曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

主権者に寄り添わない安倍内閣は総辞職すべし

2019年11月02日 16時28分50秒 | 政治

 

                                

                    「植草一秀の『知られざる真実』」
                                    2019/11/02
            主権者に寄り添わない安倍内閣は総辞職すべし
             第2471号
   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019110211272659983 ──────────────────────────────────── 萩生田光一文科相が大学入試への英語民間試験の導入延期を発表した。
萩生田文科相は英語民間試験についてBSテレビ番組で「自分の身の丈に合わ せて頑張ってもらえれば」と発言して批判を集めていた。
この発言を契機に英語民間試験に対する世間の関心が高まり、制度の不備、問 題点が広く認識されるに至った。
英語民間試験をめぐっては、経済状況により受験機会に差が出たり、地域に よって試験会場が都市部に限られたりするなど、受験生の間で不公平が生じる ことが指摘されていた。
これらの問題を重視した主要野党は10月24日に導入を延期する法案を衆院 に提出した。
萩生田文科相が「身の丈」発言を示したのが同じ10月24日だった。
結局、萩生田氏は発言の撤回と謝罪に追い込まれるとともに、大学入試への英 語民間試験の導入延期発表にまで追い込まれた。
英語民間試験の利用そのものに極めて重大な問題がある。
その問題点を端的に示す言葉が「身の丈」である。
萩生田文科相の発言は、英語民間試験が受験性の経済力によって大きな有利、 不利の差を生み出すことについて、その格差を肯定するものだった。
しかし、この点に対する批判が強まり、試験利用を延期せざるを得ない状況に 追い込まれたわけで、大臣失格ということになる。
民間試験利用というが、1回の試験の受験料は最大で5万円を超える。
民間英語試験を大学入学共通テスト向けに受験できるのは大学受験の前年の4 月~12月までの8ヶ月間のうち最大で2回まで。
大学入学共通テストに必要な共通IDを記入して受験した民間英語試験の2回 目までの成績が大学入試英語成績提供システムに自動的に登録されるとされて いる。

IDを記入して受験した試験結果はもれなく成績に反映されるが、IDを記入 しないで繰り返し試験を受けることは可能だ。
また、民間試験の実施場所は大都市が大半で大都市から離れた場所に住む受験 生には極めて大きな負担がかかる。
1回の受験料が高額であるため、資金力がなければ練習として試験を受験する ことはできない。
とりわけ遠隔地に住む受験生には著しく不利になる。
政府が2020年度から採用するとしてきた民間英語試験は7種類だが、この 7つの民間試験は成り立ちも傾向も難易度も評価方法もまったく違う。
この7つの異なる民間試験を“CEFR”というヨーロッパ言語参照枠基準の 6段階に当てはめて換算するとしているが、その換算法自体に科学的裏付けが ないとの批判が存在する。
また、民間試験を受験する際に、さまざまな不正が行われることを厳重に チェックする仕組みが存在しない。
「替え玉受験」が行われて、不正に高い得点を得て大学受験に臨む受験生が現 れることを否定できない。
このような制度的欠陥、問題だらけの民間英語試験利用が推進されてきている 最大の背景は、民間英語試験業者への利益供与である。
これが実は「民営化」の本質なのである。
「民でできることは民に」の掛け声に隠されたいかがわしさを知っておかねば ならない。

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に「民営化」の問題点を詳述したが、
「民でできることは民に」
との方針は間違っている。
「民がやるべきことは民に」
が正しいのであって、
「民でできることは民に」では
「公がやるべきことまで民に」
との結果がもたらされてしまう。
「公がやるべきこと」まで民にやらせるのは、民にその事業によって利益を得 させるためだ。
正確に言えば、公がやるべき事業運営権を民間事業者に提供することによって 「利益供与」が行われるのだ。
この意味での「民営化」を推進する人物には、民間事業者からリベートが提供 される。
これが「民営化利権」なのだ。
民間英語試験利用は典型的な「民営化利権」のひとつである。
制度利用は延期でなく中止するべきだ。

