らんすぴらしよぉん(l'inspiration) 

田窪与思子のインスピレーション
(L'inspiration de Yoshiko Takubo)

川面

2015-10-30 | スケッチ

川沿いの小道を歩いた。

 

川面に、青い空が映っていた。

 

葉が散りかけた木々も映っていた。

 

みな、ゆらゆら揺れていた。

 

辺りの風景が実体のないもののような気がした。

 

岩波文庫の『ブッダのことば スッタニパータ』には、

 

<走っても疾過ぎることなく、また遅れることもなく、「世間における一切のものは虚妄である」と知っている修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。-蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。>と書いてあった。

 

最近のニッポンを見ていると、修行者でなくても、「世間における一切のものは虚妄である」と思うようになる・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


デジャ・ヴュ

2015-10-29 | ポエム

初めて訪れたのに、見たことがある、ような、風景。

 

初対面なのに、会ったことがある、ような、人。

 

初体験なのに、かつて経験した、ような、体験。

 

デジャ・ヴュ。

 

既視感の、不思議。

 

何度も、何度も、転生した魂の記憶なのか。

 

ご先祖さまからのDNAの記憶なのか。

 

垣間見たパラレルワールドなのか。

 

この世は、不思議。

 

不思議、不思議、摩訶不思議な、デジャ・ヴュ。

 

 

 

 

詩集、<みんな、「わたし」。>より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


気品

2015-10-28 | 色々な思い

小説『失われた時を求めて』で、プルーストは、「気品というものは社会的地位とまったく無関係」という。

 

そのとおりだと思う。

 

泥まみれの真っ黒な池の蓮も、気高く美しい花を咲かせる。

 

「蓮は泥より出でて泥に染まらず」!

 

気品は、職業や地位と連動するのではなく、その人のスピリットと連動しているような気がする。

 

そして、気品のある人の目は澄んでいる。

 

現在の政権の閣僚たちの気品のなさ・・・・・・

 

憲法を無視し、経済至上主義で弱者を切り捨て、原発は再稼働で臨時国会も開かない・・・・・・悪しき戦前に回帰しているような錯覚を覚える。

 

ピーター・バカランさんが、No9 と書いたTシャツを着て歩いていたら、警官に呼び止められた・・・・・・

 

ニッポンはどうなっているのだろう、と心配・・・・・・相次ぐ大企業の不祥事・・・・・・

 

街で、質素な身なりだがとても気品のある凛とした女性を見かけた。まるで、女神さま。

 

闇のおじさん達が引退し、女神さま達が社会の中心になると、ニッポンは劇的に変わるような気がする。

 

今日の空も、秋晴れ。お天道様は見ているよ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2015-10-27 | ポエム

窓を開けると、

 

色々なものが、見える。

 

青い空が、見える。

 

鳥が、見える。

 

花が、見える。

 

醜いビルも、見える。

 

冷たい風も、入ってくる。

 

それでも、窓を開ける。心の窓を。

 

 

 

 

詩集、<みんな、「わたし」。>より

 

 

 

 

 

 

 

 


よかったです。

2015-10-25 | ポエム

太陽が照っていて、よかったです。

 

水が飲めて、よかったです。

 

食物があって、よかったです。

 

衣服があって、よかったです。

 

住居があって、よかったです。

 

家族や友達がいて、よかったです。

 

今、この時が平和で、よかったです。

 

人生を肯定できるようになって、よかったです。

 

よかったです、と思えるようになって、よかったです。

 

 

 

 

詩集、<みんな、「わたし」。>より

 

 

 

 

 

 

 


『隙間』  by 谷川俊太郎

2015-10-24 | 本・文学

『隙間』 by 谷川俊太郎

 

<チェーホフの短編集が

 

テラスの白木の卓上に載っている

 

そこになにやらうっすら漂っているもの

 

どうやら詩の靄らしい

 

妙な話だ

 

チェーホフは散文を書いているのに

 

 

山の麓の木立へ子どもたちが駆けて行く

 

私たちはこうして生きているのだ

 

心配事を抱えながら

 

束の間幸せになりながら

 

 

大きな物語の中に小さな物語が

 

入れ子になっているこの世  

 

その隙間に詩は忍び込む

 

日常の些事に紛れて      >

 

 

 

 

 

 

 

 

 


テレビ

2015-10-23 | スケッチ

9月頃、テレビが壊れた。

 

テレビはほとんど見ないから、もう必要ない、と思った。

 

けれど、災害の時はあった方がいいかしら、と迷いながら、量販店に行った。

 

結局、お店の人に勧められたブルーレイ内蔵型テレビを買ってしまった。

 

パソコンより大きな画面で、アマゾン・フランスで購入したDVD「美しき緑の星」が見れる、と少しうれしくなった。

 

けれど、フランスのDVDはニッポンのテレビでは見れなかった。

 

結局、たまに天気予報が気になる時だけスイッチを入れるだけ・・・・・・

 

 

緑内障で活字が読めなくなった老母の情報源は、テレビ。

 

