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「風台風」15号・「雨台風」19号のメカニズム、特別警戒「レベル5」ではすでに遅すぎる?

2019年10月26日 | サイエンスジャーナル

 風台風と雨台風

 台風19号は数々の爪痕を列島に残した。国土交通省によると、台風19号による豪雨で川の堤防が壊れる「決壊」が発生したのは、長野県の千曲川、宮城県の吉田川、福島県の阿武隈川など7県の52河川73か所。川の氾濫も国管理の24河川、16都県管理の207河川で発生した。NHKによると10月17日の時点の被害者は、死亡77人不明9人けが372人となっている。

 2019年9月に関東を襲った台風15号は「風台風」で、各地で観測史上最も強い風が吹き荒れ、千葉県では鉄塔や電柱が倒れて大規模な停電が発生した。東京湾に到達した時点で中心気圧955ヘクトパスカル、最大風速45メートルと、関東に接近・上陸した台風としては「過去最強クラス」だった。

 今回の台風19号は「雨台風」で、伊豆半島に上陸したのは10月12日午後7時前。台風本体の北側には厚い雨雲が張り出し、東海や関東地方では上陸前の日中から大雨に見舞われた。この日、24時間降水量の観測記録を更新した地点は16都県の84カ所に及んだ。雨が強まる時間が遅かった岩手県でも、13日までの24時間雨量を更新した地点があった。13都県で大雨特別警報が出され、東北から関東甲信にわたる広い範囲で河川が氾濫したり、土砂災害が起きたた。

続きはこちら → http://sciencejournal.livedoor.biz/ 

NHK news Web: https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/basic-knowledge/basic-knowledge_20190526_06.html

  

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高層マンションに何があった?「災害時の停電」対策は高性能蓄電池の開発!

2019年10月26日 | サイエンスジャーナル

 高層マンションは災害に弱い?

 今回、台風19号の襲来によって武蔵小杉にあるタワーマンションでは、地下にあった電気室が機能不全となった。排水溝から下水が逆流して、地下にある電気室が浸水し、使えなくなった。電力の供給は途絶えていないが、それを建物内に送電できない。建物全体が停電と同じ状態に陥ったのだ。

 当然、エレベーターは使えない。各住戸内でもエアコンや照明はもちろん、電気に頼るあらゆる機能は停止する。有線のインターネットも使えなくなった。さらに、トイレの排水もできなくなった。タワマンの上水道も電力が供給されることを前提としている。電力によってポンプを稼働させ、水道水を上層階まで押し上げている。そのため、水道が止まれば飲料水だけでなく、トイレも流せなくなる。

 被害を受けたタワマンでは、各フロアには簡易トイレが設置されたというが、通常通りの排水ができなくなれば、そのタワマンには実質的に住めなくなる。簡易式のトイレを使いながらシャワーも浴びられない暮らしを、現代の日本人が何日も我慢できるだろうか。特に、それまでは快適なタワマン生活を送ってきた人々であるなら、なおさらだ。多くの人が近隣のホテルや知り合いの住まいへ避難した。

続きはこちら → http://sciencejournal.livedoor.biz/ 

参考 サイエンスポータル: https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2019/10/20191017_01.html

  

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祝!2019年ノーベル化学賞受賞!「リチウムイオン二次電池の開発」旭化生フェロー吉野彰氏

2019年10月22日 | サイエンスジャーナル

 2019年のノーベル化学賞発表

 2019年のノーベル化学賞に旭化成名誉フェローで名城大学教授の吉野彰氏(71)が選ばれた。授賞理由は「リチウムイオン二次電池の開発」である。

 現在、リチウムイオン二次電池 (LIB) は携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ・ビデオ、携帯用音楽プレイヤーを始め幅広い電子・電気機器に搭載され、2010年にはLIB市場は1兆円規模に成長した。小型で軽量なLIBが搭載されることで携帯用IT機器の利便性は大いに増大し、迅速で正確な情報伝達とそれにともなう安全性の向上・生産性の向上・生活の質的改善などに多大な貢献をしている。

 また、LIBは、エコカーと呼ばれる自動車 (EV, HEV, P-HEV) などの交通機関の動力源として実用化が進んでおり、電力の平準化やスマートグリッドのための蓄電装置としても精力的に研究がなされている。

続きはこちら → http://sciencejournal.livedoor.biz/ 

参考 日経サイエンス: http://www.nikkei-science.com/?p=59824

  

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2019年ノーベル物理学賞は「系外惑星の発見と大規模宇宙構造」ピーブルス・マイヨール・ケロー3人

2019年10月22日 | サイエンスジャーナル

 2019年ノーベル物理学賞

 2019年のノーベル物理学賞はカナダのジャームズ・ピーブルス博士(James Peebles)、スイスのミシェル・マイヨール(Michel Mayor)博士、その弟子のディディエ・ケロー(Didier Queloz)博士に贈られた。

 ピーブルス博士は宇宙の理論的な研究、マイヨール博士とケロー博士は太陽系の外にある惑星「系外惑星」の発見をした。賞金の半分はピーブルス博士に贈られ、その残りの半分をマイヨール博士とケロー博士が分ける。

 ピーブルス博士は初期宇宙がどのようにできていたかを研究していた。宇宙マイクロ波背景放射の観測でも重要な貢献をしている。ビッグバンからどのように宇宙ができていたのか、元素がどのようにできたのか、ダークマター、ダークエネルギー研究などがある。

続きはこちら → http://sciencejournal.livedoor.biz/ 

参考 サイエンスポータル: https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2019/10/20191008_01.html

  

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2019年ノーベル医学・生理学賞は「細胞の低酸素応答」セメンザ・ケーリン・ラトクリフ3人

2019年10月22日 | サイエンスジャーナル

 2016年のノーベル生理学医学賞

 10月初旬、ようやく暑さも一区切り秋の雰囲気を感じる時期、今年もノーベル賞の季節がやってきた。昨年、本庶佑氏が免疫反応にブレーキをかけるタンパク質を見つけ、画期的ながん治療薬の開発に道を開いた業績で受賞したが、2年連続の同賞日本人受賞はどうだろうか? 

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は10月7日(日本時間18:00ごろ)、2019年のノーベル医学生理学賞を、細胞が酸素不足の環境でも応答する仕組みを解明した米国と英国の3人の研究者に授与する、と発表した。授賞理由は「細胞の低酸素応答の仕組みの発見」。

ノーベル医学生理学賞に選ばれたのは、米国ジョンズホプキンズ大学のグレッグ・セメンザ氏、英国オックスフォード大学のピーター・ラトクリフ氏、米国ハーバード大学のウィリアム・ケーリン氏。 授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金900万スウェーデン・クローナ(約9700万円)が3氏に贈られる。

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31年ぶり、日本商業捕鯨再開!どう説明する?IWC反捕鯨国

2019年10月22日 | サイエンスジャーナル

 やがて来る食糧難の時代をどう乗り越えるか?

 世界の人口が75億人を超えた。そうなると心配なのが食料である。特に体をつくるのにはタンパク質が必要であり、そのため多くの動物たちの命を必要とする人類はこの21世紀を生き残ることができるのだろうか。

 日本で商業捕鯨が本格的に始まったのは戦後。日本は焼け野原となり、国民は飢えていた。GHQ、ダグラス・マッカーサー元帥の勧めもあり、日本は米海軍のタンカーを改造して捕鯨船2隻を作り、南極海に向かった。商業捕鯨の始まりである。

 今や豊かになった日本は、オーストラリアや米国から食肉を輸入することができる。では、クジラは食べる必要がないのかというと、私は食べることに賛成だ。というのは、世界の人口は75億を超えた。将来の食糧難を心配すると、食材は広範囲にあった方が良いのは明らかである。

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参考 NHKnews: http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/370550.html

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はじめの言葉はいつから存在?日本列島は紀元前からか 発掘された石は「すずり」

2019年09月15日 | サイエンスジャーナル

 言葉はいつから存在するのか?

