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民主党とアメリカと中国とロシアと外交と安全保障。

 日高さんのたぶん最新の著書を読みました。2010年10月出版なので、尖閣事件も踏まえてます。

「アメリカにはもう頼れない~日本の外交戦略の失敗をどうするか」 日高義樹 徳間書店

 民主党政権は失敗?
 「建国以来の危機が日本を襲う」と米国在住の日高さんにも民主党政権は最悪のようです。
 「そもそも民主党には体質的に外交すなわち国を守る能力に欠けている」
 「民主党の政治家たちは国際社会の現実を見ようとせず国際主義や平和主義国連主義といった非現実的な理想にとりつかれたままで外交をやろうとする」
 「国の人々が移民として巧緻に編まれた日本社会に受け入れられることはきわめて難しい」
 「掛け金を払えるほど給料をとる質のよい移民は、住みづらい日本にはやって来ない。アメリカに行く」
 「それでも移民を受け入れやすい制度をつくれば、移民が大勢やってくるだろう。日本で一年働けば、出身国に家が建つという移民たちである。そうした人々はほとんどが単運労働者で、やがては社会の重荷になる。」

 移民についてはワタシは漠然と必要かもと考えていましたが、こう指摘されるとムツカシイねえと納得してしまいます、では日本はどうすればいいの?出生率をあげようにも子を産み育てるのにキビシイ日本ではすぐ期待できないフランスのように結婚しなくても子供を持つことを認め支援すれば・・と思わないでもないですがそれを日本人の大半が支持するのかどうか、なかなか結論は出ません。

 日本経済は中国沿岸部と共同経済圏をつくればいい?
 著者は中国の沿岸地域と日本経済の共同経済圏を作ることを提唱してます。上海など中国内の先進国部分を同じ経済圏にというのはまともすぐる発想ですが、中国は近代国家で中国人はモラルがあってロジカルだと暗に考えるみたいだけと、大きな誤解じゃないかと。始皇帝以来二千年に及ぶ破壊と略奪の歴史は漢人に救いようのないモラルの荒廃をもたらしています。そのデタラメぶりは日本人の想像を超えています。
 「あと十年もすれば沿岸地域の人々は日本の豊かな資本と技術を求めて動き出すはず」
とも書いていますが、著作権を踏みにじる中国が日本の技術を盗み続けるとは考えないんですかね。しかも資本については逆にチャイナマネーが日本の水源地や中小企業を買いあさる状況になっています。

 ロシアはなぜ世界の一流国家の立場をとることができるのか?
 ロシアについて、日本では報道されませんがやはり中国人問題があるようです。
 「シベリアにあるロシアと中国の国旗国境の町ブラゴベシチェンスクではすでにチャイナタウンができていただけでなく国境のアムール川を越えて毎日のように大勢の中国人がやって来ていた」
 「すでに五百万人の中国人がシベリア一帯に不法に住みつきその数は増え続けている」
 そういう状態は、本来であればロシアと中国の間に紛争が起きてもおかしくないのですが。むしろ手をつないでいる状況に見えます。一時的にしろ、日本にとってはマイナス。

 「ロシアは自分の国の国境がもともとどこであったのか自分でも分からない。それほど侵略を続けて大きくなった」
 「領土の一部でも返すことになれば世界各国から返還の要求が出て手がつけられなくなる」
 「ロシアが存続しているのは、アメリカがロシアの息の根を止めなかったことが大きな要因である」
 「そうした情けないロシアの主導者が極東までやって来て、北方領土の領有を種痘することができるのは、ロシアが核兵器を持っているからだ」
 「日本の人々は崩壊してしまったはずのロシアや後進国である中国そしてNATO諸国がなぜ世界の一流国家の立場をとることができるのか真剣に考えてみなければならない」
 …ごもっとも。

 日本が核兵器を持つ二つの方法
 日本が核兵器を持つ方法について、著者は二つあげています。一つは自前で核兵器を持つことですが、もう一つは、
 「アメリカに守ってもらうだけでなくアメリカと共に戦う体制を作り上げアメリカの核兵器に手をかける権利をもつことだ」
 これはいい!自前で開発すると中国やロシア辺りから妨害を受けること間違いないですが、これなら今すぐ手に入れられる!アメリカには、米国債買ってあげてるんだから核兵器のボタンよこせと言えばいい。
 でも鳩山前首相がアメリカとの関係を変えると発言し、岡田前外相が核の秘密協定を暴露してしまったおかげで、アメリカは日本の民主党のみならず日本そのものに対しての不信感が高まってしまいました。おかげで日本は核兵器を持つ以外に方法が無くなってしまった。残念。

 アメリカは、尖閣諸島を守ってくれない?
 「前原外相や管首相は、あたかもアメリカが日本の味方をし尖閣諸島の問題で紛争が起きた場合には日米安保条約の枠組みの中でアメリカが日本の味方をするとしきりに述べたが、そうだとすればアメリカは管首相と前原外相が突然正当な理由もないまま政治的な配慮を理由に日本の巡視船にぶつかった漁船の船長を釈放することに反対したはずである」
 「アメリカ政府は領土の紛争には介入しないという基本姿勢をとっている。日本の味方をするつもりはまったくない」
 …クリントン国務長官が前原外務大臣と会談した後「尖閣諸島は日米安保の適用範囲」と発言したので、武力行使をなかなかできない日本にとっては、ほっと一安心のことだと思ってましたが…甘かったですね。

 アメリカは、日本を守ってくれない?
 アメリカの極東軍事戦略については陸軍と海兵隊は撤退。空軍はグアムやハワイを拠点として無人偵察機と高速輸送機により展開する海軍は強化。つまりアメリカの主要部隊がグアム、サイパンまで後退。最前線には常時展開せず、その都度派遣する方針。これにより日米安保条約が空洞化すると指摘。

 アメリカは、日本が核ミサイルによって攻撃されても灰になった後初めて反撃するだけで、先制攻撃をして日本の被害を事前に食い止めてくれるわけではない。日本は自らの身を自分達で守らなければならないというごく当たり前の状態になると警告。



 後はアメリカの国内政治、中間選挙、TEAパーティーについて。著者はウオール街をクソミソに言ってますが、別に一つ一つ確証をつかんでいるわけじゃないみたい。空母や潜水艦には同乗してレポートしたり元大統領や補佐官にインタビューするのに、経済では全然取材せず憶測で書いてます。得意分野とそうでない分野の落差が激しいです。


いろいろ文句つけても、直近の事件を題材にしているので、やはり面白いです。


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