セピア色の映画手帳

古い映画を中心に

「アメリカン・ピーチパイ」

2018-06-04 22:52:14 | 映画日記/映画雑記
 「アメリカン・ピーチパイ」(「She's The Man」、2006年、米)
   監督 アンディ・フィックマン
   原案 ウィリアム・シェイクスピア 「十二夜」
   脚本 カレン・マックラー・ラッツ  キルステン・スミス
       ユアン・レスリー
   撮影 グレッグ・ガーディナー
   音楽 ネイサン・ワン
   出演 アマンダ・バインズ
       チャニング・テイタム
       ローラ・ラムジー

 サッカー大好きの女子高生ヴァイオラ、しかし、女子サッカー部は敢え無く廃部、男子クラブへ編入を希望するも拒絶、サッカー部の彼氏にも嗤われてブチ切れ。
 ヴァイオラは双子の兄セバスチャンが在籍するライバル校へ兄不在を利用、男装して成りすまし入学、そこで同室となったデュークに恋心を抱くが彼は学園クィーン オリヴィアにゾッコン、更にはオリヴィアは男装したヴァイオラに一目惚れ・・・。

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=D4OhwrMidSU

 何で紛らわしいタイトルにしたのか謎だけど、W・シェイクスピアの「十二夜」をティーン向け学園青春ドラマに改作した如何にもアメリカンな作品、上手く改変してるし出来も悪くなく面白いと思います。
 なんだけど・・・、ヒロイン ヴァイオラ役のアマンダ・バインズがイマイチ好みに合わなかったのが個人的に致命傷、演技は悪くないし役に嵌ってると思うんだけど、顔立ちの好みは如何ともし難かった。

 シェイクスピアの喜劇では「真夏の夜の夢」と並ぶ人気作「十二夜」。
 双子の妹ヴァイオラと兄セバスチャンが海難事故で生き別れ、生き残ったヴァイオラが異国の地イリリアで生きて行く為、男装して公爵に仕えたことから起こる喜劇。(本作ではヴァイオラが紛れ込むのがイリリア高校)
 ヴァイオラ→オーシーノゥ公爵→オリヴィア伯爵→シザーリオ(男装時の名前)と続く片思いの連鎖による可笑しさをメインとして、そこにサブストーリーでサー・トビー達による自惚れ高慢執事マルヴォーリオ苛めの可笑しさをミックスしたのが「十二夜」という作品。
 「アメリカン〜」では現代に於いて喜劇として受け入れにくい「マルヴォーリオ苛め」の件をほぼ省略、その残滓が気取り屋のマルカム(原作のサー・アンドリューに当る)に投影されてるくらい、マルヴォーリオ自体は彼が飼ってる毒蜘蛛タランチュラの名前でチラッと出てきますが後のフォローは一切無し、重要なシェイクスピア印だから知ってる人はココで笑って下さいという感じでした。
 「十二夜」という作品、僕が思うに道化(クラウン)フェステと執事マルヴォーリオが物語を支える重要な役で、この二人に最も上手な役者を配置しないと締まらないものになっちゃう。
 でも、この「アメリカン〜」には二人共居場所がない(笑)、一応、校長が道化の役割なのだけど単なるコメディリリーフで可笑しい事は可笑しいけど物語に溶け込んでないし居なくてもこの話成立しちゃうんです。
 だから、物語が軽くなるのは仕方のないところ、でも、狙いはライトなアメリカンコメディだろうから問題はないと思います。
 セバスチャンの元カノ、ヴァイオラの元カレを出して話を少し混戦させた辺り(二人にしたのは古典定石のシンメトリー?)と、オリヴィアが偶然セバスチャンの書いた詩を読んで気にいるという前フリ設定は原作の無理スジを緩和していて良、只、歯列矯正中の娘を出したのは余り活きてなかったかな。

 何も考えずに話の混戦具合を楽しむ作品で、そういう意味では上手に出来てます。
 又、イケメンの展示場でもあります。(笑)
 もし、この作品が気に入って古典喜劇にも興味を持ったなら、1996年製作トレヴァー・ナン監督「十二夜」(イモジェン・スタッブス(ヴァイオラ)、ヘレナ=ボナム・カーター(オリヴィア))をお勧めします、ベン・キングスレーのフェステが道化と吟遊詩人を足して2で割ったような役柄だけど、今の所、映画、TV作品で「十二夜」の最高作はこれでしょう、大変良い作品だと思っています。
 「十二夜」予告編 https://www.youtube.com/watch?v=LcLlQF7JoSo

※双子のセバスチャンとヴァイオラの似てる似てないとか、気付くだろうと言うのは野暮の極みで、歌舞伎、浄瑠璃の黒子が見えていても「見えてない約束事」と同じで決まり事の部類。(「十二夜」のヴァイオラとセバスチャンの横顔はそっくりに近かったけど)
 但し、本作のヴァイオラのサッカーシーンは動きがトロトロしてて如何にもショボかった、今年観た「ダンガル きっと、つよくなる」のレスリングシーンが素晴らしかっただけに。
※公爵→デューク、ま、確かに。(笑)
※A・バインズ、何処かで見た感じと思ったら「エクソシスト」のリンダ・ブレアだ。

 H30.6.3
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