今何処(今の話の何処が面白いのかというと…)
マンガ、アニメ、特撮の感想ブログです。




「惑星のさみだれ」7巻(作・水上悟志)を購入しました。地球をかち割ってしまうビスケットハンマーと呼ばれる巨大なハンマーを操る謎の魔法使いアニムスと、それを阻止せんと12人の選ばれた騎士を従えて戦う精霊姫・アニマ。両者の時空を超えた戦いに巻き込まれた大学生・雨宮夕日と、アニマが降りた少女・朝比奈さみだれの運命と決意の物語…という感じでしょうか。
それで、ちょっと以前から気になる所があったので、始めから「読み」直したりしていたんですが、そうすると、さらに思う所がポロポロと出てきまして……まだ、それぞれ断片的で、思考が繋がらないんですが、とりあえずバラバラに書き連ねておきます。

■アニマとアニムスの事とか~



…アニマとアニムス。



…トラウマ。



…夢。

ああ、そうか。「ユング」なんだ。単に言葉遊びってだけじゃなくって。この物語を読み解くベースとして「ユング」が使われているんだ……とか思ったり(今さらですが)。

少なくとも、物語の軸が“アニマとアニムス”の戦いであり、主人公は“トラウマ”を抱えており、主人公(とヒロイン)が見る“夢”の世界が重要に語られているのは「ユング」の意図で結ばれているのは間違いないでしょうね。…えっと、夢の顕れ方とか観てもフロイトって事はないんじゃなかろうかと素人ながら思ったり(汗)最初に、夕日がさみだれに出会った後、“鎖”を断ち切って跳ぼうとする“夢”を見るのは、かなりセラピーな感じで象徴的と言えます。

また、ユングの説には“アニマ”(男性が持つ女の心の元型)や“アニムス”(女性が持つ男の心の元型)以外にも、“グレートマザー”(慈愛・母性の元型)、“老賢者”(厳格・父性の元型)、“シャドウ”(苦手なものや生き方・反面の元型)…あるいは神話やファンタジーをモロに説明してしまうキャラクター(元型)なんかもいるみたいなんですが、ここらへんの者たちも作中に顕われていてもおかしくはないな、とか考えています。
たとえば、最強の魔法使いアニムスが望んで未だ手に入れていないアカシック・レコードを既に持っていた、カジキマグロの騎士・秋谷稲近老人ですが、彼を“老賢者”にあてはめる事はできないでしょうか?…………すみません、あてずっぽうです(汗)…でも、僕はずっと、最強のキャラであるアニムスを超える存在とさえ言える、この秋谷老人をなんでわざわざ登場させ、すぐに退場させたのか、さっぱり分からない所があったんですが、こういった具合に象徴的な何かを指しているのではないか?と考えると、何かが観えそうな気がして来るんですよね。



強引な推論ついでに、もう一つ言うと、雨宮夕日の“シャドウ”も、既に現われているんじゃないかと思ったりもしました。(↑)たとえば東雲三日月のこう言った振る舞いは夕日の“シャドウ”として存るのではないかと……普段は、はねっかえってはいるけど至って好青年(?)に観える、東雲三日月はなんで時々あんなに狂るうのか?いや、そもそも獣の騎士たちは、必ずしも全員とは言えないんですが、多くの人間が“狂っている所”と“まともな所”の二本軸で描かれていて、それは正直、読者がキャラを掴めずに混乱するギリギリの所だと思っています。加えて、作者の技量的には考えずらい程、被り気味のキャラたちを配置している。(少なくとも「地球が割れてもいい」と言った虚無的なエッジを夕日のみに利かせるような事はしていない)…こういう12人の騎士と言っても、バラエティは求めず、近い存在を集めて置くのは、ここらへんの視点(ユングの用意したツール)を利用して、それぞれがそれぞれの生き方なんて話ではなく、一つのテーマを多角的に「反射」させて描こうとしているのではないか?と思えます。

ちなみに7巻では、夕日が、自分より子供の騎士たちには、自分が契約で何を願ったかをサラリと言うけど、同年代の白道さんには隠すというシーンがあったりしますが、あれは完全に“ペルソナ”の話ですよね。…え?いちいち素人の誤解釈ですって?大丈夫!水上先生も多分、素人だから!(`・ω・´)「惑星のさみだれ」を「読む」上では、こう…いい具合にシンクロするに違いありませんぜ!!?……たぶん(`・ω・´)

