らんすぴらしよぉん(l'inspiration) 

田窪与思子のインスピレーション
(L'inspiration de Yoshiko Takubo)

カラスの行水

2010-03-31 | 動植物

川沿いの桜並木を歩いた。



いつもは鴨の親子がたむろしている場所に、二羽のカラスがいた。


一羽が、水の中に、頭を突っ込んで、ジャブジャブ。



羽も突っ込んで、ジャブジャブ。ピチャピチャ。



岸に移動して、羽をパタパタ。



もう一羽も、同じことをした。



ジャブジャブ。ピチャピチャ。パタパタ。



おおー。初めて見る、カラスの行水。



カラスは、同じことを2、3度繰り返すと、羽を広げて飛び上がり、桜の木に止まった。



そして、くちばしで、体を羽をつつき、顔を木の枝にこすり付けた。




都会の片隅で、時が、止まる。


静かに流れる川の水面には、太陽光が当り、風が吹くと、きらきら輝く。



光。光。光。



藪の中から、ケキョ、ケキョ、ホー、ホケキョ、と先週より上達した、鶯の鳴き声が聞こえる。


桜の木の下のベンチでは、母と幼子が、震えながら、パンを頬張る。



空は青く、鳩が舞う。



ケキョ、ケキョ、ホー、ホケキョ。



カラスは、カアー、と鳴いて、飛び去った。


もうすぐ、桜も満開。



春が来た。ニッポンの、春が。

 

 

 

 