わたしの情報源は、インターネット。

 

時折、情報格差に愕然とする。

 

 

現在のテレビには、言論の自由はない。

 

安保関連法案反対のデモに出かけて演説をしたタレントさんは、局やスポンサーから厳重注意を受けたそうだ。

 

言論の自由がなくなると、番組はつまらなくなる。

 

テレビそのものが進化しても、番組がつまらないと若い人のテレビ離れはますます進むだろう。

 

Huffpost Japanによると、テレビを見ない日が最も多いのは20代の女性だが、テレビ業界は20~24歳の女性をターゲットにしてゴールデンタイムの番組を制作しているとか。

 

テレビ離れの世代をターゲットにしてどうするのかしら・・・・・・視聴率を上げたければ、高齢者を対象にした番組を作るべきなんじゃないかしら・・・・・・

 

先日、電車の中で、何人かのおばあさん達が、最近のテレビはほんとうにつまらないわね、と話していた・・・・・・

 

ところで、外国でも放送受信料なるものがあるのかしら・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


タイプライター

2015-10-22 | 色々な思い

昔むかし、バンコクのインターナショナル・スクールに通っていたことがある。

 

宿題のレポートはタイプして提出することが多かったので、香港に出張する父に、必要なんだから、とスミス・コロナのタイプライターをねだって、買ってきてもらった。

 

分解掃除をしてインクリボンを変えれば使えるが、もうタイプライターを使うことはまずないだろう。

 

ワードプロセッサーやパーソナルコンピューターを買い替える時は、古い物は処分するか誰かに使ってもらうのだが、タイプライターは未だに捨てられない。

 

今や、立派なアンティーク。

 

タイプライターには不思議な魅力がある。

 

アンティーク・ショップやレトロなカフェでタイプライターに遭遇すると、思わず微笑んでしまう。

 

古い洋画を見ていて、作家やジャーナリストが、ポツッポツッと人差し指でタイプしているのを見ると、わくわくする。

 

思考が文章へと変換されるあのタイムラグに、心が躍る。

 

(タイピングの授業を取ったので、ブラインドタッチの早打ちはできるが、良い文章も正しい英文も書けない・・・・・・)

 

最初に就職した外資系の会社には、タイトスカートを愛用していたタイピストのお姉さんがいた。

 

早打ちの名人だったが、いつも腱鞘炎に悩まされていた。

 

タイピストという職業はいつ頃まであったのだろう・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ミレニアルズ(millennials)

2015-10-20 | 色々な思い

ニッポンでは、1990年代頃に生まれ、欲がなく淡々と生きている若者たちを「さとり世代」と呼ぶ。

 

似たような世代を、アメリカでは「ミレニアルズ」と呼んでいる。

 

「ミレニアルズ」は、おおむね2000年前後に成人した若者たちにmillennial(千年期の)を組み合わせた造語。

 

1981~2000年頃に生まれた若い人たちを指す場合もあり、アメリカの人口の約3割を占めるそうだ。

 

彼らは、持続可能な社会に興味を持ち、環境にやさしい物を好み、健康志向でもある。

 

考え方はリベラルで、異文化や人種に対する偏見は少ないが、海外旅行には興味がない。

 

家や車の所有にも興味がない。

 

新聞、テレビは見ないし、雑誌やCDは買わない。

 

インターネット、ケータイ、SNSは当たり前。

 

ただ、「ミレニアルズ」は、リーマンショックの影響も受け、大学生の7割はスチューデント・ローンを抱えたまま卒業し、失業率も高いそうだ。

 

結局、「ミレニアルズ」も「さとりの世代」も、富のほとんどを1%の超富裕層やグローバル企業に牛耳られてしまった世界の落とし子かもしれない。

 

けれど、彼らがグローバル企業の製品に背を向けると、ピラミッドが崩れ、もっとフラットな社会が出来るよかもしれない。

 

「ミレニアルズ」は、アメリカの大統領選挙にも影響を与えるだろう。

 

アメリカが変われば、ニッポンも変わる。

 

がんばれ、「ミレニアルズ」!

 

それにしても、アメリカの大統領候補の多くがTPPに反対していてまだ正式に決まっていなのに、あたかも決まったように動くニッポンの政府って不思議・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


女子会

2015-10-16 | スケッチ

何か月かに一度、昔の職場の仲良しと女子会をする。

 

今回は、キーマカレー女子会。

 

わたしがベジミートのキーマカレーとサラダなどを作り、一人がサモサやアップルパイやお菓子を持ってきて、もう一人がワインやドライフルーツを持参。

 

まず、それぞれが近況を話し、あとは本音で、親の介護のことや自分たちの老後のことや今後やりたいことなどを色々話した。

 

見栄を張る人はいないので、本音トーク炸裂。

 

大声でたくさん笑った。

 

けれど、わたしが先日安保関連法案のデモに行った、と言い、話題が政治のことになると、それぞれ考え方が違うので気まずくなった・・・・・・

 

 

