世界変動展望

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ソウル大学姜秀庚、康景宣、論文捏造疑惑!

2012-06-05 00:22:39 | 社会

『韓国のソウル大教授が学術誌に投稿した幹細胞研究の論文14本に捏造(ねつぞう)の疑いが浮上し、波紋を呼んでいる。教授は「単純ミス」と釈明しているが、事態を重く見た同大は5月30日に調査委員会を設置、真相の究明に乗り出した。

 韓国では2005年、ノーベル賞も期待されていた別のソウル大教授が発表した胚性幹細胞(ES細胞)関連論文で捏造が発覚、社会に衝撃を与えた。同じ大学で同分野の論文が問題となっていることから、韓国メディアは「悪夢の再来か」などと報じている。

 論文の著者は獣医学部の姜秀庚(カン・スギョン)教授(46)。新研究を次々に発表し、韓国の幹細胞研究のホープとして注目されていた。

 疑惑のきっかけは、5月8日、姜教授の論文を掲載した10の学術誌に一斉に送られた匿名情報。06年から今年にかけて発表された14本の論文で、同じ写真を画像データの明るさを変えたり左右を逆にしたりして、不正に流用しているなどと指摘した。

 教授が4本の論文を投稿した米学術誌は24時間以内の釈明を要求したが、教授は「(釈明のための)時間が十分でない」とした上で、論文を取り下げた。韓国幹細胞学会は29日「論文には科学的な誤りが認められる」と明言。故意と確認されれば教授を除名処分にする方針を明らかにした。[1]』

 韓国の幹細胞分野で最高権威者のソウル大学獣医学部の康景宣(カン・ギョンソン)教授の 国際学術誌論文で写真操作疑惑が起きている。康教授の幹細胞関連論文の実験写真が同じ論文の他の写真に重複して使われるなど問題があるという。最近同じ大 学のカン・スギョン教授の論文が実験写真の重複問題によって掲載を取り消されたのに続き似たような疑惑が相次いで起きている。

  今回の写真操作疑惑もやはりカン・スギョン教授の論文問題を初めて提起したポステック(旧浦項工科大学)生物学研究情報センター (BRIC)で提起された。匿名の情報提供者は3日、「康景宣教授が4月10日に米国学術誌の酸化還元信号伝達(ARS)のオンライン版で発表した論文で 写真が重複掲載された。操作は明白だ」と主張した。彼は「論文の写真のうちひとつ(5J)は他のひとつ(5H)を180度ひっくり返し重複して使ったもの であり、サンプル数は5個なのに対照群数は6個と異なる」と指摘した。種類が違う実験で同一写真が巧妙に重複して使われたもので操作は明らかだという主張 だ。康教授はこの論文の責任著者であり、カン・スギョン教授も共著者として参加した。

  これに対して康教授は、「現在出張中であり、ソウル大学を通じてだけ釈明する」と話した。 ソウル大学のイ・ジュンシク研究処長は 「康教授研究チームが疑惑提起文を発見し、研究ノートと実験データなどを確保した。獣医学部はこの資料を基に論文に対し4日中に検討結果を出すだろう」と 話した。イ処長は「写真操作ではなく単純ミスの場合が大部分であり、オンラインに論文が掲載された後で単純ミスが発見されればこれを修正し印刷本(ハード コピー)に出したりもする」と話した。カン・スギョン教授も「継続して論文ねつ造疑惑が提起されるのは特定の誰かが悪意で間違った情報を出しているもの。 研究真実性委員会の調査を受けた後で後続措置を取るだろう」と話した。康教授はカン・スギョン教授が釜山(プサン)大学医学部に在職していた時から 2007年以後だけで25本の論文を共同で発表してきた。
[7]』

『ソウル大学のカン・スギョン獣医学教授が国際学術誌に発表した論文に、ねつ造疑惑が持ち上がった。韓国幹細胞学会は29日、複数の論文で問題点があるとの見解を示し、ソウル大学も独自の調査を発表するなど波紋が広がった。

 匿名の情報提供者が、同教授の研究写真の重複使用とねつ造疑惑について、70ページに上るスライドショーを作成し、同教授が06年から12年までに14 本の論文を掲載した複数の学術誌に送ったという。そのうちの米ARS(「坑酸化および酸化還元信号伝達」)誌が、24時間以内の説明を求めたため、同教授 はすでに掲載された論文2本と投稿中の論文2本を撤回した。

 韓国幹細胞学会は「ミス」に故意性が認められる場合には、学会からの除名を明言している。一方、ソウル大学も研究真実性委員会を開いて調査を行うと発表 した。同委員会は黄禹錫(ファン・ウソク)元ソウル大教授が2005年にES細胞の論文捏造事件を起こした後に発足された。

 調べに対して同教授は単純ミスであり、「再実験で明確な研究結果を出したい」と主張しているが、ねつ造疑惑のあるミスが複数の論文で見られたことについて専門家から「理解できない」との見解も少なくない。

 さらに、韓国では「第2の黄禹錫事態になるのでは?」「韓国の幹細胞研究が再び委縮するのでは?」と懸念の声が上がっており、慎重に対応すべきとの見方もある。[8]』

『論文のねつ造疑惑が持たれている韓国ソウル大学のカン・スギョン獣医学教授が、2年前にも論文ねつ造問題で大学内で警告を受けていたことが明らかになった。複数の韓国メディアが報じた。