2010-03-30 | 色々な思い
電話で話していて、受話器から聞こえる声に、襟を正すことがある。

反対に、受話器を遠ざけてしまうこともある。

歌声ではなく、普段話す声は、その人の実体を表すのではないか。

体は、衣服で飾れる。

顔は、化粧で化ける。

が、声には、魂の進化の度合いが如実に現れるような気がする。

テレビよりも、ラジオのインタビューの方が、その人が分かることもある。

ヤクザのどすの利いた声は、恐怖感を与える。

が、神と繋がった宮司の祝詞や、悟った僧侶のお経や、無垢な子供の声は、人を癒す。

ブッダやイエスの声を、聞いてみたかった。

一体、「わたし」はどんな声を発しているのだろう。

そろそろ、声変わりをしたいなあ。

不思議なおじいさん

2010-03-28 | スケッチ

電車に、乗った。

座ると、目の前に、不思議なおじいさんがいた。

傘寿の祝いはすんだ、だろうの、お年頃。

痩せてはいるが、ステーキ、ぱくぱくの、雰囲気。

いきなカウボーイ・ハットを、被っていた。

ハットには、金銀のコインが、並んでいた。

エリザベス女王が浮き出ている、大きなコインもあった。

チェックのシャツに、趣味のよい上着。

ざっくりした、革ジャン。

裾が割れた、ジーンズ。

先の尖った、ブーツ。

膝の上には、ぱんぱんに膨らんだ、書類鞄。

下北沢に着くと、おじいさんは、しゃきっと立ち上がって、電車を降り、階段を上っていった。

帽子の下の三つ編みが、揺れていた。

周りにいた若者たちは、おとなしそうな草食系。

みんな、みんな、あるがまま。

正しい存在の仕方なんて、ない。

人が降り、人が乗る。

電車は、今日も、走る。


勘違い

2010-03-26 | ポエム
時々、彼女は、勘違いする。

「おとこの教室」という看板に顔を赤らめていたら、「おことの教室」だった。

「ひまつぶし」って、ゆっくり食べる定食だと思っていたら、「ひつまぶし」だった。

「ストライプ」を育てたい、と言ったら、「スプラウト」でしょ、と笑われ、
「スプライト」のシャツが欲しい、と言ったら、「ストライプ」でしょ、と言われた。

方向音痴で、地図も読めない。

それでも、ちゃんと、生きている。

今日も、元気で、生きている。

お天道さま、ありがとう。

カラヴァッジョ

2010-03-25 | アート・映画・演劇
昔、「カラヴァッジョ展」を、見た。

最近、再び、カラヴァッジョの絵を、見た。「洗礼者ヨハネ」。

うまいなあ。天才だなあ。

けれど、カラヴァッジョは、人を殺めている。

だからという訳ではないが、絵には、光と闇が、共にある。

芸術家は、作品で評価されるものなのか。

あるいは、作者の人格も評価されるのか。

うーーーん。分からない。

芸術も宗教も根源は同じ、と考える「わたし」の思考は、作品を、作者の人格をも含めた全体的なものとして評価したがる。

うーーーん。分からない。

人格者が描いても、下手なものは、下手。

殺人者でも、天才的な絵を描けば、死後何百年経っても評価される。

3次元の、光と闇は、表裏一体のセットなのか。

プルーストは、「作家のことは、作品のみによって知るべきだ」、と言った。

うーーーん。分からない。

ところで、「わたし」は、マチスとシャガールが、好き。


にこにこ顔

2010-03-24 | ポエム
にこにこ顔でいると、にっこりすることが、起きる。

仏頂面をしていると、しかめっ面をすることになる。

泣き顔でいると、ますます悲しくなる。

わたし達が、現実を創る。

今、この瞬間、どういう気持ちでいるか、自分で、選べる。

だから、雨が降っても、雪が降っても、にこにこ顔。にこにこ、にいーーーっ。

桜の花も、にこにこ、にいーーーっ。

制服

2010-03-22 | ポエム
悟れば悟るほど、ただの人になるというが、僧侶が、袈裟を取れば、ただの人。

軍人や警官が、制服を脱げば、ただのおじさん。

看護士やスチュワーデスが、制服を脱ぐと、ただのお姉さん。

有名校の中学生が、制服を脱げば、ただの子供。

野球選手が、ユニフォームを脱ぐと、ただの青年。

僧侶。軍人。警官。消防士。ガードマン。医師。看護士。パイロット。スチュワーデス。電車の運転手。駅員。シェフ。スポーツ選手。

制服は、職業を表す、記号。

制服を着た人は、役割を熱演し、人は、制服に、敬意を表する。

制服に、萌える人もいる。

制服は、役割を演じる為の、コスチューム。

暑い日も寒い日も、制服に、身を包む人たち。

私服でも、いいのに。

アロハシャツの警官がいても、いいのに。

けれど、今、みんなが、私服になったら、ますますコスプレが流行するかもしれない・・・

自我は、なりきったり、帰属したりするのが、大、大、大好き。

自我よ、消えろ。消えろよ、自我。

無我。無我。無我。

突風吹くと、春が来る。






墓参り

2010-03-21 | スケッチ
いつも一緒に墓参りをしていた人の、墓参りをした。

墓には居ないのに、行った。

駅の蕎麦屋には、行列。駅前には、焼き鳥や焼き団子の屋台。

郊外の公園墓地は、明るく、大勢の人で賑わっていた。

草地でピクニックをしている一族。犬も連れてきた家族。年寄り軍団。花を抱えて一人で歩く老女。

パトカーが巡回し、置き引きに注意してください、という園内放送まで聞こえた。

