアベノミクスと安倍政治を支持する者こそ、自虐趣味の持ち主であ
る。

正しい判断力と正しい理性の持ち主であるなら、安倍政治が国民に不幸しかも
たらさないことを見抜けるはずだ。

そろそろ、この悪夢から目を覚まさないと、日本の国民は本当の地獄に突入し
てしまうことになる。

 
 
 
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