あと、冒頭に言った僕が気になっている事の一つに、なんでさみだれ(アニマ)はビスケットハンマーの上で夢を見ているの?という話があったんだけど、この“夢”の図を心理的な無意識の“夢”と完全に割り切ってしまうと、それはそれで観えてくるものがありそうに思います。ずばり、あれは、さみだれの物(象徴)だからじゃないか?とか考えているのですが……まあ、ここらへん「物語現実」と合致するのかどうかは分かりませんけど、こういう「読み方」はしていけるかな?と。

■騎士たちの名前の事とか~

思わせぶりな名称で、何かの符合を狙っていそうな(というより「読め、読め」と声が聞こえてきそうな)騎士たちの名前についても、少し調べてみました。…これ、初っぱなのノイ=クレザント(トカゲ)で、つまずくんですが…どうも →crescent=“三日月”の事じゃないかと思うんですよね。でノイとか名(?)の方はちょっと分かんないんで保留なんですけど、とりあえず調べた結果を、夕日が色分け予想した三霊獣のグループに分けてみると、以下のようになりました。

インビジブル(黒竜)グループ
 雨宮夕日:トカゲ(ノイ=クレザント) …英語で“三日月”
 白道八宵:ヘビ(シア=ムーン) …英語で“月”
 月代雪待:カメ(ロン=ユエ) …中国語で“月”
 秋谷稲近:カジキマグロ(ザン=アマル) …保留

ユニコーン(一角獣)グループ
 東雲半月:イヌ(ルド=シュバリエ) …仏語で“騎士”
 風巻豹:ネコ(クー=リッター) …独語で“騎士”
 南雲宗一郎:ウマ(ダンス=ダーク) …英語で“闇”
 日下部太朗:ネズミ(ランス=リュミエール) …仏語で“光”

フレスベルグ(神鳥)グループ
 宙野花子:カマキリ(キル=ゾンネ) …独語で“太陽”
 星川昴:ニワトリ(リー=ソレイユ) …仏語で“太陽”
 茜太陽:フクロウ(ロキ=ヘリオス) ラテン語で“太陽”
 東雲三日月:カラス(ムー) …保留

基本的に黒竜グループは月を意味する言葉で、一角獣グループは騎士と光と闇。神鳥グループは太陽という振り分けになっていますね。カジキマグロのザン=アマルは保留なんですけど、こうやって並べて見ると、おそらく月を意味する何か?である事が予想されます。ムーも太陽を意味する何か?とも思えるんですけど…こいつは名だけなんですよね(汗)……ちょっと、中国語で→mu=“目”(記号省略)というのがあるなあ…とか思ったり。今まで一言も喋らない事含めて、何か特別な役割がありそうな気もします。

また、人間たちの名前ですけど、原則、苗字には空~宇宙にある物が含まれています。…秋谷老人が例外なんですけど、これは夕日が偽名と言っていますね。また、茜太陽もないと言えばないけど、まあ名前がモロに太陽で、それで茜だから、これはいいでしょうw(←いいのか?)
それと自分としてはノイの氏が“三日月”だとしたら、東雲“三日月”と字が被るのがかなり気になってます。さみだれの姫を挟んでライバル的に並び立っている二人が、三日月で重なっている。…これって偶然なのでしょうか?僕は何らかの意図は持っていると思っていて、先ほど東雲三日月を夕日の“シャドウ”という言い方をしたのも、これに引っかけてあります。

他に、暗めのキャラの雨宮夕日と茜太陽について、夕日という名前に合わせて、“茜の太陽”君もやっぱり夕日(?)という事で、それはキャラが被っているのは当然だよね!(`・ω・´)とか思ったりw
東雲半月と風巻豹は、なぜ“騎士”で繋がるのか?南雲宗一郎と日下部太朗は、なぜ“闇と光”で対なのか?ここらへんが、今後の展開で分かっちゃったりすると「面白い」かもしれません。

■秋谷稲近の事とか~

カジキマグロの騎士・秋谷稲近の名前に空~宇宙を表す字が含まれないのは、偽名だから…という事なんですけど、じゃあ、本当の名前はなんだろう?と考えてみました。まず、偽名という件について、夕日がこのように言って看破しています。



夕日「秋谷をローマ字にして反対から読むと?」

ノイ「いなてぃか?(INATIKA)」

夕日「惜しい」

……ちょっと待って。500年前の日本人がアルファベットで回文?いや、アカシックレコードを掌握した、全智の人間なんですから、アルファベットを駆使したっておかしくはないんですが、生まれも育ちも大昔の日本だとしたら違和感が残ります。そもそも何で偽名なの?物語のシナリオとは関係なく、ただ単に偽名(仮の名)だという設定でもない限りは、名前を偽る理由は凡そ一つしか無いのではないか?つまり、この秋谷稲近の正体って、獣の騎士のうちの誰か(あるいはアニムス)なんじゃないの?
そう仮説を立てて読み直してみたのですが……う~ん(汗)もし、そうだとしたらこの秋谷老人、自分の出生の秘密は嘘をつく事を前提としても、不必要に嘘を重ねているように見えてしまいますね(汗)…ちょっと厳しいかな?wが、「面白い」のでこの話を続けますが!(`・ω・´)