 言葉が人を勇気づける。言葉が自分を表現する。言葉が意思を伝える。言葉が人間関係をつくる。新約聖書ヨハネによる福音書の最初の言葉は「はじめに言葉ありき」。この世は神によって造られたという意味。言葉がなければ安定した世界は成り立たない。言葉はいつから存在するのだろうか?

 これまで日本成立の時期、3世紀ごろと考えられていた日本の言葉が、紀元前には使用されていた証拠が発見された。弥生時代や古墳時代の遺跡から発掘された石が調査の結果、「すずり」と判断される事例が九州北部を中心に相次ぎ、調査に当たった専門家は、紀元前100年ごろから文字が使われていた可能性がある。

 日本では238年卑弥呼が「親魏倭王」の金印をもらったときに、漢字が読めたかどうかはわからないが、金印は王からの命令であることを示すのに言葉で伝えられた、おそらく卑弥呼もこの言葉の意味を理解できたに違いない。

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参考 NHKnews: https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190810/k10012031231000.html

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海岸でマイクロプラスチックを探そう!身近な環境調査の方法

2019年09月02日 | サイエンスジャーナル

 夏だ! 海だ! マイクロプラスチックだ?

 夏といえば「海」、海岸近くは海からの風が気持ちが良い。遠く水平線まで見渡せる海岸の景観も楽しみの1つ...。きれいな砂浜を歩くのもよいのだが...海岸を歩くとどうしても気になるのがゴミ。植物の枯れ枝とともにプラスチック製の袋や容器、キャップなどが混入している。

 地元の人が大きなプラゴミなどは海岸清掃をしていて環境を保護しているのだが、それでも小さいものはあたり前のように存在し、私たちももう慣れてしまっている。

 この中には、さらに細かくなった「マイクロプラスチック」も存在する。マイクロプラスチックとは、5 mm以下のプラスチックのこと。プラスチックのゴミがきちんと回収されずに雨に流され川に入ってしまうと、海に運ばれる。その一部は波に乗って砂浜にたどり着く。もともとは大きなサイズだったペットボトルなどのプラスチックも、海の中や砂浜で、紫外線を浴びてボロボロになっていく。

続きはこちら → http://sciencejournal.livedoor.biz/ 

参考 マイナビニュース・Miraikan: https://news.mynavi.jp/article/20190809-874871/

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あなたは既に大量のプラスチック片を食べている!空気中にもプラスチック繊維

2019年09月01日 | サイエンスジャーナル

 あなたは既に大量のプラスチック片を食べている

 プラスチックは、身の回りのあらゆる場面で使われている。もはやプラスチックなしの生活は考えられない。しかし、環境中に広がったプラスチックは分解せずに残っていて問題になっている。

 「マイクロプラスチック」は、5mm以下になったプラスチックの破片であるが、海底やビーチの砂だけでなく、水や食品、空気中の「ほこり」として混入しており、さらには人体からも見つかっている。

 2018年10月には、人間もプラスチックを気づかずに摂取しているかを調べる予備調査で、調査に参加した8人全員の排泄物からマイクロプラスチックが見つかった。

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参考 National Geographic news: https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/060700338/

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空気より軽い航空機「フェニックス」、試験飛行に成功!

2019年08月31日 | サイエンスジャーナル

「空気より軽い」航空機が登場

「超長時間耐久性自律型航空機」というと、長時間飛び続ける飛行機のことだが、そんな夢の飛行機が実現されようとしている。

 ボーイングの先進的な太陽電池と軽量材料で構築された「Odysseus(オデュッセウス)」と呼ばれる飛行機は、クリーン・エネルギーだけで無期限に飛行することができると報告した。2019年には完成予定だ。

 今回新たに、気球と飛行機の2つの状態を切り替えることで推進力を生み出し、無限に空中にとどまる「空気より軽い」航空機「フェニックス」がこのほど、初の試験飛行に成功した。

続きはこちら → http://sciencejournal.livedoor.biz/ 

参考 高高度飛行: http://www2m.biglobe.ne.jp/~ynabe/mach/highalt.htm

CNNnews: https://www.cnn.co.jp/fringe/35136428.html

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微生物で「CO2」からエタノール、次世代エネルギー「H2」をつくる!

2019年08月31日 | サイエンスジャーナル

 CO2からエタノールを製造する技術、東大発ベンチャーが特許を取得

 世の中にはまだまだ知られていない微生物が存在する。例えば、CO2を吸収する微生物や、H2を生成する微生物だ。

 知っての通りCO2は地球温暖化の原因となる。H2は次世代に期待されているエネルギー源である。そんなに都合のよい微生物が存在するのだろうか?しかし、CO2を吸収するのは植物が光合成で行っていることであるし、光合成を行う微生物もたくさん存在する。水素生産菌も決して特殊な菌ではなく、土壌やシロアリなどの体内にもいる普通に存在している。嫌気性の細菌だ。

 私たちは、こうした細菌をもっと知り有効に活用していきたい。2019年5月30日、東大発ベンチャーのCO2資源化研究所は、ポリエチレンの原料となるエタノールを、CO2から製造する手法の特許を取得した。

 研究所では、近年、注目されている「水に溶けにくい無機質ガスを栄養に増殖する細菌」の中でも「CO2を栄養源として増殖する水素酸化細菌(UCDI水素菌)」とバイオ技術の組み合わせによる産業活用を進めており、すでにバイオジェット燃料の原料となるイソブタノールの製造に関する特許については2018年12月に取得済みで、今回の特許取得はそれに続くものとなる。

 CO2から石油を合成する細菌

 現代文明は石油の上に成り立っているといってよい。この石油というしろものは、生物が関与してできたものでありながら、現在の生態系には組み込まれていない。そのため文明が発達すればするほど、海洋汚染や二酸化炭素の増加による温暖化を引き起こし、生態系のバランスを崩すものと考えられてきた。

 しかし、人類が放出した二酸化炭素を逆に石油に変え、生態系のバランスを取り戻す微生物が、静岡の油田のまっ黒なタールの中にいた。それが、大阪大学が発見した、廃液処理などに活躍しているシュードモナス属の細菌の仲間である。

 油田に注目したのは、海洋汚染のなかでも近年クローズアップされてきた、タールボールの処理のためである。海に流出した石油は、物理的に取り除くか、界面活性剤で分散させて微生物で分解するしかない。 界面活性剤とからんだ石油は、しばらくするとダンゴ状 (タールボール) になって、酸素のない深い海の底に沈んでしまう。

 酸素があるなら石油を分解できる細菌の存在は、30年以上前に知られていた。もし、無酸素で石油を消化する細菌がいれば、海底のタールボールを分解することが可能になるだろう。

 静岡の油田は、つねに石油が土壌中にわいているが、そばの小川には油が浮いてこない。ということは、土壌のどこかに酸素なしで石油を分解する細菌が含まれているのではなかろうか。

 油田から採取したサンプルを石油培地に加え、無酸素ガス (CO2、H2、N2の混合気体) を吹き込んでみた。2週間ほどで、この培地で安定して生育する細菌が1株得られた。 シュードモナス属の新種と判断され、シュードモナス・アナエロオレオフィラHD-1株 (無酸素条件で石油を好むの意) と命名した。 その後、この細菌の生育には二酸化炭素が不可欠であることがわかり、石油以外に二酸化酸素も炭素源として利用している可能性が出てきた。

 そこで先の培地から石油を抜き、二酸化炭素と水素を主体とした無酸素ガスを吹き込んで生育させた。すると乾燥菌体から石油成分が抽出され、石油を合成する能力もあることがわかったのである。

 この細菌は、エネルギー源としての石油が豊富にあるときはそれを取り込み、石油がない環境では二酸化炭素を還元し、石油を合成してため込む。今後、遺伝子解析を進め、遺伝子操作で石油生産能力の高い新種ができれば、と考えている。

 酸素も光も必要とせず、二酸化炭素と水素を利用する生物が、進化のなかでどのような位置づけになるのか興味深い。だがそれ以上に、これからの人類にとっても、環境問題にとどまらない大きな可能性を秘めている。

