レナード衛藤のブログ

Facebookやインスタが多くなりましたが、書き留めておきたいことはブログですね。

脳内ツアーから戻りました

2022-06-21 19:29:24 | 22世紀に残る音

脳内ツアーから無事に戻りました。

皆さんにどう受け取られたか分からない脳内ツアーですが、私の目的は、実体験=Alive(アライブ)を呼び覚ます作業でした。

旅は好奇心がすべて。

価値観の違うことや人物と体当たりしてきたことで、今どきの身近な人間関係だけで自己肯定感に陥るようなこともなく成長してきたと思います。
 
今、世界で起きていることはしんどいけれど、これからもその姿勢は持ち続けていたいと思います。
そして、この2年半も新しい音作りをしていくための地固めになったかもと、イイ感じでとらえるようにしています。

年齢とともにスピードとパワー、反射神経が落ちている自覚はあります。
でも、その反面、いろいろな体験が整理されて「自分の音」がクリアになってきてるようにも思います。
 
photo: スイスの山にて(2013)
 
旅の記憶をリアルにたどることで新たなリズムの断片が生まれ、ライブに向けて自分をうまく乗せていくことができたかも。
そうこうしているうちに、レオクラシックス・アライブの構成が整ったので、出演メンバーに投げてみたいと思います。
 
物理的な規模感は抑えつつ、これまで以上に音のスケール感が生まれたら最高!

・・・ですが、チケットの動きが止まってしまっているので、是非、見届けて体感していただけたらと思います。
 
7/13(水)新宿ReNY
レオクラシックス・アライブ
19時開演

脳内ツアー先よりお便り#2

2022-06-13 23:24:14 | 22世紀に残る音

Hi David, Marseille 2014

イメージしても音にできないもどかしさが旅の刺激で突き動かされ、旅で新たなイメージをまた蓄えるといったことを繰り返してきたんだなと思います。

訪れた国々や街や村が、その当時の面影どころか存在すらしていないこともあります。

また、スマホを使い出した2000年以降はまだしも、それ以前の写真はそもそもなかったりします。でも、なぜかその頃の(若い頃の)方がインパクトが残っているのは、事あるごとに脳内で書き換えてきたのかな。

実体験を覚醒させる脳内ツアーは誰にも邪魔されず、いつでも創造の糧であることは確かなようです。

プリッとマルセイユより

5年振りの太鼓アンサンブル公演
Leo Classics Alive
7/13 新宿ReNY
https://leoeto.com/news/340/


脳内ツアー先からのお便り

2022-06-09 21:50:07 | 22世紀に残る音

脳内ツアー先よりお便り#1

拝啓
7/13(水)に行うレオクラシックス・アライブは太鼓アンサンブル公演なので、必然的に過去の曲と向き合っています。

それらを演奏するにしても生き生きとしたアンサンブルとしてお届けしたい。それが、タイトルの"Alive"(生きている)に込められています。

ところが、なかなか煮詰まっておりまして、SNSで連日更新していますが、それを打開するために脳内ツアーに出かけているところです。

ひとり旅が多かったこともあり、初めての町、壮大な景色に出会えた時の「生きている」という実体験は「孤独」という集中力によって強烈に刻みこまれ、血となり肉となり曲になりました。

パソコンで見るとスマホの機種変の歴史すら感じます。

Côte d'Azur 2014
コートダジュール

Leo Classics Alive
7/13 新宿ReNY
https://leoeto.com/news/340/


Dynamism2022の見どころ #3

2022-02-25 01:47:00 | Dynamism 2022

「そして、大事にしたいこと」

鼓童在籍時の1991年、私は西アフリカツアーを企画しました。

ガーナの森で月明りの下、太鼓のリズムとダンサーがひとつになった祭り(儀式)を体験したことが、私とダンスの創作の根幹となっています。そして、その儀式で叩かれていたリズムが「パンコメレン劇場」の基本ビートになっています。

その西アフリカツアーのメンバーは三人編成で鼓童三人狂(さんにんぐるい)と名付けました。Dynamism 2022の3日目に出演する金子竜太郎さん。私が初めて「音を付けたい!」と思わせてくれた素晴らしい踊り手の栗田完さん。

