今日も一期一会

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本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

ルーベンスと『フランダースの犬』

2013-05-16 | アート
今日から1学期の中間テストが始まりました。
テストは午前中で終わりますが、テスト後、残って勉強する生徒で図書館は閉館まで満員でした!

もう先月の話になりますが、渋谷のBunkamuraで美術展を見ました。(今頃その記事で失礼します…)

「ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」

ルーベンスといえばベルギー!
20年ほど前、4年間ベルギーのブリュッセルに住んでいた我が家にとって、ルーベンスはとっても懐かしい!!
懐かしいベルギーを語り合いたくて、娘と一緒に行ってきました。
日本人にとってルーベンスはあまり馴染みがないかな…と思いながら行ったらとんでもない、
大混雑でした。
会場入り口に掲示してあったポスターの隣にちょこんと座っているワンちゃんを見て、
「あぁそうか!ルーベンスといえばパトラッシュなのね!」と大いに納得しました。

児童文学『フランダースの犬』をおそらくほとんどの日本人が知っているでしょう。
舞台は19世紀のベルギー北部のフランドル地方、
現在ではアントワープに隣接するホーボケンが舞台となった村のモデルです。
あの悲劇の最後に、ネロ少年とパトラッシュが息絶えたのが、アントワープにある教会の中の祭壇画の前でした。
ネロがどうしても見たかったこの絵は画家ルーベンスの描いた大傑作です。

アントワープ・ノートルダム大聖堂、ルーベンスの三連祭壇画 「キリスト昇架」 祭壇の左側


「キリスト降架」 祭壇の右側


高さ4.2m、幅6mの大きさで、見上げる者へ圧倒的な迫力を持って迫ってきます!

この「キリスト降架」の版画が来ていました。
ルーベンスの絵は今までにずいぶん見ましたが、今回の展覧会は小品が多くまた違った楽しさがありました。
ヨーロッパで展示されていたルーベンスの絵はどれもとても大きく、
いわゆる「ルーベンス工房」で作られたものがドーンと展示されていたので、
今回のような小品は珍しかったです。

日本人には広く知られている『フランダースの犬』はイギリスの作家ウィーダが19世紀に書いたものですが、
ベルギーの方は知らないことが多く、また、知っている方にも評判は良くありませんでした。
ベルギー国民はそんなに冷たくはないし、
15歳にもなっているのに(原作は15歳、日本のアニメ版は8歳ぐらい?)一人で生きていけないなんて!
負け犬だと思うらしいです。
ヨーロッパでは18歳になったらみな実家を出て一人で暮らし、自分で生活費を稼ぎながら大学へ通います。
(だから、大学生など若い子がブランド品などを持っているのを見たことがありませんでした。
ああいった物は上流マダムの物らしい…)

日本人がベルギーに来ると 『フランダースの犬』 の話ばかりする、と観光局の方はおっしゃっていました。
だから日本人のためにアントワープ・ノートルダム大聖堂前の広場に記念碑が設置され、
舞台となった地ホーボケンにネロとパトラッシュの銅像まで建てられていました。
お話をよく知っていた幼い我が子たちはその銅像に喜び、記念写真も撮りました。

鑑賞後、お茶をしながらガレットやクレープを食べ、ベルギーでの思い出話に花が咲きました。
あの頃からもう20年近く経っているなんて!