セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「勝手にふるえてろ」

2018-10-15 21:20:28 | 映画感想
 「勝手にふるえてろ」(2017年、日本)
   監督 大九明子
   原作 綿矢りさ 「勝手にふるえてろ」
   脚本 大九明子
   撮影 中村夏葉
   音楽 高野正樹
   主題歌 黒猫チェルシー
   主演 松岡茉優
       渡辺大知
       石橋杏奈
       北村匠海
          
 会社で経理の仕事をしてるヨシカは恋愛未経験だが10年来一途に思ってる一宮(イチ)が居る、そんな彼女に或る日、営業の霧島(二)からコクられるという生れて初めての事態が・・・。

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=4ewQtV9lGCg

 今年、3人目の取扱説明書必須の女。
 1人目 「心と体と」のアレクサンドラ・ボルベーイ
 2人目 「レディバード」のシアーシャ・ローナン 
 3人目の松岡茉優
 1人目は心の病気だけど、2人目と3人目は陽と陰、或いは躁と欝の違い。(笑)

 周りに壁を作って自分の世界に閉じこもり夢ばかり見てる、未だにそういう傾向が残る僕には、中々、イタい物語。
 そんなタイプのヒロインが自ら作った厚い壁をぶち壊す瞬間を捉えた作品、まぁ、その為に2時間たっぷりと状況を作っていく訳で、そこを耐えられるかという問題は有るけど(コメディチックだから見易いと思う)、似た傾向を持つ人にはそれなりに面白いんじゃないでしょうか。
 途中、突然、ミュージカルになったりする所も面白かったですね。
 難点を言えばヒロインの松岡茉優がチャーミング過ぎて、この娘なら中・高時代からモテまくりで一人孤独に浸ってるヒマは無かんべって所、イモト辺りが演れば説得力増すのだけど興行考えれば仕方ないのかな。
 松岡さん、無理して愛想のない顔してるけど地が可愛いから如何ともし難い。(笑)

 個人的な事ですが、普通に観てたのに中盤から終盤へ入るターニング・ポイントの台詞が「ペーパーチェイス」のオチの台詞と完全に被ったもんだから、そこから急に頭の中へ「ペーパーチェイス」が入り込んできて、若干、集中力が乱れました。
 シチュエーション、全然被らないのに(承認欲求だけが同じ)男と女の行動原理の違いとか、関係ない事が頭の中で行ったり来たり。(笑)

 絶賛と言う程でもないけど、それなりに面白い作品だと思います。
 でも、この話を本気で作品にするなら松岡茉優じゃないな、もっと個性的な顔の女優さんが適してる。(松岡茉優さん、頑張ってたし良いのは間違いないけど)

※確かに皆が言うように、今年公開されたハンガリー映画「心と体と」に似た所がありました。
 幻想的な要素と現実の血を同居させ、静かに心の動きを追った「心と体と」、イマドキの女優さんを使い若い人向けに作った「勝手にふるえてろ」、もう歳だから苦味のある「心と体と」の方を僕は好むけど、この辺は人それぞれでしょう。
 「心と体と」もヒロインのA・ボルベーイの魅力に負う所があって、彼女の魅力と演技力が作品を支えてるのだけど、その美貌が話をお伽話にしてしまってる所は有ると思う。

 H30.10.14
 DVD

 
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2 コメント

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Unknown (しずく)
2018-10-24 15:41:08
コメントに返信した翌日から帰鹿していました。昨日戻り1週間ぶりにパソコンを開いています。

>ヒロインの松岡茉優がチャーミング過ぎて、この娘なら中・高時代からモテまくりで一人孤独に浸ってるヒマは無かんべって所、イモト辺りが演れば説得力増す

全く同じことを感じました(笑)
イモトさんとは限らないけれど(彼女も大好き)、「松岡ではどう考えてもありえんでしょうが!」って感じでしたね。同様の感想は、似たようなテーマの他の作品にも多々あります。
イモトさん、「下町ロケット ゴースト」では演技がうまくなってて驚きました。やはり芸にかける情熱と体力には引けを取らない方だと感心しきり。
 
「心と体と」のDVD化が実現したら観ますね!
Unknown (鉦鼓亭)
2018-10-24 22:34:31
 しずくさん、こんばんは
 いろいろと忙しい中、コメントありがとうございます!

全く同じことを感じました(笑)
〉やっぱり(笑)、彼女の魅力が隠しきれないですもん。
今年の話題作「バーフバリ 王の凱旋」にも主人公アマレンドラ・バーフバリの台詞に
「姫は怒った顔も甘美だ」というのが有って、あの台詞とおりだと。

イモトさん
〉彼女の顔が、という訳でないのですが(トレードマーク取ればチャーミングだし)、ふと思いついたのが彼女でした。(汗)
只、最近は男女問わず老いも若きも美形ばかりで、個性的な役者さんが居なくて残念だと思っています。

DVD〉)余りアテに出来ない情報なんですが、もう一度、家でゆっくり観たいんですよね。

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