 地球上でこそHD-1の性質は奇妙にうつるが、それは地球の大気には生物が40億年かかって蓄えた酸素が20.9%もあるからである。宇宙では二酸化炭素や水素のほうが一般的なのだ。

 火星の大気は95.3%が二酸化炭素であるのに対し、酸素はわずか0.3%。木星は水素が89%で、酸素はほとんどない。人類が宇宙に進出する上で、この細菌は重要なパートナーとなる資質をもっている。 (いまなか・ただゆき/大阪大学工学部応用生物工学科教授)

 水素細菌

 水素細菌(Hydrogen-oxidizing bacteria)とは、遊離の水素を酸化し、その反応によって生じるエネルギーを利用して、炭酸同化を行う化学合成細菌の総称である。水素を生成する微生物(水素生産菌)と区別して水素酸化細菌、あるいはドイツ語で酸水素ガスを意味するKnallgasにちなんでKnallgas bacteriaとも呼ばれる。

 土壌や海洋などの自然環境中に存在する。Alcaligenes属やPseudomonas属、Bacillus属、あるいは好熱性のHydrogenobacter属など、多様な分類群に属する細菌が含まれる。

 環境問題の根本的解決には、化石燃料から太陽などの 再生可能でクリーンなエネルギーへの移行が必要である。太陽エネルギーはエネルギー密度が低く使い難い ことが欠点であった。光合成細菌を用いた水素生産は、 太陽光を利用可能なこと、基質に未利用資源である有 機性廃水やバイオマスなどを利用可能なことから、環境浄化とクリーンエネルギー生産を同時に行うシステ ムの構築が可能である。

 バイオテクノロジーを用いた 水素生産技術は、炭酸ガスの排出を低減させるために も有用であり、この種の水素生産技術の開発が求めら れている。

 水素生産菌

 水素生産菌は決して特殊な菌ではなく、普遍的に存在していると考えられる。土壌やシロアリなどの体内にいる。嫌気性の細菌とされる。

 単体の菌株の分離には閉鎖された環境下で培養して純粋な培養になるまで継代を繰り返す。純粋な培養になった菌株からDNAを抽出して、ヒドロゲナーゼを作る遺伝子の有無を調べる。

 近年では遺伝子組み換えにより、適した形質を発現させる。しかし、遺伝子組換え体は20リットル以内に制限されている。一方、突然変異体であればこのような培養容量の制限は無い。

 発酵条件で鍵となるのはメタン生成菌など、他菌種の活動を抑え、水素生産菌に適したpH値、温度等の培養条件を維持することにある。

 一般的に下水消化汚泥を水素発酵の種菌として用いる場合には生成した水素は速やかに水素資化性のメタン生成菌によって消費されることから水素回収は困難であるといわれ、このような水素資化菌の活動を抑制する方法として熱処理や酸処理などの改質法による水素資化性メタン生成菌の死滅が有効であるとの知見があるが、未改質の下水消化汚泥を用いて水素発酵を行っても発酵槽内のpH値を制御することによりメタン発酵反応を抑制することで水素生成汚泥として利用できるとの知見もある。

 メタン生成菌の増殖に適するpH6.8∼7.5よりも低い4.0∼6.8が水素生産菌の活動には望ましいとされる。温度条件は他の菌種が活動しにくい50℃でも活動が確認される。

参考 マイナビニュース: https://news.mynavi.jp/article/20190530-833820/

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アンモニアを「エネルギーキャリア」に!NH3から手軽に電気を取り出す手法を開発!

2019年08月30日 | サイエンスジャーナル

 資源小国日本の次世代エネルギー源

 資源小国の日本として、エネルギーの多様化による安定供給と同時に大幅な温暖化対策として低炭素化を進めていく必要がある中で、燃料電池として利用されている、水素エネルギーの役割に対する期待が高まってきている。

 水素の利点は、電気を使って水から取り出すことができるのはもちろん、石油や天然ガスなどの化石燃料、メタノールやエタノール、下水汚泥、廃プラスチックなど、さまざまな資源からつくることができる。また、製鉄所や化学工場などでも、プロセスの中で副次的に水素が発生する。燃やしても水ができるだけで環境に優しい...などがある。

 しかし、水素の本格的な利用に向けてはまだまだ技術的、コスト的なハードルは高く、現在国が主導して、産官学が連携したオールジャパン体制で、水素利用、水素関連産業の分野で世界をリードし、日本のエネルギー環境問題に大きく貢献することができるように研究が続けられている。

 課題となるのは、水素エネルギーの安全な貯蔵・運搬である。「エネルギーキャリア」とは、気体のままでは貯蔵や長距離の 輸送の効率が低い水素を、液体にしたり水素化合物にして効率的に貯蔵・運搬する方法であり、このエネルギーキャリアとして3つのキャリア(液化水素、有機ハイドライド、アンモニア)による輸送、貯蔵そして水素の利用が考えられている。

 今回、東京大学(東大)および東邦大学の研究チームは、ルテニウム錯体を触媒として、酸化剤と塩基を組み合わせた反応系を用いることで、室温でアンモニアから窒素分子と電子とプロトンを同時に得ることが可能な手法が開発された。

 アンモニアから手軽に電気を取り出す手法を開発

 再生可能エネルギーの活用が世界的に期待されているが、得られたエネルギーをどのように貯蔵、運搬するか、といった課題があり、低圧で液化できる取り扱いの容易さ、高いエネルギー密度、利用した際に二酸化炭素を排出しないという特徴を持つアンモニアを水素のキャリア(エネルギーキャリア)として活用できないかという研究開発が進められている。今回の成果もその1つで、アンモニアに蓄えられた化学エネルギーを取り出すプロセスの開発を目的に行われた。

 今回の研究にあたって研究グループは光合成の反応を踏まえ、その中から、光合成を進行させる物質としてルテニウム錯体が報告されていることに着目し、光合成のモデル反応系を用いて、水の代わりにアンモニアを用いた場合は、どのような反応になるのかについての実験を行った。

 実験系としては、アンモニアを窒素分子と電子とプロトンに分離させるために、電子受容体として酸化剤、プロトン受容体として塩基を、触媒としてルテニウム錯体をそれぞれ採用。それらを有機溶媒(アセトニトリル)にいれ、室温(25℃)での反応を観察した結果、アンモニアから窒素ガスが発生したことを確認したという。また、反応は-40℃ても反応を確認。反応条件下では、触媒あたり12当量、酸化剤あたり収率80%という結果を得たとする。

 また、電気化学的酸化反応条件下においてもアンモニアの触媒的な酸化反応が進行することも判明。応答電流を測定する手法であるサイクリックボルタンメトリー条件下にて触媒電流が観測され、1秒間に触媒1分子当たり2.8分子の窒素分子が発生する反応であることが確認できたほか、アンモニウム塩の代わりにアンモニアを直接用いた反応系においても同様の触媒反応が進行することを確認したという。

 アンモニアを使った燃料電池・コジェネレーション

 研究グループによると、今回の成果は、アンモニアが窒素分子と電子とプロトンへと変換することが可能であることを示すもので、アンモニアから室温で直接エネルギーを簡単に取り出す反応という新たなプロセスであり、アンモニアを用いた燃料電池に応用できる可能性が示されたと説明している。

 すでに研究グループは2019年4月に窒素と水からアンモニアを合成する手法を発表しているが、今回の成果は、その逆となるもので、これらを組み合わせることで、窒素と水でアンモニアを合成し、それを貯蔵タンクなどに保管し、必要なときにアンモニアから電気エネルギーとして取り出す、というコジェネレーション的(エネルギー効率を高める方法)な使い方の実現が期待できるようになる。

 しかし、その実現のためには、アンモニアの腐食性が水素よりも高いことから、アノード側の電極などが腐食してしまうなどの課題があり、反応性の制御を厳密に行う技術の開発などが必要になるとしており、引き続き、研究を継続していくとしている。