大学受験は一人一人の個人にとって、極めて重要なイベントである。
人生を左右するイベントと言ってもよいだろう。
その受験の制度が、この11月の段階で急遽変更されたのではたまらない。
制度に不備がないのか、制度に問題点はないのか。
その点検と検証は実施の3年前には確定させておくべきだ。
受験という重要なイベントに向けて、それぞれの個人が対策を立てる。
その対策に従って努力を積み重ねて受験に臨むのだ。
その重要イベントの制度が試験前年の11月に変更されることは極めて重大な 問題だ。
すでに民間試験を受験した者に対する金銭補償の問題も生じる。
萩生田文科相は、この民間試験利用を「身の丈に応じて対応しろ」と言い放っ た。
経済力によって有利、不利の著しい格差が生じる問題について、その格差を是 認する方針を大臣として示した。
この発言を撤回した時点で文科相の立場を辞するべきだ。
菅原一秀経産相、河合克行法相は公選法違反の疑いで辞任に追い込まれた。
萩生田文科相は文部科学行政そのものの失態を演じたわけで、より本質的な失 点を上げたと言える。

安倍首相は台風襲来で千葉県を中心に極めて重大な被害が広がるなかで内閣改 造を強行した。
多くの問題点が指摘されてきた腰巾着、側用人たちを「滞貨一掃」で閣僚に起 用したが、懸念通りの失態が広がっている。
萩生田光一氏は加計学園から利益供与(=報酬)を受けてきた人物だ。
加計疑惑が解消もされていないなかでその萩生田氏を文科相に起用すること自 体が非常識極まる。
外相から防衛相に横滑りした河野太郎氏は台風の相次ぐ襲来で日本全国に甚大 な被害が広がり、100名を超す犠牲者が生じているなかで、
「私は雨男だ」
と発言した。
被災者に寄り添うどころか、被災者を愚弄する暴言である。
安倍首相は
「任命責任は私にあり、厳しい批判があることには真摯に向き合わねばならな い」
と発言するが、問題は批判に対して、どのような具体的行動で応えるのかであ る。

答えは明白だ。
安倍首相は内閣総辞職するべきである。
内閣改造からわずか50日で閣僚2名が辞任に追い込まれ、他の閣僚の不適切 な言動が続いている。
大学受験の制度を突然変更することの重大性を踏まえれば、責任も明らかにせ ずに民間英語試験利用の延期を発表するだけで済ませる対応は許されない。
萩生田氏は引責辞任するべきだ。
また、日米FTA交渉を担当した茂木敏充外相の辞任も不可避だ。
日米FTAではTPPで確定していた日本の自動車および自動車部品の対米輸 出関税撤廃が消えた。
そもそも、TPPにおける自動車関税撤廃そのものが国益喪失の決定だった。
普通自動車は25年目、大型自動車は30年目に関税が撤廃されると決められ たのだが、そんな遠い将来に日本が自動車輸出を継続しているかどうかも不明 だ。
自動車産業は100年に1度と言われる大きな変革期に差し掛かっており、日 本企業が自動車輸出を継続できるかは不透明なのだ。

そのTPPから米国が離脱して日本に米日FTAを強要した。
安倍首相は国会で米日FTAには応じないと何度も繰り返した。
そのFTA交渉を強要され、担当した茂木敏充氏は、日本の対米自動車輸出の 関税撤廃の消滅を受け入れてしまった。
日米合意文書には、自動車輸出関税の撤廃を引き続き協議することが書き込ま れたが、関税を撤廃する確約は取れていない。
これを茂木敏充氏は、国会で、関税撤廃は「確約である」と虚偽答弁してい る。
虚偽答弁で国益喪失の合意決定を隠蔽する行為は、主権者に対する背信行為そ のものだ。
茂木外相の即時罷免も求めなければならない。
安倍内閣は完全に潮時を迎えた。
内閣総辞職は時間の問題になりつつある。


                                 

