今日も一期一会

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本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

葉室麟 著 『蜩ノ記』

2014-09-18 | 本の紹介
葉室麟氏の 『蜩ノ記』を読みました。
この作品は第146回(平成23年度下半期)直木賞受賞作品です。
その時の記事はこちら

いつか読もうと思いながら、苦手な時代小説なので手を出さないでいたのですが、
近々映画公開され、重要な登場人物役を岡田准一さんが演じるので急いで読みました♪

主人公の戸田秋谷は、前藩主の側室と不義密通を犯した廉で、
幽閉先での家譜編纂と十年後の切腹を命じられます。
奥祐筆・檀野庄三郎は、城内で刃傷沙汰に及んだ末、からくも切腹を免れ、
家老により向山村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷の元へ見張り役として遣わされます。
10年後の切腹が決まっているにもかかわらず、秋谷は武士として誇り高く生き抜きます。

本当の武士とは、この秋谷のように公明正大、清廉潔白、気高く生きるもの、
秋谷こそが「武士道精神」の鑑、そんな生き様です。
庄三郎は見張り役として一緒に住むうちに、秋谷に魅かれていきます。
おそらくは無実の罪、それを受け入れて区切られた命を淡々と清冽に生きる秋谷は潔いです。

秋谷の息子、郁太郎と百姓の息子である源吉の友情には心を動かされました。
友に恥ずかしくないよう生きる、子どもでありながらもちゃんと世の中を見ています。

苦手な時代小説で、作品序盤の地名、人名、事件のオンパレードには苦戦しましたが、
中盤以降は惹きこまれるように一気に読めました。

来月の映画が楽しみです♪