予告編を見て公開を楽しみにしていた映画を見に行ってきました。
「ザ・テノール 真実の物語」
主演の伊勢谷友介さんは語学が堪能で知的な美男子で素敵なのと、
最近クラシックの演奏会に行っていないので、この映画でオペラのアリアを聴きたい♪と思って。
でもこの近隣では人気がないのか、公開から間もないと思っていたのにもう最終日でビックリしました!
観客の人数は一けた…
この映画は日本と韓国の共同制作です。
でも作品は英語、ドイツ語、韓国語、日本語が飛び交って、初めは外国映画だったかしら?と思っちゃいました。
タイトルにもあるように、実話を描いた映画です。(以下ネタバレありです。)
韓国のテノール歌手べー・チェチョルは、「100年に一人の声を持つテノール」と呼ばれ、
繊細で力強い類希な歌声〈リリコ・スピント〉を持ち世界的に高い評価を受けていました。
しかし甲状腺ガンを患い、手術をして命はとりとめましたが、声を出すことさえ出来なくなりました。
努力の末に話せるようになったものの、声帯と横隔膜の神経を切断していたことがわかり、
素晴らしい歌唱力は永久に喪失してしまったのです。
チェチョルにとって、歌うことがすなわち生きていること。
歌えない自分は死んだも同然と、自暴自棄になります。
でも、そんな彼を励まし、献身的に支え、世界的権威の医師の手術を取り付けたのは、日本人音楽プロデューサー。
「きっとまた歌えるし、また君の声が聞きたい。」
そんな彼の思いに懸命に応え、大変な努力の末にチェチョルは美声を取り戻します。
友のために懸命に道を探る国境を越えた友情、お互いの音楽に対する情熱に、心が熱くなりました。
映画の各所にチェチョルの心情と状況に合った歌を歌うシーンとなり、それも本当に良かったです。
・歌劇「トゥーランドット」より 「誰も寝てはならぬ」
・歌劇「イル・トロヴァトーレ」より 「アンヴィル・コーラス」「炎は燃えて」「見よ、恐ろしい炎を」
・歌劇「リゴレット」より 「女心の歌」
・歌劇「オテロ」より 「主よ!あなたは私の頭上に」「私を恐れるな」
・歌劇「リナルド」より 「私を泣かせてください」
・歌劇「アルルの女」より 「フェデリコの嘆き」
・「アメイジング・グレイス」
実際にチェチョルが歌っている曲もいくつもあるようです。
復活の舞台で涙を流しながら歌う「アメイジング・グレイス」に感動しました!