ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

今更NHK杯(3)

2010-11-14 23:04:00 | 日記
その後のEX。個々の演技に関してはTVでもやったので詳しくは書きませんが。個人的には、優勝者たちの演技の後、自然発生的にアンコールが起きたのが印象的でした。何かここの所、アンコールをやる選手を運営側が決めてて、アナウンスで誘導するというパターンが多くて。それってちょっと違うんじゃないかと思ってたので。
今回はパン&トン組が演技を終えた瞬間にお客さんがみんな一斉にアンコールモードに入って、その後は全員自然発生でアンコールがありました。もちろん大ちゃんも。アナタ優勝しておいて、アメリだけで引っ込む訳にはいかないでしょう。さあ、お疲れだけどもういっちょ踊ってもらいましょうか、みたいな。

今回中国ペアに関しては、今日中関係でゴタゴタしている事もあったのだと思いますが、優勝者インタビューで改めて日本のファンの応援に感謝の言葉があったのが印象的でした。色々あっても、日本のファンが変わらず彼らを好きでいることは伝わったかな、と思います。
ただ、中国人に知り合いの多い知人の話によると、北京や上海などの都市部では、特に反日感情が目立つということはない(皆冷静っていうより、興味ないみたいな言い方だった)ので、GPFとかはそんなに心配はいらないみたいです。

***

その他。
ロビーで宮本さんとすれ違いました。痩せてかっこよくなってました。あと、関係者席にメガネ男子な小塚青年が来てました。
そして関係者席で一番目立ってたのが安藤さんでした。なんていうか、いい女オーラ出してた。細いしスタイルいいし。ペアの演技が終わった後、たまたま通りかかった高橋成美ちゃんにおめでとうハグをしてましたよ。
でもとなりのモロゾフ氏を見ると、やっぱり反射的にイラっとします。アモディオ選手のフリーの時に、リンクサイドでがに股でふんばって一緒に踊ってたのは面白かったけど。
ていうか、アモディオ選手ってフランス選手だけどブラジル出身なんですね。ていうことは、「黒いオルフェ」で踊ってた人たちの末裔なんだ。道理で踊れる訳ですね。本来ああいう人たちに、日本人は決して叶わないはずなんです。普通はね。
…その普通でない人、岡山県倉敷市出身ラテン系の男とは、表彰式で並んだ時に妙に似てるように見えて笑えました。髪型とか背格好とか色の黒さとか顔の濃さとか。兄弟みたいだった。そしてその2人とアボット選手の身長コントに大変和ませて頂きました。

リンクサイドと言えば、カメレンゴさんは大ちゃんのフリーの時、ついたての後ろからのぞき込んでましたね。いつの間にかキス&クライに座っててびっくりしました。
先シーズンは大ちゃんは、歌子先生以外は絶対に座らせなかったんですよね。有名な外国のコーチや振り付け師がいなくても戦えることを証明するために。
今回カメレンゴさんと一緒に座ったのを見て、彼の中でも一区切りついたんだなと感慨深くなりました。

今更NHK杯(2)

2010-11-14 23:01:00 | 日記
■男子SP~さぁさ皆さんご一緒に

そういう訳でSPから。

大ちゃんが前の選手の点数待ちでリンクに出てきた時、靴ひもを結びなおしているのを見て、3年前の仙台のスワンが脳裏をよぎりました。
これやっちゃうとミスするパターンが多いんだよなーと心配してたら、案の定律儀に3Aで手を付く。
だーかーらー、紐を結び直すのはやめろと言ったのに(いや、言ってませんが)。

…いや、緊張してたんでしょうね。ナーバスになってるから紐も結び直すしミスも出るって事なんでしょう。
でも、仙台スワンのような重い空気は感じませんでした。ショーで滑った時に比べたら、やっぱり丁寧に慎重にステップを踏んでる感じではありましたが。
ていうか、ステップでコケた去年に比べれば、3Aのミスなど大した問題ではありません。
テンポが早くなった所でステップの一部みたいに飛んだジャンプが決まって、お客さんはノリノリ。
陽気なリズムに合わせてスピンしている所でムズムズして来て、ステップが始まった所でひゃっほう!みたいな。何で私はこんな所で座ってじっとしてるんだろう、立って一緒に踊る方が自然なんじゃないかと言う気がしてくる。

