千一夜第3章第141夜 ’18大晦日 最近の読書16

2018-12-31 17:44:29 | 読書

2018.12.31(月)


今年の締め括りは30cmマコガレイでした。

最近読んだ本。記載するのは今回で16回目、評価を付けるのも気が引けるが、最も面白く読んだものは☆5つである。

『うらおもて人生録』 色川武大著 新潮文庫 評価☆☆☆☆ ’18年11月05日読了
寸評:著者の本を初めて読んだのは大学生時代、阿佐田哲也(朝だ!徹夜だ!)のペンネームの「麻雀放浪記」である。高校からの友人であるうっちゃんに勧められて読んだと思う。当時、これほど面白く読んだ本は無かったので大感激したことを覚えている。以来、著者の本は20冊程度読んだが、今回、30年振りくらいに読んだ。劣等生が生きていく上での技術を、著者なりのセオリーとして身体に沁み込ませることが出来るように説いていく人生訓である。

『海辺のカフカ』上・下 村上春樹著 新潮文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年11月12日読了
寸評:著者の作品は読みにくいと良く言われるが、本書は読み易かった。読み始めはノーベル賞作家のイシグロ氏の文体に似ていると思い、伊坂幸太郎氏らに見られる手法と同じだとも思った。物語は15歳のカフカ少年が四国の図書館に着き、一方、猫と会話が出来る老人ナカタさんもホシノ青年に助けられながら四国へ向かう。そしてその図書館に皆が引き寄せられるように集まる。「入口の石」がキーワードだが、冥界と現世の中間に位置するリンボという場所で大きな展開を見る。中田さんと佐伯さんの死、ミステリアスで幻想的で現実離れした狂気、幻覚、自分の薄い影、近親相姦、幽霊、宇宙人?、漫画チックなど様々な感想であるが、上下巻一気に読んだ。

『安倍総理と日本を変える』 花田紀凱編 飛鳥新社 評価☆☆☆☆☆ ’18年11月14日読了
寸評:2012年首相に返り咲いた安倍だが、戦後のマスコミの主流の体制から見ると安倍総理は秩序の破壊者に見える。左翼にとって戦後の日本の憲法9条を軸とする体制は美しいものであり壊してはならなうもの。戦後レジームからの脱却、憲法改正は護憲メディアは徹底的に嫌った。1度自民党以外に政権を任せて明確に失敗したというのが大きい。現国会でも野党の体たらくを見て彼らに政権を任せようと思う者はいないし、野党もまた政権を取ろうなんて考えもしない。自分らの限られた支持者を囲い込むだけ。朝日や毎日といった左派系メディアが狂乱状態で安倍政権批判をする根本原因は野党に力が無いからである。朝日新聞などは最早捏造報道と言われても可笑しくないほどの曲解と悪意に満ちた偏向報道を繰り返す。国政選挙が結果として安倍政権を選び続けて5度に及ぶということは、国民は野党は要らないと言っているのだ。安倍総理は経済でも外交でも安全保障でも結果を出している。政権が強いリーダーシップを発揮し日本が国力を高めなければ国民の生活を守ることも、国際社会で他国に手を差し伸べることもできない。アベノミクスの成長戦略は地方が主役、人づくり革命、生産性革命は必定である。


11月中旬の朝まずめ時の徳山築港の釣り場。

『架空通貨』 池井戸潤著 講談社文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年11月16日読了
寸評:信用調査の会社を辞め私立高校の教師となっ辛島、クラスの黒澤麻紀という女生徒の親が1回目の不渡りを出す。麻紀が親の会社を救おうと田神亜鉛という会社を単身訪問しようとしていることから物語は始まる。田神亜鉛から押し付けられた7千万円の社債の期前償還が実現すれば会社は倒産を免れるからだ。田神町は町の経済を左右する事実上の田神亜鉛城下町である。先生と生徒が社債の償還交渉を行うが、そこには国際的なマネロンも介在していた。また架空通貨も流通する街でもあった。終章では城下町の崩壊、地銀の救済的合併までにも発展する。金融ミステリーだけでは括れないジャンルの小説である。