 注目されるエネルギーキャリア

 アンモニア(NH3)が水素エネルギーの貯蔵、輸送媒体(エネルギーキャリア)として世界で注目され始めている。内閣府が2014年度に創設した日本の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)にり産学官の力を結集して、「エネルギーキャリア」の開発に取り組んでいる。アンモニアはそのうちの1つである。

 日本は現在、その一次エネルギー供給の93%を化石燃料に依存している。一次エネルギーの中で、CO2を排出しないエネルギーは原子力と再生可能エネルギー(再エネ)だが、原子力は、今後原子力発電所(原発)の新設と建て替えが行われない場合には、2050年には発電能力が、最大でも現在の約60%(全原発が60年稼働の場合)から、最小の場合には10%(同40年)の能力にまで減少する。

 そこで2050年に向けてCO2排出の80%削減(閣議決定)を図っていくためには、再エネの大量導入が必須となる。しかし国内の再エネ資源には、量的にも質的にも限りがあるため、海外から再エネを大量に導入する必要がある。この大量輸送、貯蔵手段としてエネルギーキャリアが重要となるのだ。

 エネルギーキャリアとして液化水素、メチルシクロヘキサン(MCH)及びNH3を対象に研究を進め、数々の重要な成果を挙げつつあるが、本稿では、(水素エネルギー協会)編集部からのご要請に従い、主としてNH3に係る具体的な研究成果を記しながら、そのエネルギーキャリアとしての可能性についてご紹介したい。

 エネルギーキャリアとしてのNH3 -その概要-

 NH3は水素密度の大きな物質である。液化NH3の体積当たりの水素密度は、先に掲げた3つのエネルギーキャリアの中で最も大きい。

 そしてNH3は、常圧下で -33℃、または、常温で8.5気圧といったマイルドな条件で液化する。このNH3の液化条件は、LPGの液化条件とほぼ同じであり、NH3はLPGと同様のインフラ、技術で輸送、貯蔵することが可能である。実際、世界でNH3は、年間約1.8億トンが製造され、約1,800万トンが国際的に流通している。つまり、水素をエネルギーとして利用する際の大きな技術的課題の一つ、水素エネルギーの大量輸送、貯蔵に係る問題はNH3には存在しない。

 さらに後述するように、SIP「エネルギーキャリア」における研究開発によってNH3が直接、発電や工業炉向けの燃料として利用できる可能性が見えてきた。NH3が直接、燃料として使えれば、水素を取り出すために必要となる相当量のエネルギーと熱源が不要となるので、エネルギーキャリアとしてのNH3の大きな優位性となる。

 加えて経済性に関する調査により、NH3をキャリアとして水素エネルギーを導入した場合のCO2排出削減コストが、他の削減手段に比してかなり安価となる可能性も見えてきた。

 NH3の物性に由来する懸念事項は、その臭気と急性毒性であるが、米国EPAが5年間かけて実施した最新の毒性評価の結果によると、NH3には直接吸入や直接接触した場合の急性毒性はあるものの、発がん性等の深刻な毒性は認められていない。

 なお、NH3は空気中や水中で急速に分解するので、通常は人が直接吸入や直接接触する可能性は小さい。他方、NH3は着火温度が高く(651℃)、また爆発限界も小さい物質であるため、米国では可燃性、爆発性のある物質としては区分されていない。実際、NH3は一定の管理の下で、世界で最も多量に使用されている化学物質の一つである。

 こうしたこともあって、SIP「エネルギーキャリア」におけるNH3関連の研究開発には、発電タービン・ボイラー等の発電機器メーカーに加えて、電力・ガス会社などのエネルギーユーザー企業が、次々と参加し始めている。また、CO2フリーNH3供給チェーンの上流を構成する可能性のある海外企業からは、供給チェーン構築に向けた協力プロジェクトの実施提案等もなされ始めている。

 以下に、NH3のエネルギーキャリア利用に向けた研究開発の進展と今後の計画等を具体的に紹介していこう。

 発電、工業炉用燃料としてのNH3の可能性

 (1) 発電用ガスタービン

 NH3の直接燃焼による発電実証試験は、出力50kWのマイクロガスタービン発電機を用いて(国研)産業技術総合研究所(AIST)の福島再生可能エネルギー研究所(FREA)で行われた。灯油とNH3の混焼、メタン(CH4)とNH3の混焼、加えてNH3専焼等の試験が行われたが、いずれも所定の出力で安定的に発電することに成功した。先にも記したようにNH3は着火温度が高く火炎速度も遅いこと、分子中に窒素原子(N)を含むことから、燃焼の安定性とNH3の燃焼によるNOX(Fuel NOX) の発生が懸念されたが、安定な燃焼が維持可能であり、NOXの発生も十分に抑制できることが明らかとなった。

 NOXの発生が抑制可能となるのは、燃焼気体中に存在するNH3の還元作用であることも解明された。NH3は燃料としてもNOXの還元剤としても働くのである。NH3が還元剤として火力発電所やディーゼル・トラック排ガスの脱硝装置に吹き込まれていることを考えれば、このことは不思議なことではない。

 この成果をもとに現在、発電タービンメーカーが2017年度中に2MWのNH3/CH4の混焼(熱量ベースでNH320%混焼)発電タービンを開発し、2018年度に実証運転試験を行うことを目標に取組みを進めている。

 (2) 微粉炭発電ボイラー

 CO2フリー燃料としてのNH3の可能性が見えてきたことによって、電力会社主導による新たな取り組みも始まった。NH3を微粉炭発電ボイラー用燃料として用いる試みである。これが出来れば、発電コストが安価な既存の石炭火力発電所の有力なCO2排出削減手段となる。

 こうしたねらいでまず、(一財)電力中央研究所においてシングルバーナー微粉炭ボイラー実験炉(760kW)を用いたNH3の20%混焼実験が行われた。その結果、NH3の注入条件の調整により、NOXの排出を石炭専焼時と同レベルで抑えながら、CO2の排出を20%削減できることが確認された。この成果を受け、電力会社とボイラーメーカーが協力して、電力会社が実際に商用発電で使用している微粉炭発電ボイラーで、2017年夏にNH3混焼実証実験を行うほか、既存石炭火力発電所の大型微粉炭発電ボイラーでNH3混焼を行うための改造試設計を行う予定である。

 (3) NH3燃料電池

 分散電源におけるNH3の燃料利用でも成果が上がっている。固体酸化物形燃料電池(SOFC)の燃料としてNH3を用いた場合、純水素と同等レベルの発電特性(255Wの直流発電で効率53%)が得られることが確認されている。NH3は常圧、500℃以上の環境下では分解して水素と窒素(N2)に分解するので、動作温度が700~1,000℃のSOFCではNH3を直接、供給することで水素に代えることができるという着想が実証されたことになる。今後は、燃料電池システム機器メーカーが1kW程度のSOFCシステムを実際に製作し、実証試験を行う予定である。NH3は輸送、貯蔵が容易なので、NH3の利用によって、分散型発電のメリットがより生かせることになろう。

(4) 工業炉におけるNH3利用

 燃料としてNH3を利用する研究は、工業炉分野でも進められている。この分野での課題は、NOXの発生の抑制に加えて、火炎からの輻射伝熱を強化することであった。分子中に炭素(C)を含まないNH3の燃焼では、ススの燃焼による輻射伝熱効果が得られないからである。

 これまでに10kWモデル燃焼炉を用いた研究でNH3専焼、CH4-NH330%混焼の両ケースにおいて、酸素富化燃焼による火炎輻射の強化と火炎温度を均一化するための多段燃焼の組み合わせにより、これらの課題の克服に成功した。今後は、工業炉の実用規模である100kWスケールのモデル燃焼炉を用いた実証を行う予定である。

 このほか、セメントキルン、鋼板の圧延工程で用いられる脱脂炉でもCH4-NH3混焼利用研究を行っている。

 水素ST向けエネルギーキャリアとしてのNH3

 水素ステーション(ST)向けには、高圧水素、液化水素による供給チェーンが既に実用化されている。さらに物性的には、NH3とMCHをエネルギーキャリアとして用いる場合には、脱水素反応により水素をとりだす際に所要の熱源とエネルギーが必要になるというハンデがある。