描写を見て行くと、秋谷老人は何らかの全智能力を持つに到ったように見えますが…まあ、これがあってもこの「読み」は続けられます。この物語でアニムスはアカシック・レコードの掌握を目的としており、戦いの中で、誰かが偶然それを得てしまうよな展開はあり得るように思えし、むしろ何の脈絡もなく秋山老人が全智に目覚めたとするよりは整合性があります。(他に、時間逆行や、不死の肉体も前提として…すげえ、俺様、仮定に仮定を重ねまくってますよ?w)
しかし、同時に、アカシック・レコードを得なくても、実は秋谷老人のように振る舞う方法があります。それは秋谷老人が残した手記「大海!!激生記」を読めばいいのですよね。その内容を覚えており、自分がやがて、星川昴と月代雪待に出会い、彼女らを守って死ぬ事が分かっていれば、ほとんど秋谷老人のように振る舞えるはずです。むしろ、自分の最期の瞬間、つまり手記に残っていない部分で、自分がどのように死ぬかは、この老人は分からなかった。ただ、昴と雪待が無事な事だけを知っていて「なら二人に戦闘経験を積ませたい…」と逡巡している。この頃は力をほとんど失って分からなくなっていたとは、書いてあるんですが…自分の死に方を忘れるものだろうか?とも思います。ともかく単に嘘をついているとするには(物語整合的な)無理がある叙述がある反面、「大海!!激生記」を読んだと考えた方がすんなり分かる部分もあるんですよね。



様々な可能性が考えられますが、有力な“容疑者”は3人いる……と思います。まず、手記を掘り当てて読んだ雨宮夕日ですね。…しかし、夕日には別の“役目”がありそうに思うので除外します。そうすると、まず第一候補は、東雲三日月になると思います。理由は、今、現在、昴や雪待と仲がいいからです。…そう、ドラマツルギーとして当然、このループはそう繋がらないとね!(`・ω・´)また、武道の達人としての師匠である事。雪待が「師匠から習ったのは空手とはちょっと違う」という発言もありますね。また、秋谷老人が最期に使った必殺技“天沼矛”は、三日月の“方天戟”の最終形じゃないのか?とも思えます。昴と雪待から秋谷老人の物語を聞いて、一言「めっ…ちゃくちゃカッコいいな!!師匠!オレも会いたかった!」と感激するところも、ひっじょ~に怪しいのですがwおそらく「大海!!激生記」を読んでいないであろう事がネックで。昴と雪待からの又聞きだといろいろ精度が落ちちゃいそうなんですよね。(師匠が死ぬあたりのワンシーンだけしか喋っていないように思える)



第二候補は、最年少の騎士・茜太陽です。7巻を読むと、相当に彼じゃないかと思ってしまいます。何よりまず、件の「大海!!激生記」を昴と雪待から受け取るんですよね。そして、これを“継承”する直前の戦いで、太陽くんは雪待から、戦って生き抜く事の意味を教えられている。…このループの繋がりもかなりキレイだと思えますwこの話、容姿の問題を強引にスルーしているワケですが(汗)この子が一番、容姿が変って不自然がない子だとも言えます。また、現在、アニムスに最も近い位置におり、超時空的な事故(?)に巻き込まれる可能性もない……ではない(苦汗)なにより“茜”という字と“秋”という字は相性がいいしね!!(`・ω・´)(←そうか?)
んんん…ちょっと、仮定に仮定を重ね過ぎの感がありますが(汗)しかし、最初に述べたように、何故、この秋山老人がアニムスさえ手に入れていないアカシック・レコードを持っているなんていう不格好な設定キャラとして退場してしまったのか?という物語上の意味を考えると、少なくとも、あるライン(因果)のオチを担っているから…という所までは言い得るんじゃないかとは思っています。

物語は泥人形10体目まで倒して残り2体、最終盤かと思いますが、「惑星のさみだれ」の中には、ここに上げきれなかった疑問や違和感が見えたり隠れたりしながら数多くあり、おそらく物語が終わった後にもう一度「読み」直す事になるんだろうなあ…という直感があります。とりあえず、どういう結末になるか「楽しみ」です。

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