セピア色の映画手帳

古い映画を中心に

「日日是好日」 

2018-11-03 23:57:50 | 映画日記/映画雑記
 「日日是好日」(2018年、日本)
   監督 大森立嗣
   脚本 大森立嗣
   原作 森下典子 「日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-」
   撮影 槇憲治
   美術 原田満生 堀明元紀
   衣装 宮本まさ江
   音楽 世武裕子
   出演 黒木華
      樹木希林
      多部未華子 
      鶴見辰吾
      
  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=NTpltHFcjis 

 このタイトル名を見ると学生時代に流行ってた揶揄をどうしても思い出してしまう、「親身の集金、日日(ひび)是決算 代々木ゼニナール」(元は代ゼミの当時のキャッチフレーズ「親身の指導 日日是決戦」)
 この作品のタイトル読みは正しい読み方の「にちにちこれこうじつ」

 作品は、目標もなく何となく生きて就職期を迎えた典子が、ひょんな事から茶道教室へ通いだし、教室に掲げられてる「日日是好日」の意味を茶道を通して気付く迄、その成長の四半世紀を描いていきます。
 そこに描かれているのは茶道の深さと、それ故の面白さ美しさ。
 茶道のハウツー映画と言ってしまえば身も蓋もないけど、「日日是好日」、「一期一会」を具現化しようと考えぬいてるのは判ります。
 只、その意余って「日本の美」を意識しすぎてる気はしました、国際映画祭狙いみたく強調しすぎなんだなぁ、もう少しサラッと描いてよかったんじゃないかと。
 それと、この監督、終盤に余計なシーンを入れ込むのは癖?「さよなら渓谷」でも余計を感じたけど、この作品の父とのイメージシーン要るのかなぁ、真木よう子とか黒木華のような実力派を使ってるんだから演技で「それ」を感じさせるのが正攻法だし演出の工夫からも逃げてる気がする。(あのシーン、僕の目が歪んでるんだろうけど黒木華の演技も戸惑ってる感じがした)

 元がエッセイ集の為か、それほど人物造形に深みはなくドラマ性は薄い、意図的に親兄弟以外男を出さず女だけの世界で主人公の「移り変わりと変わらないもの」を描き、それを茶道とシンクロさせるのが本作(原作)の狙いなのでしょう。
 そんな抽象的世界を具現化させ、観客の興味を持続させてるのが樹木希林、黒木華、多部未華子の三人。
 多部さんは黒木さんと対比させるのが目的の存在だから、ちょっと貧乏クジで霞むのは仕方ない、黒木華は今回も実力を発揮してるとは思います(彼女の日本人顔と和服の相性が良く、和室や四季に映え美しい)、でも、やはり、この作品は樹木希林でしょう。
 強くてたおやかで飄逸、凛とした女性を見事に演じています、実際、樹木希林さんの遺作となってしまったけど、この作品の主題「一期一会」を自らの生命をもって表現してるようでした。

 自然を敬い、畏れ、そんな自然を愛でながら自然と同化していく、「日本の美学」の根底にあるものに触れようとする意欲作だと僕は思いました。

※黒木華と多部未華子、並ぶとホント和と洋。
※衣装持ちやね。(笑)

  たおやめの ありし日偲ぶ 秋日和

 H30.11.3
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