墓の掃除をし、花と線香を供えた。

手を合わせると、風が止み、近くの雑木林から鳥の鳴き声が聞こえてきた。

チェンジ、と叫ばなくても、この世で変わらぬものなど、何もない。

太陽の活動も、変わる。地球の生態系も、変わる。国も、変わる。組織も、変わる。人も、変わる。

おとといの「わたし」とあさっての「わたし」は、別人なのよ。

桜並木

2010-03-20 | ポエム
川沿いの小径に、桜の木が並んでいる。

冬の間は、寒々とした、枝のトンネル。

まるで、黄泉の国。

けれど、もうすぐ、エデンの園。

蕾が、ぱんぱんに膨らんでいる。

もうすぐ、開花。

唯今、準備中。

空は青く、鳥が舞う。

季節は、巡る。

人生と、同じ。

春が、先に来る人もいれば、後に来る人もいる。

春夏秋冬。夏秋冬春。秋冬春夏。冬春夏秋。

心が、いつも、穏やかな春でありますように。

春の洗濯

2010-03-16 | ポエム
春だ。

春が、やって来た。

小鳥の囀りが、工事現場の音や自動車の音と一体となって、町の音となっていた。

窓を開けて、冬物の洗濯を始めた。

毛布は、洗濯機。

セーターは、手洗い。

ごしごし。ごしごし。

オーバーは、クリーニング屋さんへ、

歩きながら、空を見上げて、命の洗濯。

ごしごし。ごしごし。

太陽光で、魂の洗濯。

ごしごし。ごしごし。

春の日は、穏やかで、インナーチャイルド、歌いだす。


老人病院

2010-03-15 | スケッチ
お見舞いに、行った。

老人ホームのような、老人病院だった。

庭の手入れは行き届き、餌箱の周りでは、小鳥たちが遊んでいた。

明るいロビーには、寄贈された壁画。

けれど、病室には、寝たきりの老人たち。

各階には、サロンがあり、動ける人たちが、思い思いの格好で寛いでいた。その日は、女性しかいなかった。

にこにこ顔でゆったり座っている、老女。歌謡番組のビデオを繰り返し見ている、老女。喫茶店を模倣したカウンターで独りごちる、老女。車椅子の、老女。周りの人の世話を焼く、老女。早く、おやつを、と叫ぶ、老女。廊下をうろうろする、老女。つじつまの合わないシュールな会話を楽しむ、老女。時々奇声を発する、老女。

老女。老女。老女。老女。老女。

脳の回線は壊れ、朽ちてゆく肉体に、残り火のように残った自我のオンパレード。

老女たちは、もはや取り繕って社会生活をする必要はない。

家族とも、離れて暮らす。

老女たちを眺めながら、かつての姿を想像した。

にこにこ顔の老女は、若い頃もにこにこしていたのではないか。

怒ってばかりいる老女は、昔も、怒ってばかりいたのではないか。

魂は、今生起きたことを全て記憶しているのだろうが、老女たちにとっては、全て、忘却の彼方。

老女たちからは、人や金銭に対する執着も消えていた。

思考も、消えている。

時間も、ない。

老女たちには、「今」しかない。

みんな、あちらへ帰還する準備をしているようだった。

甘くないクッキー

2010-03-14 | エコ&ベジタリアン
突然、甘くないクッキーが、食べたくなったので、自分で、作った。

砂糖も、バターも、生クリームも、チョコレートも入らない、クッキー。

地粉と、

その半分の量の、乾燥フルーツがふんだんに入ったシリアルを、混ぜ合わせた。

胡桃もアーモンドもなかったので、ひまわりの種を、入れた。

塩とオリーブ・オイルを、少々加えた。

豆乳を入れて、手早く混ぜた。

さくっ。さくっ。さくっ。

程よい固さになったら、オリーブ・オイルを塗ったオーブンのトレイに、落としていった。

ぽとっ。ぽとっ。ぽとっ。

形を整えて、25分焼いた。

部屋中に、クッキーの匂いが漂った。

甘くないクッキーが、出来た。

紅茶を入れて、むしゃ、むしゃ、むしゃ。

今度は、豆乳の代わりに、生姜紅茶を使ってみよう。

こういう日は、オーガニック・コットンか麻の服が、相応しい。

けれど、今日も、ユニクロで、あるがまま。

あるがままで、ふっ、ふっ、ふっ。

やさしい人

2010-03-13 | ポエム
やさしい人に、なりたい。

偉い人や金持ちではなく、やさしい人。

本当にやさしい人は、強い。

かたくなな人の心を、ほぐす。

岩をも、溶かす。

人生の岐路に立った時、やさしい人たちに、救われた。

やさしい人は、忠告なんてしない。

ただ、そっと、寄り添うだけ。

動物や植物にやさしい人は、宇宙と、繋がる。

みんながやさしくなれば、時代が、変わる。

地球を、楽園に!

マグリットの青い空

2010-03-12 | ポエム
春の太陽が、きらきら輝いていた。

坂を上ると、青空が広がっていた。

白い雲がぽっかり浮かぶ、マグリットの青い空。

風はなく、鳥が鳴く。

切り取って、記憶の引き出しに入れた。

引き出しには、無数の映像。

あちらの世界に行ったなら、みんなで、楽しく、スライド・ショー。

ああ、今日も、地球は、回ってる。

真剣と深刻

2010-03-10 | ポエム
真剣は、美しい。

何かに真剣に取り組んでいる人を見ると、応援する。

フレー。フレー。

けれど、深刻は、危険。

調和からは程遠く、悲惨で、残酷。

組織や国家が深刻になると、戦争になる。

深刻になりそうな時は、深呼吸して、真剣に、笑う。

ワッハッハ。ワッハッハ。

春よ、来い、早く、来い。