昔むかし、パリでナオビとベルナールに夕食に呼ばれた時、ベルナールに、右寄りの人が来るから政治の話は絶対にしないでくれ、と言われた。

 

わかった、と政治の話はまったくせず、借りてきた猫のようにちょこんと座っていた。

 

けれど、そのうち、中道左派的のベルナール自身が政治の話をしだし、喧々諤々となってしまった・・・・・・

 

いろいろな考えの人が集う食事の時は政治はしない方がいいのかもしれない・・・・・・

 

 

けれど、それぞれの考えを認めたうえで友達でいるというのもとても良い・・・・・

 

結局、彼女たちとは夜遅くまで話し、またね、と手を振って別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2015-10-15 | ポエム

たくさんの道がある。

 

賑やかな大通り。

 

ひっそりとした小径。

 

くねくね曲がった道。

 

どの道を歩いても、

 

道草をしても、

 

さっさと歩いても、

 

ゆっくり歩いても、

 

独りで歩いても、

 

誰かと一緒でも、

 

行先は、同じ。

 

いつかたどり着く、永遠の今。

 

 

 

詩集、<みんな、「わたし」。>より

 

 

 

 

 

 

 

 

 


通り過ぎてゆく人々

2015-10-14 | スケッチ

カフェに入り、カウンター席に座った。

 

目の前はガラス張り。

 

街が、通り過ぎてゆく人々が、見えた。

 

駅を目指す人。スーパーに向かう人。パン屋さんに入る人。横断歩道で信号が変わるのを待つ老人。犬を連れた老女。スマホを見ながら歩く若者。立ち止まって友達と笑い転げる女子高校生。

 

老若男女、様々な人が行き来し、街の風景と同化していた。

 

この世では、みなどこかへ向かっていて、時折、わたしの「今ここ」が誰かの「今ここ」と交差する。

 

あちらに帰ったら、その交差点を懐かしく想うのだろうか、それとも地球での記憶はデリートされてしまうのだろうか・・・・・・

 

宇宙には「わたし」しかいないのかしら・・・・・・それとも本当の「わたし」は全体の一部なのかしら・・・・・・

 

カフェの前の桜木に、午後の陽光が射していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


新宿のキティちゃん

2015-10-13 | スケッチ

新宿駅南口に向かっていたら、たくさんのキティちゃんがいた。

 

キティちゃんやディズニーのキャラクターなどの擬人化キャラは苦手なのだが、横断歩道で立ち止まって、急いで写真を撮った。

 

そばにお巡りさんがいたけれど、何も言われなかった。

 

長い間、キティちゃんは、ニッポン女子用キャラクターだと思っていたので、パリのおしゃれなセレクトショップでキティちゃんグッズを見たときは本当に驚いた。

 

いつの間にか、キティちゃんは、ニッポンのkawaiiポップカルチャーの象徴になっていた。

 

今では、年間5万種類近くのグッズが、世界70か国以上で販売され、売り上げが4000億円になる年もあるそうだ。

 

kawaiiニッポン、やさしいニッポン、おもてなしのニッポン・・・・・・

 

けれど、最近の政府はニッポンを外国資本に売り渡すだけでなく、弱者に対して冷酷になってきているような気がする・・・・・・

 

それにしても、なぜ、キティちゃんには口がないのだろう・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


レッテル

2015-10-12 | 色々な思い

「憲法九条」を守ってほしい、と言うと、左翼! とレッテルを貼られ、

 

「君が代」は美しい、と言うと、右翼? と怪訝な顔をされる。

 

老母を病院や美容院に連れて行く、と言うと、お忙しくて大変ね、と同情され、

 

ブログを書いている、と言うと、ずいぶん暇なのね、と羨ましがられる。

 

マクロビオティックの料理が好き、と言うと、変人扱いされ、

 

もうお肉を食べない、と言うと、病気になるわよ、と脅される。

 

ジャック・デュトロンの歌声が好きだと言うと、クール! と驚かれ、

 

最近、バッハのミサ曲を聞くことがある、と言うと、どうしたの? と心配される。

 

人は、レッテルを貼って、分類するのが好き。

 

けれど、わたしには様々な顔がある。

 

カメレオンのように相手に合わせることもあれば、頑固ババアになることもある。

 

昨日と今日のわたしも違うし、少しづつではあるが進化もしている。

 

結局、レッテルとは、分類する人が自己を投影したものかもしれない・・・・・・

 

毎日、毎日、あるがまま・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


あぶり出し

2015-10-11 | ポエム

小学生のころ、あぶり出しをした。

 

ミカンの汁を筆に染み込ませ、紙に絵を描く。

 

乾くと、絵は消える。

 

けれど、火に当てると、あぶり出される。

 

 

世界中で、あぶり出しが起きている。

 

光は、すべてをあぶり出す。

 

良いことも、悪いことも、あぶり出す。

 

さあ、さあ、さあ、さあ、さーあ!

 

夜明け前の闇は、暗い。

 

 

 

 

詩集、<スケッチ>より。