今日も一期一会

「本が好き♪図書館ブログ」のタイトル変更
本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

「本が好き♪図書館ブログ」からタイトル変更

19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

映画 「かぐや姫の物語」

2014-01-11 | 映画
今朝のこの地の最低気温はマイナス6.8℃! 水道管も池も車も凍る寒い朝でした。
話題のジブリ映画、見てきました。

高畑勲監督作品『かぐや姫の物語』

題材は、日本人なら知らない人はいないであろう日本最古の文学『竹取物語』です。
「物語の祖(おや)」とも言われています。
国語の教師として何度も授業で取り上げ、冒頭部分を暗誦させたりした古典中の古典、
見に行かないわけにはいかないでしょう!!

映画完成までに8年の歳月と50億円の制作費!
高畑監督の望みどおりで進行していたら完成までに14年の歳月がかかったかもしれないという絵へのこだわりです。
1枚の絵でアニメーションを作っていっため多くのスタッフが必要となり高額制作費になったそうですが、
ちょっと画面を見た感じだと白い部分が多かったり筆でさらさらと描いた感じで、
「手抜き」だという酷評もあるようです。
私は「和」の感じや空気感が感じられていいと思いましたが。

ストーリーは、竹から生まれたかぐや姫が美しく成長し、最後には月へ帰ってしまう、とほぼ原作通り。
自然溢れる里山で翁と媼の愛情に包まれてすくすくと大きくなります。
里山の子どもたちや動物、植物に囲まれて、
笑いながら元気よく楽しそうにのびのびと暮らす子ども時代のかぐや姫からは幸せがあふれています。
でもその美しさと竹から得た財産で翁が「日本一の姫に!」と京へ移った時からかぐや姫は不幸になります。

キャッチフレーズは「姫の犯した罪と罰」となっていますが、映画の中でははっきりとは触れられていません。
でもここに「なぜ月の世界の人が地球に来たのか?」という謎を解くカギが隠されています。
理想郷である月の世界に地球へ行った女性(天女)が一人いて、
話や歌を聞くうちに地球へ行きたくなってしまったかぐや姫。
理想郷の月にいながら私利私情が渦巻く地球への憧れを持ってしまったことが「罪」だったようです。
そしてその「罰」として穢れた地球へ送られてしまったのでしょう。

月からの使者と一緒に雲に乗った途端にかぐや姫は表情を無くし、今までの記憶や感情を失ってしまいます。
でも、最後に一度だけ地球を振り返り、涙をひと粒こぼします。
私は、映画の中でこのシーンに一番グッときました。
心の中で(一度でいいから振り返って地球を見て!翁と媼に愛されて育ったころを思い出して!!)
と祈っていたので。
何故か一緒に涙がこぼれていたのでした。。。

見る人によって様々な解釈が出来る作品『竹取物語』は、やはり名作だと思ったのでした。