廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

OJCのビル・エヴァンス(4)

2020年12月19日 | Jazz LP (Riverside)

Bill Evans / Explorations  ( 米 OJC-037 )


OJC盤は1982年、2015年にプレス・販売されている。意外に少ない。手持ちの盤は82年もの。

A面 OJC 037 A G+ A
B面 OJC 037 B G+ A

音色の観点では、これはオリジナル盤と瓜二つな音と言っていい。

ステレオ効果は感じられず、モノラル盤の質感が漂う。ピアノの音色もモノラル盤で聴かれる音色と同じだ。
ラファロのベース音が小さい。モチアンのブラシやシンバルが、若干、音の粒子が細かくなって自然な感じになったかな、
というところで改善が見られる。

昔からこのアルバムの音は冴えないと言われてきた。おそらくはそれが原因で、4部作の中では一番成熟した大人の音楽なのに、
人気の面では常にデビーの後塵を拝してきた。そのためリマスターの効果を期待したが、どうやらこの時はあまり原音を
触らなかったらしい。触りようがない状態だったのか、それとも触る必要はないという判断だったのか、理由はよくわからない。




Bill Evans / Explorations  ( 米 Riverside RLP 351 )


このオリジナルのモノラル盤はRIAAカーヴではダメで、ffrrカーヴで聴くほうがいい。RIAAカーヴの方が繊細でいい、
という向きもあるかもしれないが、それは好みの問題としての話であって、客観的にはデッカ・カーヴで再生される音が
適正な音質だと思う。カーヴ補正後の音は音圧が上がり、音の歪みもなく、楽器の音が蘇り、音質が冴えないという印象は
払拭されるだろう。"Elsa" で、ラファロのベースが動く際にたてるギシギシという木の鳴る音がしっかりと再生される。
RIAAカーヴではここまでクリアには聴こえないのだ。


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