千一夜第3章第94夜 最近の読書10

2018-03-14 22:16:57 | 読書

2018.3.14(金) ホワイトデー

 
光市の冠梅園である。2月下旬に訪れた時の写真であり、この時は梅はまだ蕾だった。

今日はホワイトデーだったので、私もご多分に漏れず義理チョコのお返しをした。吉行和子さんのエッセイに「香典返しは止めよう」というのがあり納得したものだが、ホワイトデーは最早行事化しているので無理だろうなあ、お菓子メーカーも黙っちゃいないだろうなあ、と面倒くさがりやのB型は思うのです。

最近読んだ本。記載するのは今回で10回目、評価を付けるのも気が引けるが、最も面白く読んだものは☆5つである。

『バイバイ、ブラックバード』 伊坂幸太郎著 双葉文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年1月29日読了
寸評:太宰治の未完にして絶筆となった「グッド・バイ」へのオマージュ作品だが、続編というのは難しいので著者なりの作品になったようだ。しかし「グッド・バイ」の影響は多分にある。主人公は五股(女性5人と同時に付き合う)の男で何らかの不始末を起こして、ある組織により<あのバス>に乗る羽目になる。ある組織からはバスに乗せるために女が派遣されるが、その女主人公はモンスター(身長190cm、体重200㎏、金髪)めいた大女、男は連れ去られるまでの2週間で5人の女たちにそれぞれ別れの挨拶をしたいといい、大女と結婚するから分かれてくれという設定で5人の女を巡る。6角関係、或いは7角関係が生み出すどろどろの愛憎の葛藤というものは全くない。著者の作品にはクスっと笑える箇所が幾つかあり、自在な境地を記す何とも痛快な作品である。

『風の中のマリア』 百田直樹著 講談社文庫 評価☆☆☆ ’18年2月6日読了
寸評:オオスズメバチの一生を描いた物語である。一生と言っても寿命は最大でも僅か30日程度だ。科学の本と言って良いくらいだ。ハチの生活を事実に忠実になぞっている。勿論ハチは考えないだろうし、まして帝国(巣)のために一生を捧げるなんて意識していないはずだ。そこが小説だろうが、最後まで読んだらオオスズメバチの一生が、現在の昆虫学で解る限りの詳細を含めて解ってしまうのである。

『銀翼のイカロス』 池井戸潤著 文春文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年2月8日読了
寸評:半沢直樹シリーズ4作目である。合併した銀行では対等合併、吸収合併、救済合併などの意識の元、常に旧○○出身という土壌が生まれ、旧出身行の勢力を増長さようとする見当違いな行動を起こすことがしばしばある。金融庁も両行の社員の心の融和に関心が高い。この物語でも倒産寸前の巨大航空会社の再建を巡って、政権交代したばかりの政府が介入してくる。500億円の債権放棄を迫られ、半沢らは抵抗するが何故か行内に賛成派もいる。銀行の方針を決定するその過程で、メガバンクの旧行が合併前に処理すべき不良融資の隠蔽が発覚、借主である大物政治家へと飛び火する。今回も痛快、天下無敵の半沢直樹だ。

『探偵ガリレオ』 東野圭吾著 文春文庫 評価☆☆☆☆ ’18年2月20日読了
寸評:警視庁の刑事草薙と同級生で大学教授の物理学者湯川が難事件を解明、解決していくミステリー短編集のシリーズ第1作。5編の短編が収録されているが単純に面白く、化学や物理学の知識も豊富になる。それぞれの短篇は十分に長編化できる作品群である。

『百年泥』 石井游佳著 新潮社 評価☆☆☆☆ ’18年2月21日読了
寸評:第158回芥川賞受賞作。文体はいとうせいこう氏の『想像ラジオ』に似ている。著者はインドのチェンナイ市に在住しており、小説の舞台も同市である。小説の主人公は同市で日本語学校の教師をしているが、100年に一度という大洪水に見舞われる。川の堤防が決壊し市内は土泥で埋まるが、泥の掃除中に泥の中からいろんな物(者)が出てくる。その出てきた物から主人公教師の生い立ちから父のこと、亡き母との想い出、継母のこと、恋愛、結婚、離婚、借金が原因で教師になったことなど回想と現実が入り混じった形式で物語は進展していく。また生徒である世界有数のIT企業の新人たちとの葛藤やカースト、貧富、(生徒の)親の職業、占星術、ヒンドゥーの厳しい習俗等によるインドの若者達の恋愛事情などが生徒を通して語られる。物語の最後で生徒の一人にナンパされるが期待通りの結末、何となく落語の落ちのようでもあり笑えた。この日に購入後、約4時間で読了した。

『「日本の神様」がよくわかる本』 戸部民夫著 PHP文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年2月23日読了
寸評:記紀好きの私としては非常に興味深い本である。日本人は神社の森や鳥居を見れば、そこに神様の存在を意識することができる。日本には八百万の神と呼ばれるようにたくさんの神様がいて、それぞれに違った個性や機能を有している。それが多神教である日本の神様の特徴であり、日本の歴史、文化、日本人の精神史といったものまでがそこに一杯に詰まっていて面白い。本書では八百万の神々の起源、系譜、性格、神格、神徳、御利益、祀られる神社までを詳述している。8章に分類し、人気の高い霊威神、創生と万物生成に関する神々、聖母と純愛の女神、山・水・海に関する神々、農耕生産に関する神々、鉱工業生産に関する神々、諸産業に関する神々、生活・文化・芸能に関する神々を紹介している。読了まで1か月を要した。日本人必読の本である。

