らんすぴらしよぉん(l'inspiration) 

田窪与思子のインスピレーション
(L'inspiration de Yoshiko Takubo)

見る。

2018-10-31 | ポエム

花を見ると、花が彼女を見る。きれいでしょ。

川を覗くと、川面が彼女を見る。渡るのよ。

夜空を見上げると、星が彼女を見る。大丈夫。

 

老犬の視線・・・・・・

家にいると、いつも見られている。

動くとついて来る、godのようなdog。

 

街の防犯カメラを見ると、

レンズの視線を感じる。

見ると見られる、『1984』。

 

画面を変えても現れる、広告。

GPSは位置をも把握する。

あゝ、スマートフォンの監視。

 

デパートに行くと、

視線を感じた靴や鞄が、

買って、買って、と囁く。

 

子どもを見ると、

子どもが彼女を凝視する。

現では意識を向けた対象しか見えない。

 

見るものと一体になった時、彼女は消えるだろう。

 

 

 

 

詩集、『移動遊園地』より

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2018-10-29 | ポエム

朝。

彼女がまどろんでいると、

春が起こしに来た。

ホーホケキョ、ケキョ、ケキョ、ホーホケキョ。

 

夜。

満開の桜木の下に顕れる、

不思議なイマージュ。

日の丸模様の手ぬぐいを持つ着物姿の女に、

西洋人のコロスが忍び寄る。

 

翌日。

彼女は、花びらが舞う桜並木で、

友だちと、きれいね、を連発した。

きれいね、きれいね、

きれいね、きれいね、きれいね・・・・・・

 

数日後。

空はどんより曇り、

花びらはどんどん散り、

川面には桜色の絨毯。

彼女は、赤子が逝ったような寂しさを覚えた。

 

灰色の空には、光り輝く亀裂。

覗いているのは大天使ミカエルか。

 

 

 

詩集、『移動遊園地』より

 

 

 

 

 

 


頓死

2018-10-26 | ポエム

夕方、五時。

彼女は歩いていた。

辺りは暗い。

北国の冬は淋しく、

イースターが待ち遠しい。

 

オブジェのような商品を眺めながら、

幻想的な屋根付き商店街、「ギャルリー・サンチュベール」を抜け、

石畳を上ると、

赤いネオンサインが光るカフェがある。

「A La Mort Subite」

 

店に入ると、

戦前の芸術家たちの写真が並び、

アンティークの照明器具が黄色い光線を放つ。

彼女は、「Mort Subite」という名のビールではなく、

「Cafe russe」というミルクコーヒーを頼んだ。

 

スシ・レストランに流れていた演歌がこだまする。

脳内でこだまする。

帰国する? 定年までいる?

帰国する。

カフェの隅には毛繕いをする黒猫・・・・・・

 

彼女は東京駅に向かっていた。

溶け込みたくなるオレンジ色の夕日がビルに反射する。

東京ビルのベルギービールの店が見え、

懐かしさに心が躍った。

あゝ、頓死。

 

あれから四分の一世紀。

どこへ行こうと、帰る国がある。

そう思っていた。

けれど、難民となることも覚悟した、3・11。

ヒロシマ、ナガサキ、フクシマの核カルマ。

 

トウキョウでは、

『君の名は。』が大ヒット。

パラレルワールドが交差する町で歩き続ける、

彼女。

Now & Here・・・・・・

 

 

 

 

詩集、『移動遊園地』より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


iPad

2018-10-25 | 色々な思い

iPhoneがニッポンに上陸したときはとても欲しかったが、当時はわたしが利用している携帯電話の事業者はまだiphoneを扱っていなかったので、諦めた。

 

何年か前から、アンドロイドのスマートフォンを愛用している。

 

電話はほとんどかけないし、メールを見てネットサーフィンをするだけだから、本当はらくらくホンで十分なのだ。

 

で、電話は来春発売予定のマゼンタ色のらくらくホンにして、ネットサーフィンはipadにしようかしら、と考えていたら、携帯電話の会社が月々約200円でipadのキャンペーンをしていることを知った。

