今日も一期一会

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本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

追悼 野坂昭如氏

2015-12-10 | 本の紹介
直木賞作家で文化人タレントとして各種メディアでご活躍された野坂昭如氏がご逝去されました。
享年85歳でした。

1930年神奈川・鎌倉市生まれ、
おそらく一番知られている作品は1967年に直木賞を受賞した『火垂るの墓』でしょう。
野坂氏の名前は知らなくても、スタジオジブリによって映画化されたこの作品は夏になると数年に一度はTV放映され、
また、国語の教科書に作品が載っていた時もあり、
年配の方から小中学生まで広く知られていると思います。
自分自身の戦争原体験を題材した作品で、野坂氏は実の妹を戦時中に栄養失調で亡くしています。
私はこの映画を何度も見ていますが、いつも開始5分で涙が。。。

童謡「おもちゃのチャチャチャ」の作詞では、日本レコード大賞童謡賞も受賞しています。
テレビの討論番組のコメンテーターとしても登場したり、衆議院議員になったり、
CMソングを制作したり、CMに登場したり、放送台本を書くなど多彩に活動されていました。
その思想は一貫して「戦争反対」「反骨・反権力」で、「焼け跡闇市派」を名乗っていました。
強烈な社会批判の言葉の裏には、戦争での空襲体験や、幼い妹を失った悲しみに根差した、
「弱者への愛」がありました。

私の両親より少し上の年代ですが、戦争を体験した方がこうしてだんだんとお亡くなりになります。
主義主張を曲げず、激しい言動でしたが、ちゃんと行動の伴う気骨のある方でした。
「昭和」を代表する作家が、また一人いなくなってしまい、淋しい気持ちでいっぱいです。

ご冥福をお祈りします 合掌。。。