コメント

関電かんぽFTA&辞任閣僚追及が責務 

2019年11月02日 09時51分53秒 | 政治

 

                                

                     「植草一秀の『知られざる真実』」
                                    2019/11/01
              関電かんぽFTA&辞任閣僚追及が責務      

                                    第2470号
   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019110110470959950 ──────────────────────────────────── 菅原一秀経産相に続いて河井克行法相が辞任に追い込まれた。
河合克行氏も公職選挙法違反の疑いが持たれている。
両名の事案ともに、単なる辞任で済ませることのできる問題でない。
菅原一秀前経産相については、すでに刑事告発がなされている。
捜査当局は告発状を受理して直ちに刑事捜査を開始しなくてはならない。
河合克行氏の場合も、7月参院選に際しての買収疑惑が浮上しており、重大な 問題である。
連座制が適用されて参院選で当選した妻の河合案里氏の当選が無効になる可能 性もある。
安倍首相は「任命責任は私にある」と繰り返すが、発言しながら発言の意味を 理解していない。
オウムが言葉を繰り返す際には、ある程度意味を理解している場合があると思 われるが、オウム以下の対応ではないか。
9月11日に千葉県が台風被害で大混乱に陥っているなかで安倍首相は内閣改 造を強行した。
その結果が現在の惨状である。
萩生田光一文科相は英語民間試験の利用について、
「身の丈に応じて対応すればよい」
と発言した。
公正・中立でなければならない大学受験を、貧富の格差に応じて対応するべき であると文科大臣が示唆した意味は重大だ。

菅原一秀前経産相も河合克行前法相も国会において説明責任を果たしていな い。
現在、臨時国会開会中である。
野党は集中審議を求めるべきだ。
集中審議の議題は、菅原氏と河合氏の公選法違反疑惑だけではない。
メディアが取り上げないために話題に上ることが減ったが、関西電力幹部を参 考人として招致して、原発マネー還流問題を徹底的に追及する必要がある。
こちらも、関西電力最高幹部の収賄、特別背任、業務上横領などの疑惑がある 重大問題だ。
しかも、疑惑の中心は末端の社員ではない。
関電最高幹部の関与が疑われている事案なのだ。
「疑われている」と表現したが、3億円を超える金品が受領されたことは当事 者がすでに認めたことである。
無理矢理金品を受領させられたとの弁解は通用しない。
50万円のスーツの仕立券が利用され、スーツが仕立てられ、着用していた事 実も判明している。
明確な「着服」事件なのだ。
政府から巨額の原発マネーが注がれる。
電力会社は総括原価方式で電力の販売価格を勝手に決めて消費者から徴収して いる。

このお金が癒着企業に過大に支払われ、その資金の一部が関電幹部に還流して いたという重大事案なのだ。
捜査当局が直ちに捜査を開始し、国会は関係者を参考人として招致し、詳細を 追及しなければならない。
容疑が固まれば、証人喚問を実施することも必要になる。
菅原一秀前経産相と河合克行前法相の事案も直ちに捜査当局が捜査に着手する べき事案だ。
犯罪が存在するのに無罪放免にすること。
犯罪が存在しないのに、無実の市民を犯罪者に仕立て上げること。
この二つが横行する日本の刑事司法は文字通りの暗黒である。
冤罪は最も重大で深刻な人権侵害である。
後藤昌次郎弁護士は
「国家にしかできない犯罪。それは戦争と冤罪だ。」
の言葉を遺された。
警察も検察も裁判所も法と正義を無視して、国家による人物破壊工作としての 冤罪ねつ造に積極的に加担する。
無実の人間が犯罪者に仕立て上げられ、社会的生命を抹殺される。
その一方で、政治的な近親者に対しては、重大犯罪が明確に存在するのに、こ れを無罪放免にする横暴が横行している。
刑事司法の崩壊こそ、日本の暗黒社会化の象徴である。