『パラドックス13』 東野東吾著 講談社文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年11月20日読了
寸評:嘗て読んだ事のないSFストーリーである。3月13日13時13分13秒にP-13現象によって生じることが予想される問題、この時間から13秒間が失われる現象である。この13秒間に数学的不連続、つまり次の瞬間にどうなっているか誰にも予測ができないものは、人間や動物などを含め13秒間が抜け落ちてしまうのだ。時間的には13秒の記憶も何もないまま時間は継続するだけである。逆に13秒間に数学的連続性を持っている者は13秒間の世界に落ち込んでしまう。つまり、人間もこの13秒の間に事故死したものは13秒間の世界に落ち込み生き返るのである。難しくて上手く説明できないが、読んだ方が早いと思う。

『看る力』 阿川佐和子・大塚宣夫共著 文春新書 評価☆☆☆ ’18年11月21日読了
寸評:父阿川弘之氏を看取り、認知症の母の世話をするなど介護経験豊富なアガワと、1万人以上のお年寄りと向き合い6千人以上の最後を看取ってきた高齢者医療の第一人者、大塚医師の対談。親、伴侶の正しい介護法、認知症対策、理想的な老後の生活術、1人暮らしのすすめ、不良長寿のすすめなど2人が語る。しかしこれらのことを本当に自分のこととして考え出したら、そういう話題に、そしてこのような本にも触れたくなくなるかも知れないなあ。負のスパイラルのような感じを受けた。読むのなら若い内の方が好ましい。


東京オリンピック・パラリンピック競技大会記念貨幣(H30年11月27日第1次発行分)100円クラッド貨幣。

『BT’63』上・下 池井戸潤著 講談社文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年11月28日読了
寸評:二重構造の小説である。主人公は大間木琢磨と父史郎。父はこの物語が始まった時点では既に亡くなっている。琢磨自身は精神の病のため失職し妻とも離婚し破滅を味わっていた。ある日、琢磨は父の遺品である運送会社の制服を発見し何気なく袖を通す。すると突如、S38年の父の勤務先の運送会社における父の意識に同化していくのである。不思議な現象に関心を持った琢磨が、幻視した風景を元に父の生きた1963年の真実を調べる形式で物語は進む。現代と過去の双方に軸足が置かれるが、重心は父史郎の生きる過去の側にある。父の知られざる過去を探るという行為に彼は魅せられていく。全体としては陰鬱な印象を与える小説だが、読み終えてみると陽の印象が残る。

『「日本封じ込め」の時代』 原田武夫著 PHP新書 評価☆☆☆☆ ’18年11月30日読了
寸評:10年前の本だが今でも十分に読める。米国の日本占領は表向きには既に過去のもの。だが、金融やメディアなどの深層部には支配の仕組みが巧妙にのこされているという。「年次改革要望書」によって、郵政民営化などの米国が望む改革が進み、それに対する批判は、思考停止の対米追従論によってかき消される。こうした構造は、戦前の日韓併合(1910~45)と重なり合うと著者は指摘する。日本は嘗て仕掛けたことを、戦後逆に仕掛けられている。日韓と日米の植民地統治のプロセスを比較、再検証し、経済利権をめぐって封じ込まれる日本の現状を明かす。

『アキラとあきら』 池井戸潤著 徳間文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年12月6日読了
寸評:金融小説であり読み応えのある本だった。小学校の頃に一度だけかすかに接した2人のアキラ、彼らの人生の30年を描いた長編小説である。1970年代から2000年代前半にかけて、つまり、オイルショックからバブル期、失われた10年、更には21世紀という時代が彬と瑛の30年の背景となっている。この小説では対等な2人を主人公に据えた2倍のけん引力を備えた小説である。2人の人生が交差する場面のインパクトは特筆に値する。それぞれの立場や視点で問題を捉え、その解決に必死になるだけに、彼らが立ち向かう問題を立体的に把握することになる。従って奮闘や解決案も立体的に浮かび上がり物語が躍動する。銀行員と経営者、目利き力、圧巻にして極上の長編小説である。

