らんすぴらしよぉん(l'inspiration) 

田窪与思子のインスピレーション
(L'inspiration de Yoshiko Takubo)

光の町

2017-04-28 | ポエム

どこかに光の町はないか?

 

歓喜で目覚めた子どもが、寝床から飛び出すと、

 

動物も、妖精も、見えるものも、見えないものも、

 

みな踊り出す。

 

 

小鳥が囀り、ミツバチが飛び交い、

 

蝶が舞う。

 

木々は緑の衣をまとい、花は咲き乱れ、

 

朝露が光る。

 

 

気候は温暖で、

 

肥沃な大地は、食物を産出し、

 

必要な物は、みなで創る。

 

 

大人たちも、あるがまま。

 

長も不在で、町のことは、みなで決める。

 

あゝ、愛と調和の桃源郷。

 

 

どこかに光の町はないか?

 

 

 

 

詩集、『水中花』より。

 

 

 

 

 

 

 

あっちの国でもこっちの国でも、きな臭い動きが・・・・・・

けれど、桜並木の木漏れ日の下を歩いていると、光の町にいるような錯覚を覚えた・・・・・・今日の東京は晴れていた・・・・・・

 

 

 

 

 

 


朝の小道

2017-04-25 | スケッチ

朝、川沿いの小道を散歩すると様々な人たちとすれ違う。

 

車いすの老女を散歩させる老人。

 

小学校に向かう男児。

 

何人かで楽しそうに語らう、同じ制服を着た中学生。

 

駅へ向かって急ぎ足で歩く、OLさんやサラリーマン。

 

自転車をすっとばす若者。

 

ニコニコ顔でコノセに乗った幼稚園児に話しかけながら、駅とは反対方向に向かうお父さん。

 

しばらくすると、彼は険しい表情で今度は駅に向かって自転車を飛ばしていたが・・・・・・(コノセはカラ)

 

立ち止まってメルシーに話しかける人もいる。

 

今日の東京は快晴。ひんやりした空気が心地良い、平和な朝のありがたさ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ジャック・プレヴェールの反戦歌

2017-04-22 | 本・文学

今、シャンソン「枯葉」の歌詞や映画「天井桟敷の人々」のシナリオでおなじみの、ジャック・プレヴェール(1900-1977)の評伝『思い出しておくれ、幸せだった日々を』(柏倉康夫 著)を読んでいる。

 

575ページもある分厚い本なのだが、詩人であり作家でありシナリオライターであり作詞家でもあった、プレヴェールと交友のあったアーティストたちやあの時代のことがたくさん載っていて、とても面白い。

 

今朝読んだ箇所に、ヒットラーが頭した、第二次世界大戦前にジャック・プレヴェールが書いた反戦歌「種の時節」が載っていて、あゝ、時代は繰り返されるのかしら、と思ったので、下記に引用させて頂く。

 

『予告しておく 老人たち

予告しておく 家長たち

鳩にパンをあたえるように

あなた方が息子を祖国にあたえた時節

そんな時節は二度と来ない

もう終わりだ

さくらんぼの時節はもう来ない

嘆いても無駄だ

・・・・・・

 

あなた方が話しているのは戦争のことだ

でももう僕たちに父たるフランスの一撃を食らわせられない

ノン 隊長殿

ノン ムッシュ何某

ノン パパ

ノン ママ

僕たちは次では降りない

それよりあなた方を先に降ろしてやる

昇降口から投げ落としてやる

・・・・・・

 

あなた方が子どもを肩車して

閲兵式から帰ってきたとき

あなた方は素面なのに酔っ払っていた

あなた方の脊髄は

はしゃいで偉ぶり

ラ・ペピニエールの兵営の前で

美しい胸甲騎兵たちが通過するとき

あなた方は飾り毛に精をだした

そして軍楽隊は

あなた方をくすぐった 頭のてっぺんから足の先まで

あなた方をくすぐった 

そして肩車していた子どもたちを

あなた方は滑り落ちるままにした、三色(トリコロール)の泥の中に

死者たちの粘土の中に

そしてあなた方の肩は曲がっていた

青春は過ぎ去る定めとばかりに

あなた方は若者を逝くにまかせた

・・・・・・

 