 

すぐに飛びついて、ipadをゲット。

 

けれど、使い方がよく分からない。

 

で、アップルストアで開かれている無料のプログラムに参加してきた。

 

洗練された空間で、明るくてフレンドリーなお兄さんやお姉さん講師による1時間の講習会。

 

簡単な自己紹介をし、講師も受講者もニックネームで呼び合う、スターバックス的アメリカンな雰囲気に戸惑いながらも結構楽しんだ。

 

ipadでは様々なことができるので、驚いた。

 

アップルストアで若者たちの間にいるとなぜか気分が高揚し、電話機もiphone XRにしようかしらなどと考えた。

 

けれど、もともとコンピューター・音痴なので、帰宅すると高揚の風船は萎み、電源をオフにしたまま・・・・・・やっぱりらくらくホンに変えようか、と思う。

 

2020年からは、量子コンピューターを前提とした新世代移動体通信システム、5Gが始まり、世の中はますます便利になるそうだが、わたし達はますます人体に有害な電磁波にさらされ、プライバシーもなくなるのだろう。

 

2020年ごろから、世界は劇的に変わるのだろう・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


川岸のタンゴ

2018-10-23 | ポエム

多摩川のほとりを歩いていると、

木造アパートの一室からタンゴが聞こえ、

彼女はパリに飛ぶ。

 

 

いつまでも明るい、夏の夕暮れ。

サビナの車は、セーヌの川岸を目指していた。

場所は覚えていたない。

対岸で大蔵省の工事をしていたような、あいまいな記憶。

 

セーヌ川に面した、野外劇場。

舞台の隅には、カセット・レコーダー。

小箱にはフランス・フランの紙幣が溢れ、

老若男女が集う。

 

曲が流れると、何組かのカップルが踊りだす。

男の右手は女の背中、左手の上には女の手。

頬を寄せ合う男女もいる。

束の間の恋愛、恋愛、疑似恋愛。

 

男の重心が移動すると、女のドレスが舞う。

イギリス人のサビナがターンをすると、

ベルベル人のオカーシャが支え、

人種の壁が消える。

 

彼らの中の「かれら」が合体すると、

時間が消え、

観客たちも同化する、

魅惑のタンゴ。

 

紅色の空が広がると、窓辺に明かりが灯り、

「バトームーシュ」の電球が川面で揺れる。

観光客が手を振って、

いつしか空はゴッホの青。

 

 

 

 

詩集『移動遊園地』より

 

 

 


お留守番2

2018-10-22 | 動植物

ヨシコさんは、毎日、「おちゅかいね」、と出かける。

 

「いい子だよ。帰ってきたら、ご褒美ね」、と出かける。

 

出かける時も帰った時もご馳走をくれるからいいんだけれど、

ほんとうに「おちゅかい」なのか?

 

「4時間ぐらいしか留守にできない」と文句を言っているが、おちゅかいに2時間も3時間もかかるのか?

 

ボクは、食欲は旺盛だし元気だけれど、コルセット着用なんだよ、病気なんだよ!毎日たくさんの薬を飲んでいるんだよ!

 

お留守番ってたいくつなんだよ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


『移動遊園地』

2018-10-17 | ポエム

クレピュスキュルという言葉に魅せられる、

彼女。

思わずその言葉をつぶやいた、

茜色の空の下、

トラムには乗らず、

石畳の裏通りを歩いていると、

古びた建物に囲まれた広場に、

立体絵本のような移動遊園地が現れた。

 

トレーラーを改造した店で、

射撃や輪投げに興じる少年たち、

お菓子の店に並ぶ、

ぬいぐるみを持った少女。

空中の観覧車には、

肩を寄せ合うカップル。

回転木馬はぐるぐる回る。

ライトをチカチカさせて、ぐるぐる回る。

ぐるぐる、ぐるぐる、まるで輪廻の輪。

 

彼女にとって、

「ブリュッセル」は遊園地で、

『移動遊園地』は、

「鍵かっこ」の中の、『二重鍵かっこ』。

 

地球にはたくさんの遊園地・・・・・・

 

 

 

 

詩集『移動遊園地』より

 

(本では、クレピュスキュルには、たそがれ時、とルビがあります。)

 

 

昨年、手作り本の展覧会「THE LIBRARY」に出展させて頂いた『移動遊園地』を「ふらんす堂」さまに素敵な本にして頂きました。

 

10月17日発売です! 