今回、竜太郎さんとは30年振りの共演となるのですが、それを結び付けたのは完さんでした。と言うのも、昨年夏に踊り手の完さんが亡くなられたのです。


Photo: Masayuki Sakamoto(左が金子竜太郎さん)

今回のライブでは、日本でもアフリカでもない森の情景とダイナミズムを描きたいと思っていますが、踊りの魅力を教えてくれた完さんへの感謝の気持ちがあります。

そもそも太鼓は魂を迎え、送る役割を持っていました。祭りや伝統券\だけでなく、私たちの日常にその心をもって叩いても良いのではないかと、この2年のこともあり深く感じています。

2013年から1年間、文化庁文化交流使としてヨーロッパを中心に活動していた時、実に多様な民族と多様な創作をさせてもらいましたが、公演の頭はほぼ大太鼓の奉納演奏でした。

私の1年の活動の無事と3.11の影響がまだ生々しかった日本のことを思ってお祈りしてから叩いていました。それがとてもとても自然だったのです。

もちろん、本公演も重苦しいパフォーマンスにするつもりはありませんし、逆に前向きに頑張ってるだけで私が満足するはずもありません。

間違いないことは音も肉体もイキイキしています。音の波動をダイレクトに感じていただけるライブこそ私が歩むべき道だと思います。


Photo: Masayuki Sakamoto(2組のリハを終えた時はさすがにヘロッヘロ)

リハーサルを重ねるごとに感じる目の前で起きていること。Dynamismの3日間にピークを持って行けるように日々過ごしていきたいと思います。

あと1週間!!!

https://leoeto.com/dynamism2022/



動画より左から:田所いおり、泉有香、水谷彩乃


Dynamism2022の見どころ #2

2022-02-15 13:43:00 | Dynamism 2022

演奏機会すら失われてしまったこの2年。ダンスとの創作も久しぶりです。

込み上げてくる思いは、≪今、そこに存在していること≫

3日間通じてソロライブと同じく森をテーマにしていますが、特に3月4日と5日(昼)のダンス・パフォーマンスとの「ダイナミズム」はもりもりしてます(笑)

通常、作品性に重きを置くと音楽は再現性を基に演奏することになります。

実はこのような世界になる前にダンスとのパフォーマンスをヨーロッパに持ち込んだ時、制約の多い空間やいつも通りにいかない現場を「今日の場」として楽しみながら踊ろうとダンサーに伝えたことがあります。

そのためにはどのように作っていくべきか。私はジャズのようにテーマ(決まった振付)とソロ(自由)で展開するような構成ができたらと思い続けていました。

音がダンサーの身体にダイレクトに響き、その動きを感じ取りながら演奏すること。

スコアでは表せないやり取りは演奏者にとってもスリリングですし、生演奏の魅力が格段に増します。

スコアに「ダンサーが疲れている場合はゆっくり」とか書かれてたら笑えるね(めちゃ気を遣うやん)。

私は以前からダンサーの動きを「踊るスコア」と呼んでいましたが、今回はそれをより感じられたらと思っています。

もちろん、終始即興ということではありません。

今回、初めてダンスの振付をお願いする宝満直也さんにもライブ感を大切にしたいことと、何が起きるか分からない今、生音を感じながら新しい身体言語を獲得していくようなパフォーマンスにしたいとオファーしました。

また、宝満さんは事前に振り付けを用意してスタジオ入りするのではなく、その場で少しずつダンサーを動かしながら振りを作っていきます。

そのスタイルはヨーロッパで出会った振付家やカンパニーと同じで、私も学ぶべきところが多く実に楽しいです。

宝満さんには何度もスタジオ入りしていただき、ダンサーもめちゃ大変ですけど。

さらにザ・トリオもそうですが、お客さんは私たちを囲むようにしてご覧になるので臨場感が半端ないです。

ご覧になる角度によって見え方、いや、内容が全く違うものになるかも知れません。

私達にとって鰍ッ外のない時空になると思います。

ご予約は特設サイトにてお早めに!

https://leoeto.com/dynamism2022/

5年前に同じ会場「晴れたら空に豆まいて」で行われたステージ。奥が本来のステージ。