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新井紀子 著 『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』

2018-04-15 | 本の紹介
新井紀子 著 『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)読了しました。
各界で話題の本です。

AI技術の素晴らしい進歩により、多くの場で機械やロボットが人間に代わる仕事をしています。
先日初めて行ってみた廻るお寿司屋さんでも、入り口でペッパー君が接客受付しており、
彼なら朝から休憩なしで一日中立ち続け「いらっしゃいませ!」とあいさつ続けることができ、
お客さんも「ハイハイ」と言いながら楽しみながら受け付けしていました。

この本は、AIが搭載されたロボットは東大に合格できるのか?
という意欲的な目標に挑んだ「東ロボくん」プロジェクトのディレクタを務めた数学者の著書です。
プロジェクトが開始して6年、まだ東ロボくんは東大には入れません。
でも、偏差値57・1にまで成長した東ロボ君は、
MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)なら楽勝で入れるところまで来ました!
苦手は国語と英語、なぜなら、AIは意味を理解しないので読解力がないのです。

やはり人間にはかなわないのだな、と安心したら大間違い!
全国25,000人を対象に行われた読解力テストで、中学高校生徒の読解力が信じられない結果で、
いわゆる「進学校」といわれている高校生が、この問題が解けないとは!と驚くほどです。
難解な文章を読み解く問題ではなく、ある文を正しく言い換えているのはどれか?ぐらいの問題です。
ゆっくりじっくりと考えれば間違えることはないと思うのですが、
これでは他教科の文章題にも手こずりますね。

最後まで読んでも、「ではどのような教育をしたら?家庭で気を付けることは?」
といった提言まではありませんでした。
今までのところでは、読解力のある子どもたちの共通項がなかなか見つからないのだそうです。
私は「言葉をたくさん使って生活しているかどうか。」なのではないかと思います。
メールやLINEでは単語や記号だけで会話している子供たち、作文力や読解力は育ちにくいし、
授業でも「なぜそうなのか?」を説明するより早く答えを出すことを求められることが多いでしょう。
また、社会もTV番組など以前よりとても易しく簡単な内容(中学生レベルに作っているそう)です。

お子さんをお持ちの方々、教育関係者には、お勧めの本です。

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