『春日局と歴史を変えた女たち』 高野澄著 祥伝社黄金文庫 評価☆☆☆ ’18年12月11日読了
寸評:女が権力を持ったらどうなるか。普通の女で無くなるのか否や、政治はどのようにやるかといった考察である。春日局・・・賢女か、悪女か、江戸城の独裁者(大奥を意のままにした女、父の磔刑におののいた少女、美女と醜女・女同士の熾烈な争い、将軍家光を掌中に)、淀君・・・太閤の威信をかけ家康に対抗した愛妾(妾となった名門・浅井氏の娘、秀吉の子を産んだただ1人の女)、日野富子・・・戦乱を陰で演出した御台所(16歳で将軍の妻の座に、マザコン足利義政とカネの亡者)、北条政子・・・尼将軍にみる武家女性の苦悩(頼朝との激しい愛が運命を変えた、夫や子供を道具に政治の才を磨く)。以上4人の女、実に人間臭い政治をやったという印象である。


12月15日(土)、笠戸大橋下の釣り場、静かで風光明媚な場所である。

『人間椅子』 江戸川乱歩著 角川ホラー文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年12月14日読了
寸評:著者の本は嘗て1冊しか読んでいない。「陰獣」(角川文庫)を昭和52年6月17日に読了しているが内容は全く覚えていない。私は気に入った著者なら間を置かず数冊は読むのだが、40年も前の当時は気に入らなかったのだと思う。しかし今回この短編集を読んで、今日の推理小説の原形がここにあったと確信した。乱歩の一文一文が現代の推理小説1冊が書けるヒント満載なのである。著者は子供向けの少年探検シリーズから大人向けの残酷・猟奇小説まで幅広いが、本作はホラー要素の強い作品群となっている。サイケ、幻魔の光景、所謂幻想文学の優れた短編集である。

『芋虫』 江戸川乱歩著 角川ホラー文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年1月17日読了
寸評:本書は前作「人間椅子」に続きホラー要素の強い短篇作品を選りすぐって収録してある。作家としての乱歩が興味を持つホラーならではの要素とは、人間の異常心理、つまりサイコ・ホラーであると言われる。作家として怪奇的嗜好と資質を有しながらも理知的嗜好、耽美的嗜好に進もうとしている。理知と怪奇の二面性こそが乱歩作品の最大の特徴であろう。それは乱歩が学生時代に、エドガー・アラン・ポーの短篇に出会い、その異様な作風に魅せられる。不可解で奇怪な事件に対してあくまでも理知的な思考を持って取り組み、論理的推理によって意外な真相を暴くという、初めて読むタイプの小説だったからと言われる。やがて乱歩は探偵小説の元祖と言われるポーに倣い、自身も日本の探偵小説の始祖となったのである。ポーの作品も大昔読んだが、また読み返してみようと思う。


12月20日(木)光市民ホールに櫻井よしこ氏の講演会に行った。期待を裏切らない講演だった。

『ノルウェーの森』(上) (下) 村上春樹著 講談社文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年12月25日読了
寸評:37歳の主人公、ワタナベ君が20歳前後の青春の忘れ得ぬ記憶を振り返る。友人キズキの彼女だった直子が、キズキの自殺によって精神に異常をきたしてしまう。キズキの死後、空白の時間があったが、1969年、精神異常をきたす前に偶然に直子と出会い、やがてデートを重ね恋人となる。しかしその後、直子は療養生活を余儀なくされ京都で療養する。一方、ワタナベは東京で普通の真面目な大学生生活を送るが、そこでは緑という女生徒との出会いも始まる。二股を掛けているようにも見えるが、この年頃の若い男性なら当然の成り行きであろう。また直子の京都の療養所にも見舞いにも行くが、そこでは直子の同室のレイコさんとの出会いもある。やがて直子は自殺を選び、音大出のレイコさんも退院して旭川へと移っていく。「死は生の対極にあるのではなく、我々の生の内に潜んでいるのだ」と気付くワタナベ、限りない喪失と再生を描いた長編である。表題のノルウェーの森はビートルズの曲だが、レイコさんのお気に入りの曲で何度もギターで聞かされたものであり、37歳の主人公がハンブルグ空港のスピーカーから偶然流れだしたこの曲で過去を振り返る。

