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全米図書賞 受賞!翻訳文学部門

2020-11-20 | 本の紹介
柳美里(ゆう みり)さんの『JR上野駅公園口』が翻訳文学部門で全米図書賞を受賞しました!
上の画像は、左が2014年3月に日本で出版された単行本、右はその翻訳本表紙、
私も6年前に(もちろん日本語で)読みました。

「全米図書賞(National Book Awards)」は、米国で最も権威のある文学賞の一つで、
小説・ノンフィクション・詩・翻訳文学・児童文学の5部門があり、
同じ翻訳文学部門で、2018年にドイツ在住の作家・多和田葉子さんの『献灯使』が受賞しています。

『献灯使』は東日本大震災を想定した”超現実”の日本を描いた、未曾有の近未来小説。
柳美里さんの『JR上野駅公園口』も執筆中に東日本大震災が起こり、
昭和8年福島県相馬市生まれの一人の男性の物語に震災を題材として取り込んでいます。
1964年の東京五輪の前年、家族を養うために福島から東京に出稼ぎに来た男性は、
高度成長から取り残され、故郷では東日本大震災が起こって家族がバラバラになり、
最後には上野公園口で暮らすホームレスになってしまいます。
日本の近代化で多数の人が社会の片隅に追いやられ、無視されてきた様が描かれています。

大震災から4年後に福島県相馬市に移住した柳さんはオンライン授賞式で
「とても幸せ。東日本大震災と津波、原発事故の後、
苦難の途上にいる南相馬の人々とこの喜びを分かち合いたい」と語りました。

私は、一時、柳美里さんの作品にはまったことがありました。
在日韓国人による芥川賞受賞と話題になった『家族シネマ』、
酒鬼薔薇事件に触発されて描かれた作品として話題となった『ゴールドラッシュ』、
半生を赤裸々に綴った自伝小説『命』『生』『魂』『声』の4部作、等々。
ご自身は、在日韓国人、いじめ、自殺未遂、高校中退、役者、劇作家、小説家、
シングルマザー、弁護士、福島県移住、ブックカフェ開店、と、
まるで小説のようなドラマチックな生涯を送っていらっしゃいます。
受賞おめでとうございます!

明日夜9時から、本校のある市が1時間のTV番組で取り上げられるらしいです。
知っているところがたくさん登場するようなので、楽しみ♪
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