 それにもかかわらず、MCH、NH3ともに体積水素密度が大きく、輸送、貯蔵が容易なことから、今後の燃料電池自動車(FCV)の普及動向で変化するSTの立地数、場所、水素の必要輸送量、輸送距離、さらには水素供給ソース次第では、MCH、NH3もコスト的に見てこの分野のエネルギーキャリアの選択肢の一つになり得ると考えられている。

 こうしたことから、SIP「エネルギーキャリア」では、水素ST向けのエネルギーキャリアとしてMCH、NH3の利用に係る技術課題の解決にも取り組んでいる。

 このうち「NH3水素ST基盤技術開発」では、550℃以下でNH3を化学平衡濃度まで分解できる新触媒、水素中に残存するNH3の除去材料、FCV燃料の純度基準を満たす水素精製技術が開発された。なお、この技術の社会実装においては、NH3の急性毒性や臭気に配慮して、一般の人々がアクセスできないサテライト基地のような場所でのNH3から水素への変換を考える必要があると考えており、今後はこういったことを念頭において実証研究等を進める方針である。

参考 マイナビニュース: https://news.mynavi.jp/article/20190726-865790/ 

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発電効率が1番いい自然エネルギーはなに?

2019年08月28日 | サイエンスジャーナル

 エネルギーとエネルギー資源

 エネルギーという言葉には2つの意味が含まれる。一つは仕事をする能力のこと。もう一つはエネルギーをつくり出す資源のことである。

 仕事をする能力の方は、まず物体は高さによって位置エネルギーをもつ。運動する物体がもつ運動エネルギーはさらに回転エネルギー、振動エネルギーなどに分類される。これらを力学的エネルギーと総称する。

 熱はエネルギーの一種であって、熱エネルギーと呼ばれるが、その実体は物質を構成する微粒子の力学的エネルギーの総和である。電磁現象には電磁エネルギー、光には光エネルギー、化学物質には化学エネルギー、原子核現象では核エネルギーなどが考えられる。

 あらゆる物理変化,化学変化において,これらのエネルギーの総和が保存されることを広義のエネルギー保存則という。

 一方、エネルギーの発生源として、自然界に存在するエネルギー資源のことをエネルギーと呼ぶこともある。

 例えば太陽光は太陽光発電や太陽熱湯沸器に利用されている。また流水の運動エネルギーを水車や水力発電に利用したり、風の運動エネルギーを利用する風力発電などの例は、自然界にあるエネルギー源をそのまま利用したもので、自然エネルギーとか再生可能エネルギーなどと呼ばれている。

 最近では、石油危機などをきっかけに海洋の海流、潮汐などの利用、また地熱の利用なども盛んに研究され、一部は試験操業の段階に入ったものもある。

 一方、石炭、石油、天然ガスなどの類は、燃焼させることによってエネルギーを出すいわば間接的なエネルギー資源であり、化石燃料とも呼ばれている。物質としてのエネルギー資源といえる。

 発電効率が1番いい自然エネルギーはなに?

 一般的に電気エネルギーの変換効率は、入力したエネルギーに対して、どれだけの電力が発生したかという効率である。たとえば太陽電池の場合、太陽光のエネルギーは1kW/m2なので、1m2のパネルで200W発電すれば効率は20%ということになる。

 また、タービンを回して発電する装置の場合、タービンを回す機械的な効率と回転運動から電気エネルギーに変換させる電気的な効率を掛ける。特に自然エネルギーで問題となるのは設備利用率で、補助金と同様コストの回収に直接影響を与える。

 太陽光発電の発電効率

 一般的な太陽電池のエネルギー変換効率は、シリコン系単結晶タイプの20%が最高である。しかし化合物系のセルを多接合したものは38%のものも開発されている。ただし製作コストが高額なため現在は、人工衛星にしか使用されていない。

 この発電は、天候や時間に左右され、日本の設備利用率は12%程。県別で高いのは山梨県や長野県などの盆地で、低いのは青森県や秋田県の豪雪地帯である。またこの変換効率は、気温が高いと落ちるという特性もある。

 風力発電の発電効率

 風力発電は風速が3~5m/s以上になると発電を開始し、定格風速の8~16m/sで定格出力の発電を行う。この発電のエネルギー変換効率は、機械効率(約95%)と発電機の効率(約90%)を加味しても20~40%あり、自然エネルギーの中では比較的効率の良い発電である。

 ただし大型の風車を設置するので、自然の景観がそこなわれ、近隣住民に対して騒音や電波障害などの環境問題に発展する恐れがある。

 木質バイオマス発電の発電効率

 木質バイオマス発電は、化石火力に比較して燃焼温度が低いため発電効率は20%程度である。この発電は他の自然エネルギーと違い燃料にコストが掛かる。したがって排熱の利用が重要で、コージェネなどを行ってエネルギー効率を上げることが重要である。

 地熱発電の発電効率

 地熱発電は、地下のマグマで温められた蒸気を利用して発電を行う。自然の蒸気を利用するため蒸気の温度が比較的低く、このため発電効率も10%~20%である。しかし発電の原料となる蒸気は安定して供給されるため、設備利用率は約80%と高くなっている。

 既存の温泉施設で需要が増えてきたバイナリー発電だが、温水の熱量は小さく、また熱媒に熱交換をするため発電効率は5%前後である。

 水力発電の発電効率

 水力発電は水の落差を利用して発電するシステムである。この発電は、水の位置エネルギーを全て利用でき、エネルギーの損失となるのは水車の機械損失と発電機の損失だけ。このため総合的な発電効率は約80%と自然エネルギーの中では最も高い数値となっている。

 しかし、水を貯めるダムは、山奥など自然豊かな場所に建設されるため、環境破壊の原因になる。また長期間雨が降らないと、水の供給が不足して発電をストップしてしまう危険性がある。

参考 Loopclub:https://looop.club/editorials/detail/90?popin_recommend_link

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世界的に注目される、プラスチックのマテリアルリサイクル!「プラスチックロード」というアイデア

2019年06月28日 | サイエンスジャーナル

 なぜ、プラスチックゴミが問題なのか?

 プラスチックは軽くて丈夫で便利なものだが、環境に広がり問題になっている。しかし、プラゴミはちゃんと分別して捨てているし何が問題なのだろうか?

 日本はプラスチックの生産量で世界第3位。特に1人当たりの容器包装プラスチックごみの発生量については、世界第2位と、この問題に国際的な責任を持たなければならない立場にある。

 実際コンビニの普及もあり、国内で年間に流通するレジ袋の枚数は、推定400億枚で、一人当たり一日約一枚のペースで消費されている。また、ペットボトルの国内年間出荷は227億本に達する。

 日本では廃棄されるプラスチック(廃プラ)の有効利用率が84%と特に進んでいるとされているが、全体の57.5%は、燃焼の際にエネルギー回収をするものの燃やす「サーマルリサイクル」という処理方法に頼っている。

 重要な点は「リサイクル」という言葉の範囲だ。日本には「3R運動」という言葉があって、プラスチックそのものを減らす「Reduce」、使い捨てではなく再利用する「Reuse」、リサイクルする「Recycle」の3つをしましょう、と教育されている。

 最初の2つはわかりやすい。減らしましょう、何回も使いましょうという意味である。それでは、リサイクル、日本語訳では「再資源化」とは一体何なのか。そして日本のリサイクル率84%のリサイクルとは一体何のことなのか。

 リサイクルの方法には、プラスチックをそのまま材料として再利用する「マテリアルリサイクル」、化学原料として利用する「ケミカルリサイクル」、燃やして火力発電やセメント製造の熱源として利用する「サーマルリサイクル」の3種類がある。

 現在の主流はサーマルリサイクルであり、これはつまり、化石燃料を燃やし、CO2排出しているということなので、今後ますます深刻化する地球温暖化への対策まで含めた視点で見たときに、とても資源が有効かつ持続可能な方法で利用されているとは言えない。

 だが、マテリアルリサイクルは、ペットボトルごみがペットボトルに生まれ変わるとか、廃プラが駅ホームのベンチやバケツに生まれ変わるなど、モノからモノへと生まれ変わるものだ。多分、人が想像する「リサイクル」のイメージに一番近い。但し、このリサイクル方法だと、リサイクルする度にプラスチック分子が劣化してしまい、どんどん品質が悪くなり、使えないものになってしまう。

 そこで新技術として期待されているのがケミカルリサイクルだ。 ケミカルリサイクルは廃プラをひとまず分子に分解してからプラスチック素材に変えるので、何度でも再生できる。理想的なリサイクルのように聞こえる。しかし残念ながらこの方法は、分子に分解する工程に大掛かりな工場がいるため、資金やエネルギーが結構かかる。

 リサイクルといっても、私たちがイメージするほどうまくいっていないのが実情なのだ。

 私たちができることは何か?

