リートリンの覚書

日本の神様・武甕槌神


日本の神様

武甕槌神
(たけみかづち)


国譲りを成功させた勇猛な武神
 
建御雷神は、関東を中心に東北、中部地方などに広がっている鹿島神社の総本社の鹿島神宮の祭神で、一般に鹿島神の名で知られています。この神を祀る神社は、関東・東北地方を中心に全国九百十八社にのぼります。


別名

 
建御雷之男神
(たけみかづちのをのかみ)

建御雷神
(たけみかづちのかみ)

武甕雷神

鹿島神
(かしまのかみ)

鹿島大神

鹿島大明神

鹿島さま

建布都神
(たけふつのかみ)

豊布都神
(とよふつのかみ)

建雷命 等
 
神名の「ミカヅチ」の部分は、「御厳雷(雷に対する敬称)」をあらわすものだとされています。


神格

 
国譲りを成功させた勇猛な武神
軍神
雷神
地震の神
剣の神神格
 

「日本書紀」では

 
日本書紀 巻第一 神代上
第五段の第六の一書では、
このように登場しています。
 
また剣の鐔から滴った血が、ほとばしり神となりました。甕速日神といいます。次に、熯速日神この甕速日神は武甕槌神の祖先です。
 
本文では、このように登場しています。
 
このとき天の岩屋に住む神で、稜威雄走神の子、甕速日神。甕速日神の子、武甕槌神がいました。この神が進み出て、「経津主神だけが丈夫とは。では私は丈夫ではないと」その語気は激しいものでした。そういうわけで、彼を経津主神に配して、葦原中国の平定に向かわせました。
 
このように国譲りの際、登場しています。この後、葦原中国平定の際に、経津主神とともに派遣されています。


「古事記」では

 
本文では、このように登場しています。

次に剣の刃の根元に着いた血も、神聖な岩石の群れに飛び散りました。その付着した血から出現した神の名は、甕速日神。次に樋速日神。次に建御雷之男神。またの名は建布都神。またの名は豊布都神。三柱の神です。

神産みの段で、伊邪那岐命が十挙剣で、妻の伊邪那美命の死因となった火神・火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)の首を斬ったとき、剣の刃の根元に着いた血が岩につき化生した神です。


そのほか

 
・武神・剣神として知られる建御雷神の基本的な性格は雷神です。名前の「ミカヅチ」は、厳雷(いかづち)とも御雷(みかづち)とも解釈されており、本来は雷神としてのイメージが神格化されたのだと考えられます。
 
・「常陸国風土記」の香島の条に、鹿島神が船を陸と海とも自由自在に往来させていたとも記されています。これは鹿島地方の陸と海との境に位置してすべてを司る神霊としての姿を示しています。つまり悪霊の侵入を防ぐ境界神として機能すると考えられます。そうした境界神としての姿は、今日も民俗信仰のなかに色濃く残っています。関東や東北に分布する鹿島信仰の「鹿島(人形)流し」がそれで、悪疫退散に霊験ありとされています。
 
・建御雷神をご祭神とする鹿島神宮の社殿は北向きに立てられています(通常は南もしくは東向き)。これは建御雷神の霊力を東北地方(蝦夷・えぞ)までおよぼそうとしたためだとされています。
 

神徳

 
武道守護
芸能上達
国家鎮護
殖産興業
海に関しては豊漁
航海平安
安産守護
病気治癒
厄除海運
延命長寿
縁結び
交通安全
 

祀る神社 

 
鹿島神社
(茨城県鹿嶋市)

春日大社
(奈良県奈良市)

鹽竈神社
(宮城県塩竈市)など
 
亀戸 香取神社
(東京都江東区)


 
新しい知識を得た場合
随時更新予定です。



 参考
「日本の神様」がよくわかる本 戸部民夫 PHP文庫




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