 アマゾン

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 ふらんす堂

 http://furansudo.ocnk.net/phone/product/2454

 

 

 

 

 

 

 

 

 


老夫婦

2018-10-12 | ポエム

上島珈琲店で、無糖ミルクコーヒーを飲んでいると、

 

隣の席に老女が座った。

 

彼女が、大きなグラスのココアを飲み始めると、

 

老人が来て、向かいの席についた。

 

ドトールで探したよ。

 

彼女は、半分飲んだココアを差し出した。

 

はい、ちょっと甘いわ。

 

彼は、淡々とそれを飲み、

 

彼女は、微笑んだ。

 

 

 

詩集『水中花』より

 

 

 

 

先日、表参道近くの上島珈琲店に入った。

会計をする時、オニイサンに、「PRECIOUS CARD」をお持ちですか、と尋ねられた。

はい、持っています、と答えて、複雑な気持ちになった。

無糖ミルクコーヒーが50円引きになったのはうれしかったけれど、カードは60歳以上限定なのだ。

ジーンズをはいていたんだけれど・・・・・・やっぱり「誰が見ても立派なシニア!」なのだ・・・・・・

けれど、心はムスメ!・・・・・・

 

 

 

 

 

 


健忘症・・・・・・

2018-10-10 | 色々な思い

普段使う醤油さしが古くなったので、何となく、新しいのを探していた。

 

おしゃれなデザインで強化プラスチックで日本製が欲しい、と思っていた。

 

出先でちょうどよいのが見つかり、値段も手ごろだったので、それを買って帰宅。

 

きれいに洗って、なにげにシンクの下の引き出しを開けると、まったく同じものがあった・・・・・・しかも、新品・・・・・・

 

いつ買ったのだろう・・・・・・

 

 

 

先日、粗大ごみを出すために区のセンターに電話をした。

 

住所氏名電話番号を聞かれた。

 

住所氏名はすらすら答えた。(当たり前かぁ・・・・・・)

 

けれど、電話番号がでてこなくて、焦った。

 

電話口の人は、わたしを初期の痴ほう症の老女と思ったらしく、やさしい声で言った。大丈夫ですよ、あせらないでくださいね、ゆっくり思い出してくださいね。

 

えーと、あのーぅ・・・・・・なぜか以前住んでいた家や実家の電話番号を思い出す・・・・・・えーと、あのーぅ・・・・・・

 

いいんですよ、ゆっくりね、と電話口の声。

 

焦ったわたしは、とっさにハンドバッグから手帳を出して、自分の電話番号を読み上げ、電話を切って、ほっとした。

 

最近、なぜか、まだらボケ・・・・・・「今ここ」に集中しているからかしら、それとも加齢による健忘症なのかしら・・・・・・

 

2018年10月10日は水曜日です・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ボナール展

2018-10-09 | アート・映画・演劇

ナビ派に分類される、フランスの画家、ピエール・ボナール(1867-1947)の展覧会に出掛けた。

 

ポスト印象派とモダンアートの中間に位置するといわれる、ボナールは、浮世絵版画の影響を受け、「ナビ・ジャポナール」(日本かぶれのナビ、日本的なナビ」と呼ばれたそうだ。

 

1900年以後の暖色や華やかな色彩を基調にした絵は、マチスを彷彿とさせ、わたしはとても好きだ。

 

連休中に出かけたが、さほど混んでなく、ゆっくりと鑑賞できた。

 

 

 

 

 

 

 


水中花

2018-10-06 | ポエム

夜店の、裸電球に照らされる、水中花。

 

安っぽくて、哀れ。

 

けれど、魅せられる。

 

繰り返し顕れる、イマージュ。

 