 だから、私たちがすぐにできることといえば、なるべくプラスチックを使わないことと、なるべく捨てないことがあたり前だが大切なことである。

 マイバッグを持参し、レジ袋はもらわない。マイボトルを持ち歩き、プラスチックのカップを減らす。マイ箸を持ち歩き、プラスチックのスプーンやフォークを減らす。プラスチック製のストローの使用を控える。

 スーパーなどで食品を小分けにするポリ袋の使用を減らす。詰め替え用ボトルなど繰り返し使えるものを選ぶ。食品の保存はふた付き容器を使い、ラップの使用を減らす。

 買い物のときには簡易包装を頼む 海・川・山のレジャーではごみを持ち帰る。屋外で出たごみは家に持ち帰って処分する。河川敷や海岸の清掃活動に参加する。ごみは所定の場所・時間に、分別して出す。ごみのポイ捨て、不法投棄はしない。

 こうした中で、日本国内でも、企業がプラスチックのストローをやめたり、プラスチックに替わるものを開発したり、行政やボランティア団体などが海岸の清掃活動やプラスチックごみ削減運動をしたり、それぞれの立場で様々な取組を始めている。環境省では、そうした様々な取組を応援し、さらに広げていくために、「Plastics Smart(プラスチック・スマート)」キャンペーンを実施している。

 新技術でプラスチックのマテリアルリサイクル

 リサイクルの方法には、プラスチックをそのまま材料として再利用する「マテリアルリサイクル」、化学原料として利用する「ケミカルリサイクル」、燃やして火力発電やセメント製造の熱源として利用する「サーマルリサイクル」の3種類がある。現在の主流はサーマルリサイクルだが、これは燃焼時にCO2が出るという問題がある。一方、プラスチックを加工して再利用するマテリアルリサイクルなら、CO2の発生はより少なくなる。

 廃プラスチックを8mm程度に粉砕したフレークは、再度ペットボトルとして活用されたり、食品用トレイやラベル、カード、文房具、衣類、その他ボトルや容器と幅広くリサイクルされてきた。しかし、これらの方法では再生利用するたびに劣化する問題がある。もっと有効なマテリアルリサイクルの方法はないだろうか。

 その一つとして最近、世界的に注目されているのが廃プラスチックを道路舗装材に活用するリサイクルがある。アスファルト舗装の路面は、正確にはアスファルトに骨材を混ぜた「アスファルト混合物」が敷かれている。骨材には砕いたアスファルト、砂利、砂、石灰が使われることが多いが、その代わりに細かく破砕した廃プラスチックを使うことも可能。世界のどこでも道路は基本的な公共インフラなので、売り先(市場)としては申し分のない規模を持っている。

 現在この分野で世界をリードするのはヨーロッパで、英国スコットランドのMacRebur社は廃プラスチックを破砕してアスファルトの「骨材」として利用する技術を開発した。同社によるとプラスチック混合アスファルトは従来のアスファルトより軽いが、耐久性が増して6倍長持ちするという。2016年から英国をはじめトルコ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどへ導入の動きがひろがっている。

 なお、オランダのVolker Wessels社は2015年、廃プラスチックを「レゴ」のような箱状のブロックに加工して道路に敷き詰める別の方法の「PlasticRoad」を発表した。これは従来のアスファルト舗装に比べて約3倍の耐久性があるという。ロッテルダム市が自転車専用道路で導入を計画している。

 インド、タイ、インドネシアでは国内企業が独自に技術開発を進めており、政府のバックアップを受けて実際に国内で施工している。インドはプラスチック混合アスファルトの道路延長がすでに10万キロを超え、南部カルナタカ州政府は、道路舗装でプラスチックをアスファルトと混ぜて使用するよう義務化した。ガーナ政府は同国のNELPLAST社が開発した廃プラスチックを砂と混ぜブロックに加工し道路に敷く方法を普及させて、リサイクル率70%達成を目指している。

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鎌倉のシロナガスクジラ漂着の原因は?今、世界で起きている「海洋プラスチック」の問題

2019年06月25日 | サイエンスジャーナル

 漂着したシロナガスクジラの原因は?

 2018年8月5日、鎌倉の由比ガ浜に漂着したのはシロナガスクジラだった。シロナガスクジラは体長は30メートルにもなる、地球上で最大の動物であるが、漂着したのは子どもで体長は10メートルほどであった。国内の海岸に漂着したのは初めてのことだった。

 それほど貴重なクジラが漂着した理由は何だろう?その後、クジラは国立科学博物館が調査のため引き取られくわしく調査された。

 その結果、胃の中からプラスチックごみが発見された。3センチ四方ほどに折りたたまれたプラスチックで、赤ちゃんは生後3ヶ月から半年ほどと見られ、まだ母乳以外は飲んでいない時期であることから、餌と間違えて飲み込んだのではなく、泳いでいる間に誤って飲み込んだと見られる。それだけ海にプラスチックが浮かんでいる、ということだ。

 神奈川県の研究機関が、横浜の環境系イベントで写真を展示していたので聞いてみたところ、飲み込んでいたプラ片の材質はナイロンだったとのこと。おそらく業務用で使われたナイロンフィルムの切れ端だろうという。

 かながわプラごみゼロ宣言

 神奈川県は、これを「クジラからのメッセージ」として受け止め、持続可能な社会を目指す具体的な取組として、深刻化する海洋汚染、特にマイクロプラスチック問題に取り組むことに決めた。

 プラスチック製ストローやレジ袋の利用廃止・回収などの取組を、市町村や企業、県民とともに広げていくことで、2030年までのできるだけ早期に、リサイクルされない、廃棄されるプラごみゼロを目指す。

 海岸利用者に対して、海洋汚染の原因となるプラごみの持ち帰りを呼びかけていく。「かながわプラごみゼロ宣言」を行っている。

 「SDGs」とは、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)のことで、2015年9月の国連サミットで採択された持続可能な世界を実現するための開発目標である。2030年を年限とする17のゴールと169のターゲットで構成され、地球上の誰一人として取り残さないことを誓っている。

 また「SDGs未来都市」として、本年6月、国は、全国でSDGs達成に向けた優れた取組を行う29自治体をSDGs未来都市として選定し、そのうち、特に先導的な10の取組を自治体SDGsモデル事業に選定した。神奈川県は「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」の両方に認定された。 

 今、世界で起きている「海洋プラスチック」の問題

 洋服から自動車、建設資材に至るまで、私たちの生活のあらゆる場面で利用されているといっても過言ではないプラスチック。

 手軽で耐久性に富み、安価に生産できることから、製品そのものだけでなく、ビニールや発泡スチロールなどの包装や梱包、緩衝材、ケースなどにも幅広く使われている。

 しかし、プラスチックの多くは「使い捨て」されており、利用後、きちんと処理されず、環境中に流出してしまうことも少なくない。手軽に使える分、手軽に捨てられてしまう、そうした面もあるといえる。

