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本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」 中村哲が本当に伝えたかったこと』

2022-09-27 | 本の紹介
中村哲 著『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」 中村哲が本当に伝えたかったこと』(NHK出版)
読了しました。

2019年12月4日、アフガニスタンで銃撃され亡くなられた医師・中村哲さん。
本書は、中村さんが出演されたラジオ番組より、インタビューに答える肉声が忠実に再現されて、
自身について多くを語らなかった医師・中村哲の心の内を知ることのできる貴重な証言の記録です。

1985年からパキスタン、アフガニスタンで、
医師としてハンセン病根絶計画、空爆下での診療所開設を行います、
2000年から、大旱魃に見舞われたアフガニスタン国内で干ばつが進み、
人が生きるに必需の「水」がない現実に、水源確保のために井戸掘削と地下水路の復旧を行います。
地下水だけではとても足りないと、河川からの水源確保事業で全長25Kmに及ぶ灌漑用水路を建設、
地表に川が流れて土地の緑化が進み、作物が作られ、65万人の命をつなぐ大偉業を成し遂げます。
しかし、2019年12月4日アフガニスタンのジャララバードで凶弾に倒れ、
享年73歳でお亡くなりになったことは世界的にも報道され、とても残念なことでした。

「長年の活動の原動力は何でしょうか?」という問いに対して、
中村さんは自らを、宮沢賢治の童話の主人公「セロ弾きのゴーシュ」にたとえました。
アフガン人と共に汗を流し、艱難を克服し、彼らの幸せが自分の幸せと喜びを分かち合い、
自然を愛し、自然を畏怖し、限りなく人を大切にされたその姿には、人間存在の尊さを感じます。
中学校図書館に入っている本なので、是非中学生・高校生に読んでもらいたいです!
他利のために生き私欲のなかった中村哲医師の偉業を心から称え、その死を悼みます。