プルーストも感応した、ニッポンの水中花。

 

欲しい。

 

水中花が、欲しい。

 

ニッポンの水中花が、欲しい。

 

ネットで検索し、迷いながら相模原に行った。

 

乾いた、made in Japan の水中花は、

 

木造アパートを改装した、不思議な店にあった。

 

大切に持ち帰った水中花を、

 

水の入ったグラスに入れた。

 

重石がグラスの底に沈み、

 

水の中に、

 

マゼンタ色の花と緑の葉が広がった。

 

華やかな花は、

 

オレンジ色のライトの下で、妖しい光線を放つ。

 

ミツバチは近寄れない。

 

あゝ、水中花。

 

それは、水の中に閉じ込められた、ムスメ。

 

「花咲く乙女たち」ではなく、「囚われの女」。

 

いや、羊水に保護された胎児。

 

けれど、あゝ、水中花。

 

それは、百花繚乱のニッポン。

 

Kawaii、ニッポン、水中花。

 

放射能汚染水に封じ込められた、ニッポン、水中花。

 

甦るのか、朽ち果てるのか・・・・・・

 

静かにたゆたう、ニッポン、水中花。

 

 

 

 

詩集『水中花』より。

 

 

 

 

 

なんだか、がっかりの内閣だが、希望は捨てないでおこう。

オキナワの風よ吹け!

ニッポンよ甦れ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 


時間

2018-10-03 | 色々な思い

もう10月。

 

時の経つのが早すぎる。

 


お菓子屋さんにはハロウィーンのカボチャお菓子が並び、文房具屋さんにはクリスマスカードと来年の手帳が並ぶ。

 

写真屋さんには来年の年賀状の案内。

 

そして、ホテルのロビーにはおせち料理やお正月プランのパンフレットが並ぶ。



須賀敦子さんの詩集の中に、子どもが「おかあちゃま、じかんってどこからくるの?」と尋ねる詩があるが、時間はどこからくるのだろう?

 

過去から? 未来から?



アダムとイブが暮らした楽園には時間はなかっただろう。

 

死後の世界にも時間はないだろう。


 

時間があるのは三次元の星だけ?

 

四次元や五次元の世界には時間はないのかしら・・・・・・

 


長い間生きてきて、分からないことだらけ、、、、

 

 

 

 

 

 


ありがとう!

2018-10-02 | ポエム

ありがとう! ありがとう!

 

ありがとうの、ありがとう!

 

太陽よ、月よ、ありがとう!

 

地球よ、ありがとう!

 

夜が明けて、ありがとう!

 

過去も、未来も、ありがとう!

 

毎日、毎日、ありがとう!

 

ありがとう! ありがとう!

 

ありがとうの、ありがとう!

 

この世に顕れて、ありがとう!

 

あの世に消えて、ありがとう!

 

オメメが覚めて、ありがとう!

 

見えるものも、見えないものも、ありがとう!

 

宇宙の皆さま、ありがとう!

 

神さま、

 

「わたし」は、揺れ動く全体エネルギーの一部なのですか?

 

宇宙には、「わたし」しかいないのですか?

 

 

 

詩集、『水中花』より

 

 

 

 

 


嵐の後

2018-10-01 | 色々な思い

台風の被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

 

朝、道を歩いていたら、塀が壊れてたり木が折れていたりして、改めて昨夜の風の強さを思った。

 

幸い、我が家の狭いベランダにひしめく植木鉢は全部無事だった。

 

いつものように、台風が過ぎ去った後は晴天。

 

そして、沖縄の新しい知事に玉城デニーさんが当選されて、ほんとうにうれしく思った。

 

しかも、39万票代と、歴代最得票で当選!

 

ネットで、デニーさんの軽やかなカチャーシーを見ながら、民意が反映されてほんとうに良かった、と思った。

 

悪質なデマや組織によるシメツケ・・・・・・選挙運動中ははらはらドキドキした。

 

これからも政権は露骨な嫌がらせや弱いものいじめをすると思うけれど、沖縄からニッポンが、時代が、変わっていけばいいのになあ、と思う。