でもショーでの演技に比べると丁寧に滑ってるし照明もないし…などと思っていた所でふと我に返る。これ試合だよねそうだよね。試合でこのノリっておかしくないか?みたいな。
…でも、まだこれにも進歩の余地もあると思います。次は3Aも成功して欲しいし(ていうか助走はあれで良いんですか?なんか短くないですか?)。
東京では、どうぞみなさんで一緒にマンボ☆

次に滑ったアボット選手がジャンプを全部きれいに決めたので、これは3Aミスった大ちゃんの上に行くかなと思ってたら、意外に点が延びなかった。
その瞬間、会場のお客さん全員の頭の上に、ぽこんと『?』マークが出て来たのが見えたような気がしました。
会場では、スピンがノーカウントだっていう説明はなかったんですよね。でも何となく、何かがノーカウントになってるんじゃないか?みたいな空気感があって、みんなで何だろう何だろう言ってたのが印象的でした。

でもまあとにかく明日はフリーだ4回転だ。


■男子FS~忍ぶ恋~

FSの『ブエノスアイレスの冬』(実際には『春』も含む)について。大ちゃんがどこかのインタビューで、「見せつけるのではなくて、自然に出ちゃうみたいな」とか語ってるのを聞いて、百人一首に確かそんなのがあったなあと思って調べて見ました。

忍ぶれど 色に出にけりわが恋は ものや思うと人の問うまで。

…うん。そんな感じですね。色香を見せつけて女性を誘う『eye』とは明らかに違う。
大ちゃん的にはまだまだ表現については試行錯誤なようなので、これからの進化が楽しみです。

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まずはカナダのジェレミー・テンくん(去年長野で遭遇したけどめっさめんこかった)が、彼としてはとても良くがんばった演技で、お客さんのテンションを上げる。
そしてベルギーのケビン・ヴァン・デル・ペレン(なんかかっこいい名前)選手。SPではとても調子が悪くてみんな心配してたのに、フリーでは人が変わったように元気にいきなり4回転&3回転のコンボを決める。お客さんも当然大喜びで2人目にしてスタンディングオベーション。
その後も、デニス・テンくんが調子を落としていた意外は、シーズン序盤とは思えないほど好演技が続出。無良くんがSPに続いて4回転飛べば、15歳羽生くんまで決めてしまうし。ソーヤー選手めっちゃ体柔らかいし、アモディオ選手は何か楽しく踊ってるし、アボット選手は靴の状態がよくないそうでジャンプの構成は落としていたものの、素人目にはほとんどミスの見あたらない演技だし(あ、最後にちょっと回転が抜けてたか)。
非常に盛り上がりました。いや、楽しいです。楽しいんですよ。しかし…。
どうするよ、大ちゃん。当然4回転飛んで来ると思うけど、ここで失敗すると(例え試合に勝てたとしても)ちょとかっこ悪いんじゃないか、と。

6分間練習の時に気づいたんですが、今回髪はがっちりセットしてました。動きに合わせて靡かないのは寂しいですが、衣装と相まってすごく大人っぽい。
…それはいいんだけど大ちゃん、練習で4回転成功してなくないか?

この頃になると私たち、楽しいけど心配だし緊張するしで、ちょっと訳が分からなくなってました。

しかし大ちゃんは、私らが思う以上に成長していた。

最初の4回転を軽々と成功。続く3Aも昨日と違ってキレイに飛ぶ。
最初の3つのジャンプが終わってちょっとほっとしたところで、がっちり固めていたはずの髪から、ぴょこんと妖怪アンテナのように一房飛び出しているのが目に入る。
やはりスピンの風圧には耐えられなかったらしい。

怒濤のようなステップ、のたうつようなスローパート、そして後半のジャンプも順調に飛んで、ああ、これはもう1回くらいコケても大丈夫だな、と思った途端に律儀にコケる。ああそうか、疲れてるんだとその時気づいて最後のステップがんばれーと気合い入れて拍手しましたよ。
後でテレビ見たら、大ちゃんもすごい気合いの入った顔で最後のステップに向かってましたね。

当然スタンディング。そして私は、自分史上最高のピッチングで花の投げ込みに成功しました。楽しかった。

今更NHK杯(1)

2010-11-14 22:50:00 | 日記
既にスケートアメリカも(男子は)終わってるというのに何を今更な感じですが、せっかく名古屋まで行って来たので、自分の備忘録も兼ねてつらつらと。
極めてまとまりの悪い文章ですが、もう自分でまとめるのあきらめました。