『羊と鋼の森』 宮下奈都著 文春文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年3月6日読了
寸評:ピアノ調律師をモチーフとした小説を呼んだのは初めてである。ピアノと音への探求の奥深さに驚いた。高校卒で調律の専門学校を出た主人公、演奏もできない、クラシック音楽に造詣が深いわけでも無い。それでも彼は自分の中に多彩な音とイマージを持っている。チューニングに於いて、「ラ」の音が昔と比べると半音上がっていることなどこの小説を読んで初めて知った。つまり、赤ん坊の産声440ヘルツ(世界共通らしい)の周波数が基本だったのが、現代では444ヘルツにまで高くなっているとのこと。今後益々高くなっていく傾向にあるらしい。私もギターを手にするが、勿論5弦の開放音「ラ」の音からチューニングするがヘルツ数を気にしたことは無い。小説のタイトルの「羊と鋼の森」も羊と鋼はピアノの素材だと知る。ピアノの調律で正しい音、良い音を求めて彷徨う「森」、更には人生を生きることそのもののような深く、美しく、常に迷う危険、傷つく危険をはらんだ世界の「森」、青年の成長物語でもある。我が家のピアノが可哀そうになった。秀作だと思う。

『「古事記」75の神社と神様の物語』 由良弥生著 王様文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年3月7日読了
寸評:約7カ月掛けて熟読した。古事記の神話に沿って神様が祀ってある神社を紹介していく。神様の系譜も良く解かり、神様の性格から民間信仰として広まるまでの過程も解る。主な神事(お祭りなど)も紹介されており、勅祭(勅命(天皇の命令)によって行われる祭事)社というものが現在16社あるということは初めて知った。また神社の専門用語の解説もあり解かり易い。

『安倍官邸「権力」の正体』 大下英治著 角川新書 評価☆☆☆☆☆ ’18年3月8日再読了
寸評:この本は2017年1月に上梓された本だから1年以上前のものである。安倍総理のもと、菅官房長官、3人の官房副長官、補佐官、秘書官等が一枚岩となって職務にあたっているから強い官邸が実現していることは良く解かったが、そのことを踏まえた上で、昨今の働き方改革の挫折や森友学園への国有地売却に関する決裁文書の書き換え報道(朝日の逆襲?)などで綻びも見え隠れし、政局にもなりかねない現状をどう乗り切るのか見物である。安倍政権で憲法改正への道筋を作ったことは評価できるが、構造改革、農協改革、規制改革、また日本の根幹を揺るがす人口問題もある。これらは現政権で解決できる問題ではないと思うが、野党に政権運営能力が無い現状では何とかしなければならないだろう。

『水曜日の朝、午前三時』 蓮見圭一著 新潮文庫 評価☆☆☆☆ ’18年3月12日読了
寸評:最近は著書名で本を選ぶことが多い。特にビートルズのものが多いが、この題名はサイモンとガーファンクルの曲のタイトルである。著者は’59年生まれであるから私とは4つ違い、この歳になると大して違わない。さてさて、物語は45歳で逝った翻訳家で詩人の女主人公が娘のために遺した4巻のテープ、そこに語られていたのは大阪万博のホステスとして働いていた23歳の主人公と外交官として将来を嘱望されていた恋人との燃えるような恋愛だった。その愛について主人公は包み隠さず語りだす。この物語の重要なテーマは差別であるが、それは20年間にも及ぶ密かな愛でもあった。物語の主人公と私は8歳違いだが、私も大阪万博には行っている。洋楽好きの主人公と私の音楽の趣味が殆ど被さっているのも良い。ボブ・ディラン、ジョン・レノン、ジョーン・バエズなど枚挙に暇がない。なぜか小説のタイトルになっているのにS&Gは出てこない。

『老嬢は今日も上機嫌』 吉行和子著 新潮文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年3月14日再々読了
寸評:著者(3冊読了)は国際的に名な女優であり、父エイスケ(1冊読了)、兄淳之介(112冊読了)、妹理恵(3冊読了)は作家、淳之介と理恵は兄弟で芥川賞を受賞している。母は日本初の美容師あぐり(3冊読了)である。NHK朝の連ドラ「あぐり」を見た人も多いことだろう。吉行淳之介は私が文学の師と仰ぐ人である。現在は著者以外の家族はみんな故人であり、母以外はみんな若死にである。この本は家族、女優、舞台、旅行、俳句などが満載のエッセイ集である。著者の書いたエッセイは私の感性にぴったりとあう。やはり同じB型人間だと納得するのである。

【3月14日過去の釣行記録】
・1998年小踏日新製鋼波止場、13:00~16:00、大潮、釣果=カレイ2・タナゴ1
・2008年櫛ヶ浜港防波堤、20:30~22:40、小潮、釣果=メバル12
・2009年晴海埠頭、07:00~08:55、大潮、釣果=ハゼ1
・2009年大島居守海岸、09:20~11:30、大潮、釣果=アイナメ3
・2010年洲鼻港防波堤、06:30~11:40、大潮、釣果=30cmカレイ2・アイナメ1
・2015年徳山築港西側南端、07:40~13:00、小潮、釣果=カレイ1・ハゼ3

【この日の釣り情報】
・この日の釣り情報はありません。

【旧暦1月27日釣行記録】
・2008年03月04日、第2埠頭東側、19:30~22:10、中潮、釣果=メバル11
・2009年02月21日、第2埠頭東側、18:30~22:00、中潮、釣果=メバル13
・2016年03月05日、大島大原、06:40~15:10、中潮、釣果=カレイ5・ハゼ1

 

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