引き下がれ 祖父さん

引き下がれ 親爺とお袋

引き下がれ 曽祖父さん

引き下がれ おいぼれ軍人ども

引き下がれ おいぼれ司祭ども

引き下がれ 男女のおいぼれ腰巾着ども

芝居は終わった

いまや子どもたちの

見世物がはじまるのだ

 

 

 

 

もうすぐ、フランスでは大統領選挙・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 


ピカピカの一年生(2)

2017-04-20 | スケッチ

玄関の外に立ったお母さんが、心配そうな顔で、新しいランドセルを背負った男の子の後ろ姿を見ていた。

 

歩いていたピカピカの一年生は、突然振り向き、はにかんだ顔でお母さんに手を振った。

 

お母さんも手を振った。

 

てくてく歩いて行く男の子を見つめる母の眼差し・・・・・・

 

母に見せた子供のはにかみ・・・・・・二十歳になった時、彼は覚えているかな・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウルトラマン

2017-04-19 | スケッチ

久しぶりにウルトラマン商店街を歩いたら、

 

青い空の下で、ウルトラマンが飛んでいた。

 

円谷プロダクションはいまいずこ、とグーグルしたら住所は渋谷になっていた・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 


一本の鉛筆

2017-04-18 | ポエム

一本の鉛筆で、

 

絵が、描ける。

 

歌が、書ける。

 

詩も、生まれる。

 

一本の鉛筆で、

 

悲しみが、癒される。

 

愛が、伝わる。

 

魂が、自由になる。

 

一本の鉛筆があれば、

 

どこでも生きていける。

 

 

 

 

詩集、『みんな、「わたし」。』より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2017-04-16 | ポエム

電車に、乗った。

 

顔、顔、顔。

 

地下道を、歩いた。

 

顔、顔、顔。

 

エレベーターに、乗った。

 

顔、顔、顔。

 

顔には、その人の「今」が、顕れる。

 

表情には、本性。

 

「わたし」は、分かりやすい。

 

 

 

詩集、『みんな、「わたし」。』より

 

 

 

 

 

久しぶりの美容院で、自分の顔を見て、ぎょっとした・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ピカピカの一年生

2017-04-11 | スケッチ

バスの窓から、ピカピカの一年生が見えた。

 

私立の小学校の制服を着た、可愛らしい女の子がさっそうと歩いていて、思わず微笑んだ。

 

けれど、後には、真珠のネックレスをし、デパートで見かける入学式ファッションに身を包んだ若いママ。

 

その後から、疲れた顔のパパがスマホを見ながら付いて行く・・・・・・パパは仕事を休んだのかしら・・・・・・

 

何となく、これから世界が大きく変わりそうな気がする今日この頃。今までの価値観のシアワセごっこはちょっと大変かも、と思ってしまった・・・・・・

 

今日の東京は雨で、桜の花が散っていく・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


犬との対話

2017-04-10 | 動植物

メルシーがやって来て、約1か月。

 

わたしが家にいるときは、たいていわたしの傍でうずくまっているか、寝ていて、近所の犬が鳴いても呼応しない。

 

朝と夕方に散歩に連れていくので、家の中では、おしっこシート以外でのオソソをしない。

 

靴やスリッパをかじることもないし、飛び上がれば取れるところにある紙や本にも無関心。

 

出かける前に「おちゅかい」ご褒美をやっておくと、部屋は出かける前と同じ状態。(たぶん寝ているのだろう)

 

ただし、異常な食いしん坊なのだ。

 

ドッグフード一粒で、おしっこシートの真ん中におしっこをするようになったし、お座りわりやお手もマスターした。

 

「おちゅかい」ご褒美が楽しみなのか、わたしが出かけるしたくを始めるとまとわりついてクルクルまわる。

 

わたしが食事を取る時は、自分の食事をテーブルにセッティングしてからメルシーの支度をするのだが、飛び上がったりクルクル回ったりと大騒ぎ。(とても12歳とは思えない)

 

わたしは、メルシーにエサを与えてから食事を取るのだが、メルシーは飲み込むようにガツガツ食べ、すぐに傍にやってくる。

 