 そして環境中に流出したプラスチックのほとんどが最終的に行きつく場所が「海」。プラスチックごみは、河川などから海へと流れ込むためだ。

 世界中のプラゴミは1億5,000万トン

 既に世界の海に存在しているといわれるプラスチックごみは、合計で1億5,000万トン。そこへ少なくとも年間800万トン(重さにして、ジャンボジェット機5万機相当)が、新たに流入していると推定される。

 こうした大量のプラスチックごみは、既に海の生態系に甚大な影響を与えており、このままでは今後ますます悪化していくことになる。

 例えば海洋ごみの影響により、魚類、海鳥、アザラシなどの海洋哺乳動物、ウミガメを含む少なくとも約700種もの生物が傷つけられたり死んだりしている。このうち実に92%がプラスチックの影響、例えば漁網などに絡まったり、ポリ袋を餌と間違えて摂取することによるものだ。プラスチックごみの摂取率は、ウミガメで52%、海鳥の90%と推定されている。

 このようなプラスチックごみは、豊かな自然で成り立っている産業にも直接的、間接的な被害を与え、甚大な経済的損失をもたらしている。例えば、アジア太平洋地域でのプラスチックごみによる年間の損失は、観光業年間6.2億ドル、漁業・養殖業では年間3.6億ドルになると推定されている。

 一度放出されたプラスチックごみは容易には自然分解されず、多くが数百年間以上もの間、残り続ける。海洋ごみが完全に自然分解されるまでに要する年数。上記の内、アルミ缶以外は全てプラスチックが主成分の「海洋プラスチックごみ」

 注目されるマイクロプラスチック

 これらのプラスチックごみの多くは、例えば海岸での波や紫外線等の影響を受けるなどして、やがて小さなプラスチックの粒子となり、それが世界中の海中や海底に存在している。5mm以下になったプラスチックは、マイクロプラスチックと呼ばれている。

 マイクロプラスチックは、日本でも洗顔料や歯磨き粉にスクラブ剤として広く使われてきたプラスチック粒子(マイクロビーズ)や、プラスチックの原料として使用されるペレット(レジンペレット)の流出、合成ゴムでできたタイヤの摩耗やフリースなどの合成繊維の衣料の洗濯等によっても発生している。

 海洋に投棄されたプラスチックゴミはやがて微細なマイクロプラスチックとなり、食物連鎖を通じて多くの生物に取り込まれている。製造の際に化学物質が添加される場合があったり、漂流する際に化学物質が吸着したりすることで、マイクロプラスチックには有害物質が含まれていることが少なくない。そして、既に世界中の海に存在するマイクロプラスチックが海洋生態系に取り込まれ、さらにボトル入り飲料水や食塩などに含まれている可能性が指摘されている。

 マイクロプラスチックについては、人を含む生物の身体や繁殖などに、具体的にどのような影響を及ぼすのか、詳しいことはまだ明らかにされていない。しかし、本来自然界に存在しない物質が広く生物の体内に取り込まれた結果を、楽観視することはできない。

 拡大する問題とその原因 特にアジアの課題

 プラスチックの年間生産量は、過去50年で20倍に増大した。しかし、これまでにリサイクルされたのは、生産量全体のわずか9%に過ぎない。そして、前述したように、これらのプラスチックは自然界の中で、半永久的に完全に分解されることなく存在し続ける。

 これまで生産されたプラスチックの分布状況。再利用されたのは全体の9%に留まる。この問題になっている海洋プラスチックの8割以上は、陸上で発生し海に流入したもの。特に多いのが、使い捨て用が中心の「容器包装用等」。この用途に使われるプラスチックは、世界全体のプラスチック生産量の36%、世界で発生するプラスチックごみの47%を占めていると考えられる。

 世界と国内でのプラスチックの生産量と用途別の生産割合。「容器包装等」が最も多い。海で発生する海洋プラスチックは、陸上からの物と比較すれば多くない。しかしながら、やむを得ず放棄されたもしくは投棄された漁具(ALDFG: Abandoned, lost or otherwise discarded fishing gear)の多くがプラスチックでできたものであり、特に深刻な問題を引き起こしている。

 その一例が、「ゴーストネット」と呼ばれる、廃棄された漁網。例えば「流し網」などは何キロにもおよぶ長さを持つ漁網だが、主にプラスチックでできている。これら漁網が意図的であるかどうかに関わらず、一旦海に廃棄されると、やはり分解されることなく長い間海に残り続ける。そして、アザラシや海鳥、ウミガメなどに誤って絡まり、これらの動物がひどい場合には何年間も苦しんだりして命を落とす問題が、世界各地の海で頻発している。

 「海洋プラスチック」2050年の予測

 ダボス会議で知られる世界経済フォーラムは、現在、海へ流入している海洋プラスチックごみは、アジア諸国からの発生によるものが、全体の82%を占めるとしている。

 環境に負荷をかけた、持続可能とはいえない経済発展が続く限り、この海洋プラスチックの問題も、今後さらに拡大すると考えられている。同フォーラムは、2050年にはプラスチック生産量はさらに約4倍となり、「海洋プラスチックごみの量が海にいる魚を上回る」というショッキングな予測を発表している。

 さらに、プラスチックの原料となる原油の使用は、地球温暖化の主要な原因の一つ。

 プラスチックの生産拡大傾向がこのまま続くと、パリ協定の目標である「2℃未満」を達成するときに許される2050年の排出量の約15%を、プラスチックの生産および焼却時の排出が占めると試算されている。

 2050年には海洋プラスチックゴミは魚の量を上回り、消費する原油の20%がプラスチック生産に使用されると予測されている。

 日本として取り組むべきこと

 日本はプラスチックの生産量で世界第3位。特に1人当たりの容器包装プラスチックごみの発生量については、世界第2位と、この問題に国際的な責任を持たなければならない立場にある。

 実際コンビニの普及もあり、国内で年間に流通するレジ袋の枚数は、推定400億枚で、一人当たり一日約一枚のペースで消費されている。また、ペットボトルの国内年間出荷は227億本に達する。

 日本では廃棄されるプラスチック(廃プラ)の有効利用率が84%と特に進んでいるとされているが、全体の57.5%は、燃焼の際にエネルギー回収をするものの燃やす「サーマルリサイクル」という処理方法に頼っている。これはつまり、化石燃料を燃やし、CO2排出しているということなので、今後ますます深刻化する地球温暖化への対策まで含めた視点で見たときに、とても資源が有効かつ持続可能な方法で利用されているとは言えない。

 廃プラの処理状況。

 マテリアルリサイクル:廃プラを原材料としてプラスチック製品に再生

 ケミカルリサイクル:廃プラを化学的に分解するなどして、化学原料に再生

 サーマルリサイクル:廃プラを固形燃料にしたり、焼却して熱エネルギーを回収

 また、日本は年間150万トンものプラスチックくずを「資源」という位置づけで中国を中心にアジア諸国に輸出していた。しかし、世界最大の輸入国である中国がリサイクル処理に伴う環境汚染などを理由に2017年から輸入規制を始めたことで、日本のプラスチックごみの行き場がなかなか見つからないといった問題も起こっている。

 しかしプラスチックくずの海外輸出については、プラスチックごみの処理を、処理体制が整っていないアジアの途上国に実質的に押し付けることにより、アジアからの海洋プラスチックごみ流出を加速させることにつながるとして懸念する声もある。他の輸出先を探すのではなく、輸出すること自体を見直すべきではないだろうか。

 海洋プラスチックの問題は、ごみの廃棄やリサイクルの側面だけでなく、自然そのものへの影響についても深刻。日本沿岸で回収された漂着ごみは年間約3万トンから5万トンにも及ぶ。モニタリング調査によると、漂着ごみにおいて、海外から流れ着くものを含めたボトルや漁網等プラスチック類が占める割合は個数をベースにすると65.8%。また、日本近海でのマイクロプラスチックの濃度は、世界平均の27倍にも相当するという調査結果もある。

