NIKKEI MAGAZINEでいい感じの人を見つけました。
佐藤オオキさんという私よりおよそ10歳も年下のデザイナーの方なのだが、
「いまそこにある不便をなんとか工夫して楽しく生活すること、それってデザインの原点じゃないですか」
「アートは人を不安にしてもいいけど、デザインは人を幸せにしなければならない。最終的には喜びや快適というプラスの価値を与えて、日常にしっかり着地しなければならない」
と語る。
多忙な日常にボーとした非日常を挟んで、
″ 休みの日には、ただ積極的に消極的になるよう努めてます(笑) ”って、なんだか良いなあ。羨ましい感性です。
足の爪先やらを痛めて、あまり動き回れないということもあるのですが、こういう心持ちに憧れるのです。
旅先に行っても、ホテルで読書して、プールに入って、あとは心ゆくまで寝て過ごす、みたいな投資効果を無視できるようなマインド。
「武士は用事のないところには出かけない」、
~ 内田 樹先生が、師である多田 宏先生に教えていただいてから座右の銘にしているという、これまたある意味贅沢な精神性。
「武士は用事のないところには出かけない」、これを座右の銘として、僕は用事がない限り、まず家を出ません。
学校と家と道場を3点移動するだけの生活を長く送っていました。
だから、関西に在住して21年ですが、梅田にも、三ノ宮にも月に1度くらいしか行かない。
京都奈良なんか観光に行ったこともない。清水寺には20年前に1度行きましたが、金閣寺にも銀閣寺にも二条城にも行ったことがないんです(笑)
~ それは、すごい胆力の練り方だね。(成瀬雅治 -- 有名なヨガ行者 -- )
と、話が続くのですが、はげしく同意もできないにせよ、
退屈を恐れることをせず、あえてその逆の志向を断じてみせるところに、木鶏の如き魅力を感じます。
( ↓ ) 音楽もそう。 ハレの日や祝祭の歌も良いですが、奇特なものを追い求めずに身の回りの日常や自然に題材を採ったものは普遍的なような気がします。
グリーングラスを歌っていた女性デュオが、Tom Waitsの美しさを掘り起こしてくれます。
The bats are in the belfry , the dew is on the moor コウモリは鐘堂で眠り 荒野には朝露の雫
where are the arms that held me, and pledged her love before 彼女の腕は私を抱擁し, 愛を誓った
It's such a sad old feeling、all the fields are soft and green なんて悲しくて懐かしいフィーリングだ、 草原は柔らかな緑
it's memories that I'm stealing 盗み出すのは思い出なのです
but you're innocent when you dream 夢見る頃のあなたはあどけないまま
Running through the graveyard、we laughed my friends and I 墓場を走り抜けて笑い合い
we swore we'd be together until the day we died ずっと一緒だと誓った 死が二人を分かつまで
I made a golden promise that we would never part 私たちは固く約束した 決して離れないと
I gave my love a locket and then I broke her heart ロケットに愛を込めたんだが 私は彼女を傷つけてしまった
( ↓ ) オリジナルのTom Waits版だけでは分からなかったと思いますが、こんなに美しいフィーリングを内包している。
よく見かける、枝振りの見事なサルスベリの木があるのですが、Tom Waitsになんとなく似ている気がする。
花や葉っぱを落とした裸木の枝姿は、複雑怪奇にうねっているのですが、奇妙に美しい。
そして、近づいてみてようやく気づく幹肌の美しさ。ごつごつしていなくて、すべすべしている。
これはサルスベリでなくてハナズオウなのだが、無骨にチャーミングな花。
桜よろしく緑が芽吹く前に鮮やかな花をつけるのだが、花のつけ方を勘違いしてる感じがする。
それでもきりっと正装を装ってる風な感じもする。
蝶ネクタイたくさんつけて、ちょっと自慢げにぽかぽかの太陽に見せてるようで、
「勘違いしてる」感じに、いとおしや~です。
蝶ネクタイとは書かなかったけど、そう見えますよね、
よかった、勘違いとか幻覚でなくて。
(e_e)
私も用事のないときは出かけないですが、散歩も用事ですかね(笑)
したいから、する。
出かけないことが、その日の用事なのでしょう。
うまいこと言いますねー、
休むも相場みたいなものでしょうか。
こっちに曲がりたいから曲がる、とか、そういう感覚が大事なのだと思います。