 
「ノルウェーの森」が収録されている私の秘蔵アルバム、ビートルズの「RUBBER SOUL」オデオン・レコード盤である。

『笑えるほどたちが悪い韓国の話』 竹田恒泰著 ビジネス社 評価☆☆☆☆☆ ’18年12月27日読了
寸評:本書は著者が毎週木曜日の20時からのニコニコ動画の無料番組「竹田恒恒泰チャンネル」をもとに書き下ろされたもの。国を批判しても人を批判してはならない、このテーゼを基に話は展開する。日本は豊かな自然や人材に恵まれたが、近隣諸国にだけは恵まれなかった。今回の主題は韓国である。まずは理性が働かない民族でありどうでも良い国、無視しても良い国、積極的に付き合わなくても良い国、日本の未来に大した影響はなく関係が悪化しようが関係ない。とまあ、こんなところから始まり、朴李病(パクリ病=日本製品を徹底的に模倣、パクっても製品は欠陥だらけ)、ウリジナル病(全ての物が韓国発祥説、特に日本の物は全て、鮨や刺身などは日本書紀にも出るがその頃韓国という国は存在していないのだが・・しかも有史以来韓国は中国の属国であり、朝鮮民族を清朝から独立させた解放者は日本である)、ホラ吹き民族、ゆすりたかりの名人・反日的司法判断(反日は国是であり反日的言動は全て許され無罪、徴用工事件など戦後補償は1965年の日韓請求権並びに経済協力協定により、韓国は日本に対する一切の請求権を既に失っているのだが)などなど笑えてたちが悪い話がてんこ盛りである。安全保障でも韓国は日米安保にぶら下がっている(このことは私は知らなかった)のだが、そんなことは関係ないと言うのなら最終的には国交断絶だろうな。

2019年も宜しくお願い申し上げます。

【12月31日過去の釣行記録】
・1997年笠戸白浜、01:00~05:00、大潮、漁り=サザエ多数、タコ他
・2005年大島庄の浦港防波堤、06:45~11:00、大潮、釣果=キス2・ハゼ2・マダコ1
・2009年第2埠頭東側、14:50~16:50、大潮、釣果=ハゼ1
・2010年中電西岸壁、07:30~10:30、若潮、釣果=キス2・メゴチ1
・2011年洲鼻港防波堤、06:30~12:30、小潮、釣果=カレイ1・アイナメ2・ガンゾウビラメ1
・2012年第2埠頭東側、10:00~12:20、中潮、釣果=ボウズ

【この日の釣り情報】
・2004年第1埠頭南端西側、昼間、中潮、釣果=30cmカレイ2・25cmキス数匹
・2006年第2埠頭西側、朝方、中潮、釣果=38、40cmカレイ2
・2011年第2埠頭東側、昼間、小潮、釣果=カレイ1

【旧暦11月25日釣行記録】
・2007年01月13日、笠戸本浦港、06:30~14:20、長潮、釣果=カレイ4・ガンゾウビラメ1・キス2・ハゼ2
・2007年01月13日、華西防波堤、18:50~19:45、長潮、釣果=メバル3
・2007年01月13日、柳井国病前、06:00~10:00、長潮、釣果=カレイ1・キス5
・2008年01月03日、第2埠頭東側、15:20~17:30、長潮、釣果=カレイ2・キス3・ハゼ1・マダコ1
・2008年01月03日、大島大原、19:25~20:20、長潮、釣果=メバル3
・2008年01月03日、櫛ヶ浜港防波堤、20:50~22:30、長潮、釣果=メバル11
・2013年01月06日、第2埠頭東側、07:40~11:00、長潮、釣果=ハゼ1
・2013年01月06日、今津川河口、夕方、長潮、釣果=45cmイシガレイ1

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