ライフ&キャリアの制作現場

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121.AIにはできない仕事

2019-10-10 00:42:23 | 時代・世の中
 NHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」を見た。最先端のAI技術を駆使して、30年ぶりに美空ひばりをよみがえらせるという企画だった。歌声や歌唱力だけでなく、目や口の動き、振り付けや立ち居振る舞いまで、4K・3Dホログラム映像で再現していた。技術者や作詞作曲家、衣装デザイナーやファンクラブの高齢者などの関係者が、膨大な音源と映像データをもとにAIが出現させた「30年ぶりの美空ひばりの歌と姿」に心を揺さぶられるかという点が一つの見どころだった。

 私の感想は、プロジェクトの関係者の苦悩や努力、試行錯誤を繰り返しながらもあきらめずに取り組む姿勢には感銘を受けたし、日本のAI技術の高さにも驚嘆したが、「美空ひばり」はやはり「AIの美空ひばり」の印象だった。長年のファンの方々が感涙にむせぶ場面も、テレビの画面で見ているせいか違和感があった。30年前の録画映像と、30年ぶりの再現映像を比べて、これらをどう見たらよいのかわからなくなったのだ。なぜなら、「美空ひばり」の歌と姿に、30年間に刻まれたであろう「年輪」を感じなかったからだ。確かに、AIは30年前からさらにデビュー当時までさかのぼったデータを解析して合成することはできたのだが、30年前から現在までに刻まれたであろう皺や年輪、磨かれたであろう艶や綾までは予測し再現しなかったからだろうか。

 どんなに技術が進歩しても、人間にしかできない事やわからない事はある。以心伝心。阿吽の呼吸。人情の機微や心の琴線は、AIには表現し得ないものだろう。私が携わっている対人支援や相談業務のコミュニケーションには、勘や加減や曖昧さ、洞察力や寛容さ、そして倫理観も大切だ。理論やデータ分析も必要だが、理屈だけでは済まない世界だから、AIに取って代わられることはないだろうと思っている。経験と研鑽を積んで、年輪を刻んで行けば。
 
 

 

 

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