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今週の一番『範馬刃牙』決戦を前にしたその二周目の世界!

2011年04月07日 | マンガ
【3月第3週:弱虫ペダル RIDE.152 翔】
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【漫研】
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インフィニット・バトル・マンガ『範馬刃牙』(作・板垣恵介)が、いよいよ主人公・刃牙の父にして地球最強の生物・範馬勇次郎と闘う……ように観えます!(`・ω・´)いや、そもそも『グラップラー刃牙』→『バキ』→『範馬刃牙』とタイトルを変えてきたこの刃牙シリーズにおいて『範馬刃牙』は、勇次郎との決着をつける事が目的で始められた…という触れ込みで連載が開始されたと思うのですが……いやあ~~~?いろいろ紆余曲折がありましたねえええw
しかし、いよいよ決戦が開始されるようです。…微妙な尺で烈先生の拳闘武侠が残っているのですが…。それは、まあ、置いて置いて、いよいよ決戦が開始されるようです。

しかし、それにしても勇次郎の決戦が近づくにつれて、刃牙くんが…なんか、おかしな事を言い出したんですよね?曰く、「自分は最強を目指した事はない。親父に勝つために自らを鍛えあげた。その親父がたまたま地球最強だっただけだ」…とか何とか。そして、この決戦を「親子喧嘩」と位置付けて、その戦いの火蓋を切ろうとしている?
……んんん、いささか小芝居めいている気がしないでもないですが、問題は刃牙くんのその思想というか趣向に、感化された範馬勇次郎が「息子と団欒の食事も悪くないな」とか「たまには父親らしい事もしてやろうかな?」とか、思っているらしく!!……何か妙な空気、不思議な範馬さん家(ち)ワールドを醸し出していて、目が離せないんですよねw…僕もいろいろ物語で、決戦前夜のシーンを見てきましたが、この空気は今までにない新しさがあるというかw…とにかく目が離せなくなっていますw



刃牙「親父ィ…悪いんだけどさ、今日んところはさ…洗い物やってくんね?」

勇次郎「ジャンケンだ。ジャンケンで俺に勝ったならば、食器を洗おう」


…ジャ、ジャンケンしてるよ?orz しかも、この後、勇次郎は恐るべき必勝法で刃牙に勝ってしまいます。勇次郎の人間味…?とは、ちょっと違う気もしますが、これまでこの『物語』の最強の象徴であり、強い事だけをキャラとして立たせてきた範馬勇次郎の“意外の側面”を見せているんですよね。
勇次郎、人間宣言というわけでもないんですが…しかも、恐ろしい事に、そうやって側面をさらしても、返って、増々、刃牙は勇次郎に勝てる気がしなくなっているというwそれだけ、この物語の中で、最強の男、勇次郎は強く、実在していて……ちょっと崩れた所を描いても、返ってその実在性が強くなってしまうという事でしょうか。
しかし、それにしても、どうにも口元がゆるむ可笑しみがありますwこの一連の団欒劇場を読んでいる時、僕は同誌の『浦安鉄筋家族』の垣ママの事を思い出していました。



垣ママというのは『浦安鉄筋家族』の中に「人類最強の鼻タレ小僧」と言われる花園垣くんという、根はいい子なんだけど、筋力があり過ぎて他の子とあんまりまともに遊べない小学生がいるんですがw見ればわかると思いますが、完全に板垣キャラのパロディキャラでwその母親が、これまた謎の地球最強の人物で……いやw…これ、いいんかいな?って言うくらい、まんま範馬勇次郎(↑)なんですけどねw
だから、そこらへん思い出すと可笑しくて可笑しくてw大体、食事の後、洗い物をやって欲しいなんて花園垣くんが、垣ママに言い出しそうな事なですよw彼は丁寧語の少年なんで「ママ、いい加減、たまには洗い物くらいしてくださよ」とかwまあ、そんなギャグマンガからの逆輸入感すらありますw

元々、刃牙シリーズは、当初はともかくとしても、後半になればなるほど、ギャグマンガ的に読まれている面はあると思います。板垣先生もそういう面は意識して描いているはずです。しかし、その全編が単純なギャグで構成されているかと言うと、そういうワケではないですよね…単純なギャグもあるかもしれないけど(汗)その多くは「最強を目指す事」と、「最強とは何か?という事」、これに意固地なまでに、幼稚なまでに、正面から答えようとして出てくるカッコ良さが反転した滑稽さ、一周して辿りつた可笑し味のような面があって、そこに浸るのもこのマンガの醍醐味だと思います。(↓)ちょっと前の海燕さんの記事が興味深かったので引用しますが…。

▼Something Orange『修羅の門』のロマン、『範馬刃牙』のリアル。
 『修羅の門』を読むとき、ぼくが思い浮かべるのは「ロマン」という言葉である。『範馬刃牙』と比べるとよくわかる。同じ格闘漫画でも、『修羅の門』はロマンティックであり、『範馬刃牙』はリアリスティックであると思うのだ。

