曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

れいわ新選組経済政策ルーツとその目的

2019年10月20日 10時01分23秒 | 政治

 

                                 

                     「植草一秀の『知られざる真実』」
                                     2019/10/19
             れいわ新選組経済政策ルーツとその目的
             第2459号
   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019101806000059476 ──────────────────────────────────── 「他人の不幸は蜜の味」と言われる。
論語には次の一節がある。
有國有家者 不患寡而患不均 不患貧而患不安
国を有(たも)ち家を有(たも)つ者は 寡(すくな)きを患(うれ)えずして均(ひと)しからざるを患う 貧(まず)しきを患えずして安(やす)からざるを患う
為政者(国を統治し家を統治する者)は 富が少ないことを心配せずに富が公平に分配されないことを心配する 人々の貧しさを心配せずに人々の心が安らかでないことを心配する
台風19号による豪雨によって川崎市の武蔵小杉では、タワーマンションで浸 水などによる深刻な停電、駅で浸水などの被害が広がっているが、このことに ついてネット上に
「流行りにのって武蔵小杉に住み始めた子連れ家族ざまあ」
「武蔵小杉のタワマン買った人ざまあが見れたからよかった」
などの投稿が広がっている。
武蔵小杉は近年「住みたい街」ランキングで上位に登場するプチハイソな土地 になっている。
駅前に林立するタワーマンションが人気の居住地になっていた。
ここで被害に遭遇した人を見て歓喜の声を上げる人が多数存在する。
他方、台東区では避難所の区職員が避難所を訪れた路上生活者を拒絶する事例 が報じられた。

台東区長は対応の誤りについて謝罪したが、ネット上には「ホームレス排除は 当然」の声も広がっている。
他者に対する「温かい思い」が希薄になっている。
その最大の背景は、多くの人々が下流に押し流されていることだ。
自分自身が極めて過酷な状況に置かれていれば、他者に対する「温かい思い」 を保持する余裕はなくなる。
当然のことだろう。
他者に対して「温かな思い」を寄せることができるためには、当人の境遇に余 裕が必要なのだ。
路上生活者に対して「温かな思い」をかけることができないのも、当人が過酷 な状況に置かれているからだ。
国税庁が発表する民間給与実態調査の2017年統計によれば、1年を通じて 勤務した給与所得者4945万人のうち、年収200万円以下が全体の21. 9%、1085万人だった。
年収400万円以下は全体の55.2%、2730万人だった。
所得税では、夫婦子二人の標準世帯の場合、片働きであれば、年間の給与収入 354.5万円までは所得税負担が生じない。
生存権を守るために、生きてゆくために必要な最低限の収入に対しては税金を 徴収していないのだ。
ところが、消費税は違う。
消費金額の10%のお金を、有無を言わせずにむしり取る。

国民生活は疲弊しきっている。
安倍内閣の下で雇用が増えたというが、増えた雇用の4分の3は非正規雇用で ある。
労働者一人当たりの実質賃金は第2次安倍内閣が発足してから5%も減った。
社会保険料は軒並み引き上げられ、他方で、年金の支給開始年齢は引き上げら れている。
高齢者の医療費自己負担は増大の一途を辿り、介護保険の保険料、自己負担も 上昇の一途を辿っている。
汗水流して一生懸命働いているのに、まともな暮らしができる収入を得られな い。
この人々を大量生産しているのが安倍内閣なのだ。
安倍首相は最低賃金が全国平均で900円を超えたと自画自賛するが、この賃 金でどれだけの年収を得られるのか。
1日8時間労働し、週に5日働いて40時間。
祝日を差し引くと年間労働時間は約2000時間になる。
非正規の労働者には有給休暇がない。
体の具合を悪くして仕事を休めば収入減に直結する。
盆暮れ、正月にもまとまった休みも取れない。
これだけ働き通して、時給900円なら年収は180万円だ。
最低賃金が790円の県が15県もある。
年収158万円だ。
ここから社会保険料、消費税が抜き取られて、どうやって行けてゆけと言うの か。
「こんな日本に誰がした」のかを考える必要がある。

日本経済は30年間、経済成長していない。
世界でもっとも停滞した経済を実現しているのが日本である。
中国のGDPは1995年には日本の7分の1の水準だった。
その中国に14年後の2009年に追い抜かれ、さらに6年後の2015年に 日本の名目GDPが中国の半分以下になるまで水を空けられた。
安倍首相が「アベノミクスが成功した」と強弁し、腰巾着のような茶坊主エコ ノミストが「こんなにすごい日本経済」などとはやし立ててきたが、現実は悲 惨だ。
そして、この30年間に生じた変化は、
税収構造の激変

急激な所得格差拡大
である。

消費税が導入されたのが1989年だから、今年は消費税30周年である。
この30年に生じたのは、消費税の負担を激増させたことと所得税と法人税の 負担を激減させたことだ。
税収はまったく増えていない。
消費税は所得の少ない国民を直撃する税制だ。
その一方で、金持ち優遇税制で富裕層の税負担を大幅に軽減し、法人税減税、 租税特別措置、消費税還付で、大企業の税負担を激減させた。
大企業の内部留保は463兆円に達したが、その大宗は一握りの大企業のもの だ。
一握りの超富裕層が生み出され、中間層が下流へと押し流されてきた。
1990年代以降に就職した人々はバブル崩壊とバブル崩壊後の日本経済しか 経験していない。
2001年に発足した小泉純一郎内閣と、この経済政策を完全に踏襲した安倍 晋三内閣の下で、大企業利益拡大だけを追求する経済政策が推進されてきた。
その核心は
「労働者を可能な限り安い費用で使い捨てにすることができる制度の構築」
だった。

この経済政策によって「下流社会」が構築され、怨嗟と敵視に満ちあふれる日 本社会が構築された。
武蔵小杉に住む人々が苦難に直面することを喝采する空気が醸成されてきたの だ。
いまこそ、経済政策のコペルニクス的転換を図るべきだ。
私は昨年4月の「オールジャパン平和と共生」学習会で
「むしり取る経済政策から分かち合う経済政策へ」
という提案を示した。
「支え合う」、「分かち合う」ことを基軸にする経済政策を
「シェアノミクス」
と命名し、五つの重要政策を提案した。
1.消費税廃止へ
2.最低賃金全国一律1500円政府補償で実現
3.一次産業戸別所得補償
4.奨学金徳政令
5.最低保障年金確立
である。

私たちは、オールジャパン平和と共生を創設したときから、
6.原発稼働即時ゼロ
7.TPP離脱
8.辺野古米軍基地建設中止
を訴えてきた。
本年4月にれいわ新選組が立ち上げられ、参院選で2議席を獲得したが、この れいわ新選組が掲げた8つの政策公約のうち、「公務員を増やします」という 公約以外の7つの政策公約が、オールジャパン平和と共生が提案した政策であ る。
この意味で、オールジャパン平和と共生が提案した政策を、そのまま党の公約 にして誕生したのが「れいわ新選組」ということになる。
拙著『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書) https://amzn.to/2WUhbEK
のサブタイトルは
「消費税ゼロと最低賃金全国一律1500円で日本が変わる」
である。
新しい政権を樹立し、経済政策を大転換する。
そのことによって日本社会は「他者に温かな社会」に変身することになる。



 

 

コメント