わたしは、仕方なく、老母がしていたように、これでオシマシ、とドッグフードを2、3粒与えて食事を続ける。

 

が、人間様の方がご馳走に見えるのか、脚でわたしの膝をひっかいてねだる。

 

無視をして食べ続けていると、吠え出す。わんわん、わんわん。

 

で、先日、わたしは食べるのを止め、お皿をシンクの傍まで持ってきて、延々と説教を始めた。「あのね、よしこさんは、メルシーを散歩に連れて行って、おしっこシートを変え、きれいに掃除をし、ブラッシングをし、メルシーのエサの用意もする。わたしが食べる前にメルシーは食べる。それでも、わたしが食べていると、わんわん、吠えるわけ?なんだか、不公平だよね?」

 

メルシーは困った顔で、延々と続くわたしの理不尽な戯言を聞いていた。

 

だが、不思議なことに、翌日から、最後の2、3粒をもらうと吠えなくなったのだ。

 

落ち着かない風情でうろうろするものの、テーブルの傍の座布団に落ち着く・・・・・・

 

犬も話せば分かる・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


桜花

2017-04-07 | スケッチ

桜の花に見とれていたら、メルシーがウンチをした。

 

風が吹くと、早くも花びらがひらひら舞い落ちる。

 

『散る桜 残る桜も 散る桜』・・・・・・

 

21世紀になって、教育勅語が話題になるなんて・・・・・・おどろき桃の木山椒の木・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 


窓を開け放つ。

2017-04-06 | ポエム

春の気配を感じるから、窓を開け放つ。

 

鳥が歌うから、窓を開け放つ。

 

子供の笑い声が聞こえるから、窓を開け放つ。

 

窓を開け放つと、雑音が聞こえる。

 

それでも窓を開け放つ。

 

今年も咲いたよ、桜花。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


内は、外。

2017-04-05 | ポエム

わたしは、その時の「わたし」に、出会う。

 

内側が、ぐちゃぐちゃなら、外側も、ぐちゃぐちゃ。

 

内は、外。外は、内。

 

内に鬼がいれば、外にも鬼の、鬼は外。

 

今日、出会うのは、どんなわたし?

 

 

 

 

詩集、『みんな、「わたし」。』より

 

 

 

 

今朝、メルシーと散歩に出たら、桜並木の桜が満開だった。

 

しばらく立ち止まって、あゝ、シアワセ、と思っていたら、メルシーがウンチをした・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 


無抵抗

2017-04-04 | ポエム

けんかをふっかけられても、無抵抗。

 

皮肉を言われても、無抵抗。

 

自慢話を聞かされても、無抵抗。

 

暑くても、無抵抗。

 

寒くても、無抵抗。

 

けれど、無抵抗に抵抗する、「わたし」がいる。

 

 

 

 

詩集、『みんな、「わたし」。』

 

 

 

 

 

 

桜の花はいつも無抵抗・・・・・・

 

メルシーと花見の毎日・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 


猫なで声

2017-04-02 | 動植物

老母がメルシーに猫なで声で話すのを聞いて、老犬に猫なで声なんて、と思っていた。

 

先日、わたしがメルシーに話している声を聞いた女友達が驚いた。ヨシコさん、声が違う・・・・・・

 

人は、圧倒的に優位にたつときは、とても優しくなれるのだろうか・・・・・・

 

それとも、邪気のないものに対しては、とても優しくなれるのだろうか・・・・・・

 

小さな生き物が、わたしの中の優しさを引き出すことの、不思議・・・・・・

 

朝の散歩で桜並木を歩いた・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


映写機

2017-04-01 | ポエム

「わたし」は、映写機。

 

スクリーンに、

 

映像を、ちっぽけなコマを、

 

「過去」と「未来」を内在した、「今」コマを、

 

映し出す。

 

68億以上の映像が、

 

無数のコマが、交差する地球。

 

イマージュは、皆、違う。

 

全て、夢。

 

全て、幻。

 

肉体が朽ちる時、

 

今生の映像を、見る。

 

早送りで、見る。

 

終わると、白い光が、現れる。

 

ジー、カチカチ・・・・・・

 

ジー、カチカチ・・・・・・

 

 

 

 

詩集、『みんな、「わたし」。』より