内閣改造から3ヵ月も経たぬこの時点で、2名の閣僚が辞任に追い込まれた。
「任命責任は総理である私にある」
と述べるなら、その判断に基づく行動が求められる。
「任命責任は私にある」と述べて、「厳しい批判があることは真摯に受け止め なければならない」と述べるだけではオウムと変わらない。
「任命責任が自分にあり、厳しい批判があることは真摯に受け止めなければな らない」と述べるなら、その批判を受け止めて、どう行動するかが問われるの だ。
国家の行政を担う内閣の名にふさわしくない内閣を組織した責任を痛感し、内 閣総辞職するなら理解できる。
ところが、安倍首相は「任命責任は私にある」としながら、具体的に責任の取 り方を明らかにせず、当事者に対して国会での十分な説明を指示すらしない。
国会多数議席を占有していれば、何をしても構わない。
横暴な国会運営を続けても構わない。
十分な審議を行わなくても構わない。
こう考えるなら、それは完全な奢りである。

第2次安倍内閣が発足して、まもなく丸7年の歳月が流れる。
この7年間に日本は確実に悪くなった。
経済も悪くなったし、国のありかたも悪くなった。
憲法があるのに、憲法を無視した横暴な立法、行政が展開されている。
安倍内閣は裁判所人事を私物化し、裁判所判断を歪めている。
同時に、日銀とNHK人事に介入して、日銀とNHKをも私物化してしまって いる。
今次臨時国会では、日本郵便による保険商品不正販売問題と、この問題に関連 してのNHK経営委員会の放送番組への介入問題が論じられなければならな い。
日本郵便は保険商品を組織ぐるみで不正販売していた。
この不正販売のなかに米国アフラック社商品も含まれていた。
保険商品の不正販売問題が発覚して日本郵便は保険商品の販売を停止している が、米国アフラック社商品のみ、販売を継続している。
このような重大不正を国会が看過することは許されない。

さらに、メディアがまったく報じないが、安倍内閣はこの国会で日米FTAの 批准を強行しようとしている。
日米FTAは国会で大きな論争を生んだTPP協定の核心部分である。
2016年末に安倍内閣はTPP協定案の批准を強行した。
TPPの核心は米国が米国の農産品の日本への輸出を拡大させるものだ。
日本が得るメリットは皆無に近い一方で、日本の農産品の関税が撤廃ないし大 幅に引き下げられるというもので、反対論が極めて強かった。
また、米国のトランプ氏がTPPからの離脱意向を表明しており、2017年 1月にトランプ氏が米国大統領に就任すれば、米国がTPPから離脱すること も予想されていた。
TPPは米国が離脱すれば発効できず、米国の対応を見極めてから対応するべ きとの意見も強かった。
これに対して安倍首相は米国を含むTPPの枠組みを確定するためにも批准を 急ぐとし、仮に米国がTPPから離脱する場合には、米国をTPPに引き戻す と確約していた。
しかし、現実に米国がTPPを離脱すると安倍首相は米国をTPPに引き戻さ ずに、TPPの改変を推進した。
そして、日本の国益を放棄するかたちで米国抜きのTPPを発効させた。
さらに、やらないと明言していた日米FTA協議を受け入れて、十分な論議も せずにFTAで合意してしまったのだ。

日本が唯一得られるのは自動車および自動車部品の輸出関税撤廃だが、今回の 日米FTAでは、これも消えた。
茂木敏充外相は自動車および自動車部品の関税撤廃が合意に盛り込まれている と主張するが、継続協議を決めただけで、関税撤廃は合意されていない。
茂木氏は英語が得意だとされているが、日米合意文書の内容について関税撤廃 で合意があると述べるなら、その英語力は落第点水準だと言わざるを得ない。
今回の日米FTAは不平等条約を代表する1858年の日米修好通商条約以来 とも言える究極の不平等条約である。
このような不平等条約を十分な審議もせずに国会が承認してよいわけがない。
安倍内閣の早期退場を求めるとともに、重要法案については、すべてを今国会 で議決せずに、先送りするべきだ。
           

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