「女の道は一本道。引き返せない。」それは女の生き方じゃなくて、香車の生き方ですよ。
用語
[1]香車:将棋の駒の一つ。真直ぐ前方へいくらでも進めるが、それ以外は進めない。
ある和尚の話で、「10代前の先祖は約千人、20代前だと約100万人、30代前だと約10億人います。そのうち誰がかけても、あなたはいなかったのです。」という話を聞いた。
これはどういう根拠なのかというと、おそらく次のようなことだろう。一人あたり両親二人だから、1代遡るごとに、先祖の数は2倍になる。つまり、n代前は2n人先祖がいることになる。10代、20代、30代前はそれぞれ、210 = 1024 ≒ 103 220 ≒ 106 , 230 ≒109 となる。
確かに、この計算では和尚のいうとおりだ。しかし、よく考えてみてほしい。この計算によれば、代を遡るほど、たくさんの先祖がいることになる。しかし、昔の人口は今ほど多くないので、この計算と矛盾する。では、上の計算は何が問題か。
一つの原因は血縁関係のない者同士が両親になるという仮定だろう。現実には親類同士の結婚等、血縁関係のある者同士の結婚が存在するので、先祖を共通にし、上の例よりも先祖数が少なくなる。時代が進めば進むほど、血縁関係のある者同士での結婚可能性は高くなるから、上の計算より先祖数は少なくなるはずだ。
要因はおそらくこれだけではないだろう。先祖数がどれくらいになるのか、正確に計算するのは、血縁関係者同士がどれくらいの確率で結婚するのか等、不確定の要素があるので、計算できない。
ただ、以前テレビで我々の先祖をたどると、アフリカのただ一人の女性に行き着くと聞いたことがあるので、先祖数をきちんと計算できるとしても、それは思った以上に少ない数になると思う。ある特定の人しか遺伝子を伝えられないということだろう。
今年も一関市博物館「和算に挑戦」の問題が公開されました。今年の問題も面白いです。私はすべて解けました。ヒント教示に応じるので、それを欲する方はコメント欄で質問してください。
完全解答は正解発表後に公開します。当初は最終的な答えを公開していましたが、答えの確認に応じる人が誰も現れず、正解の確証がないため、非公開としました。ただ、私の解答は正解の自信があるので、コメント欄であなたが得た答えを書いていただければ、私の答えと一致したかお教えしようと思います。各問の難度ですが、
初級
難易度 小中学生-標準、高校生以上-簡単
中級
難易度 中学生-簡単、高校生以上-簡単
上級
難易度 高校生-難、大学生以上-標準~やや難
となります。難易度は各教育課程の教科書や入試問題の難度を基準とし、私なりの主観評価で示しました。
今年の上級問題は過去4年で一番難しいと思います。初級、中級問題は演習量が少ない小中学生は少しだけ考えるかもしれませんが、それほど難しくないと思います。高校生以上には容易でしょう。
私は今年が最後の挑戦になるかもしれません。来年以降の解説作成はやらない可能性があります。そのため、今年の解説記事は皆さんの役に立てばよいと思います。
では、今年の挑戦者のみなさん、がんばってください。
※ 12月20日頃から「和算に挑戦 世界変動展望」などのキーワードでアクセスする人が増えています。この記事はよく読まれています。私のブログは挑戦者の間である程度有名なのだろうか?多くの人からとても必要とされていて嬉しいですね。これぞ私のブログの本懐。役に立っているようでよかったです。こんなにも必要とされているのをみると、今年が最後っていうのもなー。どうしようかなー、来年。
参考
[1] 一関市博物館 平成22年度和算に挑戦
投稿締め切り 2011年1月20日(消印有効)、表彰式・正解発表 2011年2月27日
[2] 平成22年度和算に挑戦の解答 2011.2.27
いくつかの学会でしばしば同一内容の口頭発表がなされることがある。これが許されるのかどうか、研究者によって判断がわかれている。許されると考える者は、その理由として、発表の場が違えば聴衆が違うので、同一内容でも発表の価値があると主張する。
しかし、これは業績の過重計上のため問題ではないか。一般に論文の二重投稿が不正行為とされるのは、業績の過重計上が不適切だからである。日本原子力学会でも『「二重投稿」の基準は、既に活字媒体や電子媒体で掲載された著作物と本質的にオーバーラップする著作物を掲載すること(余剰出版)を回避するための措置であり、国内外の学会等において広く採用されている基準です。[1]』と述べている。
同一内容を発表すれば、業績の過重計上になるのは、口頭発表でも差異はないから、かかる発表は二重発表に該当し、不適切だと思える。仮に二重発表が認められるなら、同一内容で何回も発表することが許され、実体的な業績数の把握が困難になる。それに、多数の人に成果を知らせたいなら、論文等を書き、不特定多数の人に公開すればよい。
故に、二重発表はまずいと思うのだが、現実は黙認されている。どの研究者も業績作りに必死だからだろう。しかし、二重発表は上の理由でまずいし、黙認すべきではない。
一部の研究者はモラル違反として、二重発表をしないが、そういう正しい行いをする人がきちんと利益を得る仕組みを作らないといけないと思う。
参考
[1]「論文投稿の際の著作権および二重投稿についての注意点-2(2)」 日本原子力学会