 2010年に同教授が学術誌「International Jounal of Cancer」に投稿した論文に、今回と同様に研究写真の重複が見ら れ、説明を求められたが、同教授が回答しなかったため、ソウル大学に連絡あり、調査を行ったところ問題が発覚したという。ソウル大学は、学内警告処分にと どまり、その理由については論文が審査を通らなかったためと説明している。

 2年前も同様な「ミス」が見られたことから、「単純なミスで意図したものではない」という同教授の主張は信ぴょう性がなくなりつつある。韓国メディアは 「意図的な研究不正が行われた可能性も排除できない」とし、同教授が発表した論文に幹細胞分野の有名な学者らも多数共著者として名を挙げていることなどか ら、さらなる波紋が予想されるとの見方を示した。

 一方、同教授の論文で、研究写真が重複使用された問題を発見したのは、2005年黄禹錫元ソウル大学教授の論文ねつ造を指摘した生物学研究情報センター(BRIC)であることも明らかになった。

 韓国では、幹細胞研究に国をあげて力を入れていることから、同国名門のソウル大学教授による度重なる論文ねつ造問題で幹細胞研究分野における打撃を懸念する声が高まっている。[9]』

またソウル大学の教授が論文捏造をした疑いがあると報じられた。論文14編で捏造した疑いがあるらしい。しかも同じ写真を画像データの明るさを変えたり左右を逆にしたりして不正に使用した疑いもあるという。疑惑論文数が多いこと、流用を隠すための左右反転などの偽装工作まがいのデータ変更を考えると、被疑者が「単純ミス」と主張しても故意が認められるだろう。こういう客観的態様から捏造や改ざんの意図があったと考えるのが合理的だからだ。例えば画像の左右反転などは本来そんな変更を加える必要はないはずだ。使い回しを隠したかったと疑われても仕方ない。共同研究者も不正の疑いがあるようだ[7]。複数の論文にわたって同様の捏造疑惑があることは多くの人にとって捏造がミスではなく故意によるものだと判断するには十分で、専門家やメディアから故意性が指摘されている[8][9]。

こういう不正は日本でも似たようなものが起きた。例えば3月に公表された名古屋市立大学医学部の岡嶋研二・原田直明の事件は規模や態様からいって類似の事件といえる。この事件も論文10編以上でデータを使い回し、画像を回転させるなどの偽装を行って発表した。被疑者らは過失と主張したが、使い回しの多さや画像の回転などの偽装から信用できないと斥けられた。当たり前だ。こんな態様で不正を認定しないのはよほど愚かなのか不正を隠蔽しようとしているだけだろう。東北大学の井上明久事件のように[4]。

韓国では有名な黄教授のES細胞論文捏造事件と同じような悪夢の再来ではないかと報じられているらしいが、このような事件は日本、アメリカ、ドイツなど世界中で蔓延している。韓国だけが特別ではない。むしろ日本なんて最近調査されている藤井善隆の捏造事件のように193編で論文が撤回見込みとなり、撤回論文数の世界記録を更新する見込みという恥ずべき事件が発生してしまっている[3]。論文不正を防止するための対策が必要なのは日本も韓国も他の国も同じだ。

さて、今回の事件は匿名告発者がいろいろな学会に告発したことが発覚した理由だったようだ。匿名告発者にとって問題が大きくなりメディアで報じられたのは大きいだろう。匿名だろうと顕名だろうと日本では研究機関にとって都合が悪いものや仲間を庇う等の理由から不正を握りつぶすことがある[5]。不当な調査裁定が行われても監督機関である省庁や資金配分機関はやる気がないため愚かにも実質的な判断を研究機関にまる投げし何もしない[6]。韓国はそういう愚かな調査裁定をやらないようにしてほしいと思う。研究所長や被疑者は単純ミスと主張しているようだが、どこかの研究機関みたいに不正の隠蔽をしたら大笑いだ。

日本の場合はきちんと公平に調査裁定する機関が必要であり、監督機関にもきちんと監督をやらせるようにしなければならない。

参考
[1]日本経済新聞 2012.6.3
[2]世界変動展望 著者:"名古屋市立大学、教授らの論文データ改ざん等を断定" 世界変動展望 2012.3.19
[3]世界変動展望 著者:"東邦大を諭旨退職となった藤井善隆(Yoshitaka Fujii)、論文193編で捏造疑惑、史上最高の撤回論文数達成か?" 世界変動展望 2012.5.28
[4]東北大学井上明久事件も今回の事件のようにデータを大量に流用、画像を左右反転、回転などして流用を隠そうとした改ざん疑惑が持たれている。東北大学は依然として不正を認定していない。
[5]世界変動展望 著者:"研究機関のあらゆる不正を調査する第三者調査機関を必ず設置せよ!" 世界変動展望 2012.5.30
[6]世界変動展望 著者:"研究不正が起きる根本原因について" 世界変動展望 2012.4.16
[7]中央日報 2012.6.4
[8]Searchina 2012.5.30
[9]Searchina 2012.5.31