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これがオリンピックの後のシーズンということなんでしょうか。新世代が一気に台頭して来たという感がありますね。

アイスダンスではシブタニ兄妹。見た目も名前も日本代表リード姉弟よりよっぽど日本人ぽいアメリカ代表。私、アイスダンスのことはなーんもわからんのですが、動きがきれいで二人の息もよく合ってるなーと思って見てたら、案の定高い点が出てました。

ペアでは高橋・トラン組。FSではちょっとジャンプのミスも出ましたが、姿勢がきれいで動きがきびきびしてて、3位表彰台も納得です。表彰式で、小柄な成美ちゃんが長身のトンさんと無理矢理ハグしてたのが微笑ましかった。

同じく女子の村上加奈子ちゃんも、FSではすごく緊張していたみたいでしたが、最初の3ー3は鮮やかに決まったし、最後まで勢いが落ちなかったので、ジャンプのミスはあっても印象は良かったです。笑顔が可愛いだけじゃなく、表現にもセンスを感じますしね。彼女の演技の時、お花スケーターたちがキス&クライの後ろに鈴なりになっていたのもほほえましい。地元ちびっ子スケーターたちの憧れの先輩なんでしょうね。

男子は羽生君がいきなり4回転を決めました。後半バテてましたが、すごい負けん気の強さが演技にも出てました。しかし個人的には、SPから4ー3ぶちかました無良くんにももう少し注目して欲しい。個人的に、骨の太さって結構重要だと思いました。肉は鍛えたり落としたりできるけど、骨って後天的な努力ではどうにもならないから。彼は骨格ががっしりしていて男らしいから、実際より大きく見えるし動きも迫力がある。ジャンプもパワフルで、『男子』の醍醐味を感じさせてくれる選手の一人だと思います。

***

しかし、同時に。
若い力が台頭して来たからこそ、改めて分かる。実績を重ねて来たベテラン選手の凄さ。
アイスダンスのデイビス&ホワイト組、ペアのパン&トン組、女子のコストナー選手。単なる技の比較だけでは語れない底力の強さのようなものも実感しました。
パン&トン組なんて、前の選手の点数待ちでリンクに入った瞬間空気変わって見えましたよ。
ベテランの選手たちにとっては、GPS初戦であるNHK杯は決してマックスで戦う試合ではない。3月の世界選手権に向けて色々なことを試してプログラムを修正しつつ、調子を徐々に上げて行くという感じ。コストナー選手はけがの影響でジャンプの難度を落としていたみたいですしね。
それでも、多少のミスが出たくらいでは簡単には揺るがない『格の違い』みたいなものを実感した試合でした。

そして。その『格の違い』を持ったベテラン選手の中に、男子シングル高橋大輔がいるという事も、改めて実感しました。感無量。
以前から、彼が自分で納得の行く演技ができれば結果は自ずから付いてくる、そういう選手だとは思っていましたが、今は多少練習で調子が悪くても、MAXで勝ちを取りに行く試合じゃなくても、本番でまとめて勝ちに行ける、そういう強さを身に付けたような気がします。
今回、スケートに詳しい方(ご自身で滑っている方)とお話する機会があったんですけど、「大ちゃんにPCSが出るのはよく分かる。一人だけ飛び抜けて難しいことをやってるから」と仰っていました。
私は素人だからよくわからんけど、取りあえずステップは他の選手の倍速くらいの勢いで踏んでるように見えました。宮本さんの新聞記事では「普通に滑ってる所がほとんどない」って書いてましたね。

「試合では緊張しないとダメでしょ」

…いやあ、一体いつの間にこんなベテランの余裕を身に付けたのか。トリノの頃はまだまだひよっ子って感じだったのに。
F1ではよく、『勝ち方を知る』という言い方をします。実力があっても結果に結びつかないドライバーは、勝ち方を知らないからだ、などと言われる訳です。でもそれを知るには勝つしかない。経験しか。
大ちゃんは、自分なりの『勝ち方』を確立しつつある感じですね。すっかり頼もしくなっちゃって。

とは言え、油断は禁物です。現役を続ける限り続くハラハラ・ドキドキを、以前よりはちょっとだけ余裕かましながら今年も見守って参りたいと思います。