 日本の海岸に漂着したごみの量と内訳。

 漂着ごみの大半を漁具を含むプラスチック類が占めている。また、日本海側で漂着が多いのが分かる。

 海洋プラスチックの問題を解決していくうえでは、法律の整備に基づいた生産・使用削減やリサイクルシステムの改良などが重要な手立てになるが、そうした政策面での改善は、日本はまだ遅れを取っている。

 2018年6月にカナダで開催されたG7シャルルボア・サミットにて、プラスチックの製造、使用、管理及び廃棄に関して、より踏み込んで取り組むとする「G7海洋プラスチック憲章」に、日本とアメリカだけが署名しなかったことが、それを示す顕著な例となります。

 問題の解決に向けて

 プラスチックごみの問題を解決するために必要なことの基本は、いわゆる3Rです。リデュース(Reduce)=出すごみの総量を減らすこと。リユース(Reuse)=再利用すること。リサイクル(Recycle)=再生産に回すこと

 これを徹底することが、海に流入するプラスチックを減らすことにつながる。とりわけ、プラスチック生産量の多い日本の場合、重要となるのは生産・使用を「リデュース=減らすこと」。

 特に、日本でも廃プラの約半分を占める「使い捨て用が中心の容器包装等のプラスチック」(※20)を減らすことで、最も効果的なリデュース推進が可能となります。

 世界では、使い捨てプラスチックの代表格であるレジ袋の使用規制が、2018年2月の時点で45か国以上で発効、若しくは、議会承認を受けています。課税・有料化を決めた国を含めると60か国に上ります(※16)。

 日本でも神奈川県が、鎌倉市の海岸に打ち上げられたシロナガスクジラの胃の中からプラスチックごみが発見されたことをきっかけに、2030年までのできるだけ早期に、リサイクルされない、廃棄されるプラごみゼロを目指すとの「かながわプラごみゼロ宣言」を行った。

 今日本では、これら先進事例に学びながら、負の遺産ならぬ負のプラスチックごみを未来の世代にのこすことのないよう、取り組みの強化が求められている。

 海洋プラスチック問題に対するWWFジャパンの取り組み

 国際的にもその深刻さがクローズアップされる「海洋プラスチック問題」。その解決に向けて、WWFジャパンでは特に、「使い捨て用プラスチック」の使用削減を中心とした取り組みを推進していきます。

 プラスチックごみへの日本と海外の対応

 海外ではプラスチックの生産・使用自体を削減する動きが、さらに加速しつつある。例えば2018年6月にカナダで開かれたG7シャルルボワ・サミットでは、「海洋プラスチック憲章」が提示されました。

 「海洋プラスチック憲章」自体は、2030年に向けて先進国各国で海洋プラスチック問題に取り組んでいくための大枠を定めたもので、問題解決には十分な内容とは言えませんが、日本はアメリカと並び、この「憲章」への署名を見合わせました。

 その後、国内外から日本に対し、プラスチック問題へのより責任ある取組への要請が高まったこともあり、日本では2019年6月に大阪で開催予定のG20サミットに向け、世界のプラスチック対策をリードしていくことを目指して「プラスチック資源循環戦略」を策定中です。

 しかし、海外では既に45か国以上でレジ袋の使用禁止が議会承認されています。また欧州連合の下院に当たる欧州議会では、2018年10月24日に、代替可能な使い捨てプラスチック、例えばストロー、食器、綿棒、マドラー等の使用を2021年から禁止する法案を可決。

 また主要なプラスチックごみである、たばこのフィルターについても2030年までに8割削減するとしています。また、マレーシア政府は、使い捨てプラスチック削減のロードマップを発表しましたが、そこでは2030年までに使い捨てプラスチックの使用を全面的に禁止するとしています。

 このように世界ではプラスチックを減らす動きが加速しており、海洋プラスチック問題の深刻さと今後への影響、そしてプラスチックの大量生産・使用国としての日本の立場を考えるならば、日本は「憲章」の内容に合わせることでなく、その内容を十分に上回る取り組みを約束することが求められるといえる。

 日本で取り組むべきこと:使い捨て用プラスチックを中心としたリデュース(削減)

 大量のプラスチックが日常的に利用される暮らしが当たり前になっている日本は、1人当たりの容器包装等プラスチックの発生量が世界で2番目に多く、世界第3位のプラスチックの生産国として、世界の海洋プラスチックごみ問題の一因を作りだしていることは事実です。

 使用量を削減するための代替品として、バイオマスプラスチックや、生分解性プラスチック、紙などの利用への移行が考えられます。

 だだ、これらについては、本当に環境への影響がないといえるのか、また紙のように森林の破壊につながる可能性のある資源については、その持続的な利用が担保できる状態での代替品への移行が可能なのかを、慎重に検討していくべきと考えます。

 例えばヨーロッパでは、オキソプラスチックという酸化型生分解性プラスチックが、潜在的にマイクロプラスチックによる環境汚染の原因となる、非常に小さな粒子に分解されるとして、使用規制に向けた動きが進んでいます(※29)。

 海外と同様日本でも、廃棄されるプラスチックの約半分がレジ袋やペットボトルを含めた「容器包装等/コンテナ類」として使われているもの。これらの多くが使い捨てされています。

 プラスチックに代わる代替品が十分に確立されていない中で、削減余地の大きい「使い捨てプラスチック」の生産・使用を減らしていくことこそが、日本でも優先的に取り組むべき課題として重要なものであるとWWFジャパンは考えています。

 日本で取り組むべきこと:サーマルリカバリーを含む燃焼処理からの脱却

 日本では、プラスチックのリサイクル、有効利用が進んでいるとする意見が聞かれますが、実はこの中身には、焼却による「熱エネルギーとしての再利用」が多く含まれています。

 これは、「サーマルリカバリー」「サーマルリサイクル」「熱回収」といった呼称で呼ばれますが、プラスチック資源としての再利用を目指した取り組み(マテリアルリサイクル)とは根本的に異なります。

 地球温暖化が全人類の問題となっている中で、原油由来のプラスチックの燃焼処理を推進することは、今世紀後半の実質的な温室効果ガス排出ゼロを目指すパリ協定の理念、そして、2050年までの温室効果ガス排出量80%削減を目指す日本の姿勢とも明らかに矛盾するものです。

 ヨーロッパ他の先進国では、サーマルリカバリーは、リサイクルとはみなされていません。したがって、日本政府がサーマルリカバリーを推進するかのような文脈でプラスチックの資源循環戦略を進めるとした場合、国内外で受け入れられない可能性もあります。

 WWFジャパンの取り組み

 日本はこれから、海洋プラスチックごみ問題に、どのように取り組むべきなのか。WWFジャパンは、海洋プラスチックごみ問題の解決に取り組むNGOや市民団体と、「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」を結成し、今後の海洋プラスチック問題に日本としてどう取り組むべきかの議論を重ねてきました。

 そして、2018年10月29日、環境大臣向けに「減プラスチック社会提言書」を「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」による共同提言として提出。

 「減プラスチック社会提言書」は、海洋プラスチック問題の解決に向け、2030年までに日本が「減プラスチック社会」転換することを図るものです。

 その中で、使い捨てプラスチックの大幅使用削減、サーマルリカバリー(熱回収)を含むプラスチックの燃焼処理への依存からの脱却、そして、それらを促進する法的規制の導入を骨子としています。使い捨てプラスチック削減については、2018年10月に環境省が素案として示した、「2030年までの使い捨て(ワンウェイ)プラスチックの使用削減25%」を大幅に上回る「最低でも50%以上の削減」を求めています。

 減プラスチック社会提言書

 WWFジャパンで引き続き、「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」のメンバーをはじめ、国内外でこの問題に取り組む研究者、諸機関、団体、企業等と共に、問題の解決を目指した取り組みを推進していきます。

 また、サンゴ礁をはじめ、世界でも貴重な海洋生態系が残る南西諸島の島々などをフィールドに、地域の市民団体などと協力した、海岸に漂たゴミのクリーンアップなども行なってゆきます。

https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html

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