25周年の感謝会
1.もう八月になりましたが、思い出のある初夏の話をいたします。
五月の末になると、家の近くの公園に広い芝生が急に青と白い花でいっぱい咲き始めました。今年はフィンランド独立100周年の記念の年です。それに向けて、昨年の秋にクオピオの市民が何万個の球根をこの芝生に植えていたからです。青と白はフィンランドの国旗の色です。
2.この花咲く季節に、「おばあちゃんの家」という教会の小さな集会場に特別な祝会が執り行われました。この家のオープンハウス活動が25年間続いたのです。祝会の来客の内、高齢者が目立つほど多かったのです。彼らは、長年この家に足を運んでいた人たちでした。
3.雨模様だったのに人がびっしり入って、玄関に立つほどでした。
4.この活動の発起人であったアウネさんは楽しく25年の歴史を語ってくれました。彼女自身が、市立保育所の庭の隅っこに立つ空き家に目をつけて、市役所に行ってそれを教会に借りる手続きを済ませたのです。室内の改造も外壁の塗装も全部、教会のボランティアの方がしてくださいました。家具も、台所の設備も全て献品でした。
5.窓際に、美人コンテストのように座っている五人は、初代のボランティアの「おばあちゃんたち」でした。毎週五日間、後四日間「おばあちゃんの家」のドアが開いて、毎回三人の「おばあちゃん役」の婦人の方がコーヒーを準備したり、入ってくる皆さんと話し合ったりしていました。午後1時に短い祈りとか賛美の時間がありました。随時他の催し物もありました。私も五年間毎週一回聖書の学びの時間を担当する機会が与えられたことに感謝しています。
6.教会の主任牧師のランナンカリ先生が感謝の言葉を述べてから、「おばあちゃんの家」の活動がこれで終了される理由について説明しました。初代からのスタッフが高齢化して、天に召された方も多いし、新しい方を見つけるのは困難です。またこの建物は保護されているので、クオピオ市がそれを貸してくれることも困難になりました。しかし、新しい伝道の形を探し求めて祈っていますと。
7.教会側の担当者であったリーサ牧師は今回来賓の席に座り、長年の苦労に感謝としてみんなで作ったパッチワークのかけ布団を贈られました。ゆっくり休んで疲れを癒すためでした。
8.コーヒーとケーキをいただいて祝会が終わりました。
9.一個ずつの小さな球根が咲きだすと、大きな花畑になります。25年間も「おばあさんの家」で蒔かれた一つ一つの小さな愛と喜びの種が、この町の多くの人に神様の祝福を与えたと信じています。