世界変動展望

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ハイカラさんとは?

2010-12-29 00:00:00 | Weblog
NHKで放送された「坂の上の雲」を見たら、秋山季子(石原さとみ)らが女学生の格好をして出てきた。それを見た知人と以下の会話をした。

A「あれはハイカラさんの格好だ。」
B「え?あれのどこがハイカラなの?」
A「ああいうのをハイカラさんっていうんだよ。」

明治時代の女学生や卒業式の女子大生の格好を俗にハイカラさんというらしい[1]。しかし、こんなの現代では全然ハイカラじゃないと思う。こういうのをハイカラさんというのは「はいからさんが通る」(1975年、原作・大和和紀)の影響じゃないか。

なぜ参考[1]のような格好を現在ハイカラでないと思うかというと、高い襟でないし、全然西洋的でもないし、流行的でもないからだ。着ているものは袴と着物だし、日本的な服装だと思う。国語辞書によると、

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ハイカラー 【high collar】

1 「ハイカラー」に同じ。(丈の高い襟。)
(中略)
2 《明治31、2年ごろの議会で、1を着用していた洋行帰りの議員たちを、「万朝報」がハイカラー党とからかって書き立てたところから》西洋風を気どること。流行を追ったり、目新しいものを好んだりすること。また、そういう人や、そのさま。
3 西洋風に結った髪。ハイカラ髪。日本髪に対していう。

デジタル大辞泉より

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原義のハイカラは西洋紳士の格好だろう[2]。19世紀の西洋女性の服装は参考[3]である。いずれも参考[1]とは全然違う。明治時代は参考[1]の格好でも目新しいため、その意味(流行的、目新しい)でハイカラなのかもしれない。しかし、それは正確にはトレンディ(trendy)又はファッショナブル(fashionable)だと思う。

少なくとも現代においては、上でも述べたとおり、明治時代の女学生のような格好は高い襟でもないし、西洋的でもなく、流行的でもないため、全くハイカラではない。現在このような服装をハイカラとよぶのは間違っている。参考[1]の服装はハイカラというより、日本的な服装だ。現代では、正確にはトラディッショナル(traditional)だろう。

参考
[1]明治時代の女学生の格好の
[2]西洋紳士の服装の
[3]19世紀の西洋女性の服装の