タスケテ

誰か、私を認めてよ。
唯返事を待ってる。

みんなそんなに暇じゃない。
判ってる。
だから今日も独りでつぶやいてるの。

助けてって。
誰にもあたしを救えやしないのに。

行為

今　君がしていること
こんな文字を読むのは自殺行為
そんな言葉を紡ぎ出すのは自慰行為

脳天まで貫いちゃってよ
逝くなら逝っちゃって

butterfly

喧騒から逃れて
唯　静謐な箱庭の中で
君は自由を求めて翔ぶのだろう

瞑想

魂を置き忘れたから
無為に待つ

loser's song

負け犬は社会からはじき出されて
今日も部屋に籠って
「芸術」という免罪符を貼った
自慰行為に走る

そうやって世間に
ひそかに楯突くことしかできず
負けを認めずに空威張り

それが生きる術
社会不適合者の残された道
孤独な戦いを嘲笑われようとも

ちっぽけな誇りは今日も
弱々しく 静かに
光を放つだろう

ladyと呼ばれたいのなら

ベージュの口紅を塗って
いつもより控え目なメイクで
つば広帽子を片手で押さえる

伸びた背筋にきっぱりした足取り
威圧感はないけれど有無を言わせぬ機敏さ


淑女として扱われたいなら
それなりの誇りを持って
わきまえないとね

打ち捨てられた橙に

夜が来るほんの少し前
西向きの部屋には
橙がふんだんに降り注ぐ

さらば、ブラウン管

いくつもの世代交代を経て
現在がある
永い間お世話になりました
ありがとう

今までいくつもの風景を映し出し
数々のメッセージを伝えてくれた
その分厚い顔
忘れはしないよ

過去は過去
いつだって前を見て
進まざるをえない我々だけれど

切り捨てる瞬間くらい
想い出を振り返ったって
罰は当たらないだろう