 いったい、あの『範馬刃牙』のどこがリアリスティックだというのか? べつだん、その内容が現実的だというのではない。ただ、そこで志向されているものは、あくまで現実的な価値だと思うのである。『範馬刃牙』で問われているものは、現実に影響を及ぼす力である。範馬勇次郎が偉大なのは、世界最強のアメリカ軍ですら恐れる力を現実に持っているからなのだ。

 しかし、『修羅の門』では違う。『修羅の門』では、最強の格闘家といえども、人間を超越した力は持っていない。軍隊相手にたたかえるような力はないのだ。それでもなお、かれらは最強を求めて命がけでたたかい、そうして時には非命に倒れる。そこで問題となっているものは、何かかたちのない精神――すなわち、ロマンであるように思う。

僕なりに言葉を変えて述べると『修羅の門』は最強という“哲学”を語っていると思うんですよね。対して『刃牙』は“実際”を語っているのでしょう。紙面の関係から『刃牙』側の言い分の方だけ、試みに語ってみますが、『修羅の門』はたとえば「ただ人を殺すだけならば、マシンガンを持った方が早い」と言ったセリフを放ち、その目指す頂を、形の無いもの、形而上的な“哲学”のものに変えています。
それが何を意味するか、いろんな言い方があるんですが、ここでは「それによってカッコ良さが保たれる」と言いましょうか。銃や軍隊には勝てない事を認める事によって、ある種の真摯さとか、真面目さ…のようなものを得ていると思います。(まあ『修羅の門』でもくすりっとする場面がないとは言わないんですが、それは置いておくとして…)そう『修羅の門』はカッコいいのです(`・ω・´)

対すると『刃牙』はカッコ悪い…のかもしれない(汗)でも、何だろうと“実際”に「何よりも強く」ないと気が済まない物語なんですよね。銃より弱い事を認めてそれでも最強を目指す…なんて話は『刃牙』からすると禅問答のようなものじゃないかと思いますw「…いや、なろうよ!銃よりもバズーカよりも強く!」…みたいなw
結果、滑稽だったり、カッコ悪かったりしても、そんな事は気にしない。むしろ、望むところw…多分、この物語は勇次郎が「核兵器には負けてしまう」事に忸怩たる思いがあると思うんですよね。正確に言うと「範馬勇次郎は、核兵器だろうと敵ではない!」と言い切る情念に達しない事に残念があると言うか。
その悔しさに比べたら、アメリカ合衆国が、範馬勇次郎に忠誠を誓っているのも、勇次郎が落雷にあっても全く平気で立ち去って行くのも、何ほどの事もないw結果、そういう様々な「何よりも強く」あろうとする無茶さが一周してギャグの領域に入ってしまっているのが『刃牙』シリーズの実相という面はあると思います。
…こういうと何か悪口のように取られる事もあるんですけど、そんなつもりも無くって、なんでそんな事になっているのか?と考えた時に『刃牙』大テーマである「最強」を求めすぎて一周してしまったからと分かるのは、なかなか『愉しい』ものです。

しかし、それにしても今のこの一家団欒の小芝居劇場は、けっこう時空間がゆがんでいる気がしますwなんでこんな事をやっているのかな?と考えるとき、これは既に一周した『刃牙』が、さらにもう一周して、二周目の空間に入ったのかな?などと考えたりしていますw
GiGiさんが最近薦めている板垣先生の新作『どげせん』を読んでから、この記事書くべきだったかもしれないんですけどね。話を聞いていると板垣先生、どうも二周目に入ったっぽいなあ~とwまあ『どげせん』読んでみます。


範馬刃牙 27 (少年チャンピオン・コミックス)
板垣 恵介
秋田書店

どげせん 1巻 (ニチブンコミックス)
(企画・全面協力)板垣恵介,(作画)RIN
日本文芸社


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1 コメント

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自分は刃牙の方にロマン感じるけどね (格闘技ファン)
2014-10-13 19:38:41
初めまして
それ言ったら範馬勇次郎は決して銃には勝てませんよ!

とはいえ、自分がカッコいいと思うのは刃牙の方だと思う。修羅の門は見たことないけど、カッコ悪いと思う。
現実に最強なるものが存在すれば、ドラゴンボールのキャラやゴジラ、ウルトラマンの様に
銃や核兵器なんて無力なはずだし、そうでなければ話が破綻しています!
まっすぐな気持ちで物事をとらえれば、ロマンなんて間違ってるし、殺し合いとなればなおさらです。
現実に影響を及ぼし証明しないと、結局はペテン師になるし、

そう考えると修羅の門の強さなんて、結局柳龍拳は強いぞと言ってるようなものだし
刃牙はヒョードルが強いと言ってるようなものです。
そして実際どっちの方が夢あるか?と言われると、やっぱり刃牙やヒョードルでしょう!

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