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カラヤン指揮でマーラーの9番(ライヴ)を聴く(休養日のカラヤン三昧)

2018年02月05日 20時02分25秒 | マーラー
昨日は(昼過ぎに妻を公園に送って行った以外は)どこにも出かけず、ほぼ一日、鑑賞部屋で転がっておりました。
聴いたのは・・・

【午前の部】
ブルックナー/交響曲第4番「ロマンティック」
(朝比奈隆指揮NHK交響楽団、DVD)

【午後の部】
フルックナー/交響曲第7番
(カラヤン指揮ウィーン・フィル)

マーラー/交響曲第9番
(カラヤン指揮ベルリン・フィル、ライヴの方)


【夜の部】
R.シュトラウス/アルプス交響曲
(カラヤン指揮ベルリン・フィル)


 午前は、朝比奈N響の「ロマンティック」
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 これ、放送で観た(聴いた)当時はピンと来なかったのですが、久しぶりに聴いてみたら、とてもよかった・・・といういつものパターンでした。
 冒頭の弦のトレモロからしてこっちの心にぐいぐいと迫ってきました。



 午後は「カラヤン祭り」の様相。

 3つの演奏とも、前に聴いてからかなりの年月が経っていました。
 アルプス交響曲は、たしかレコードでも持ってたのですが、かなり前に手放しています。
 ブル7も初出で買ったはず。
 マーラーは、それよりは後で買いましたが、それでも10数年は経っているでしょう。
 今回、ひさしぶりに聴いてみて、またまたワンパターンですが、かなり良かったです。

 ブルックナーの7番は、たしか「カラヤン最後の録音」ですね。

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 これは本当に絶美の演奏です。
 全曲を聴き終えて「さて、もう一度最初から聴こうかな」などと思えるくらい美しかった。
 前回聴いた時とはCDプレーヤーもスビーカーも変わっているとは言え、そして、こっちの頭も耳も当時とは変わっているだろうとは言え、それにしても素晴らしい。



そしてマーラーの9番。

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 カラヤンは、例のバーンスタイン客演の直後から9番を採り上げたんですよね。

 バーンスタイン客演直後からセッション録音があり、その後、当演奏を含むいつくかの演奏会で採り上げたようですね。
 当演奏とは別のライヴもFMで放送され、そのテープは手元にあります。
 昨日は、この演奏についても、初めて聴いた時とは比較にならないほど圧倒されました。
 カラヤンの、視方を変えれば「あざとい」とさえ思えるツボ擽りがここでは見事に決まっています。
 まず、バーンスタインが精根尽くしてベルリン・フィルに刻印し陽の元に晒した生々しい地肌が下地にあり、カラヤンは、その稀有さや血がにじんでいるような感触を封じることなく、そこに自らのアナーキズムと耽美嗜好を見事に融合させたのではないか?
などと感じられ、バーンスタイン贔屓としては「ちょっとズルい」って思えてしまいます。
 まあ、しかし、ここでのベルリン・フィルの音のなんと凄まじく、そしてなんと美しいことか!
 
 木曜日からの入院期間中に再度聴いてみたいと思い、ウォークマンに入ってたクーベリックとハンス・ツェンダーのマラ9にいったん出てもらい、当演奏を入れ込みました。



 LP以来の再聴で、ほとんど初聴きみたいなものだった「アルプス交響曲」もすばらしかった。その感想は、また次の機会ということで・・・。



マーラー:交響曲第9番
ヘルベルト・フォン・カラヤン
ユニバーサル ミュージック



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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私も最近 (モト)
2018-02-05 23:55:18
カラヤンを聴くことが多いです。没後になって、いい距離感で冷静に聴けるようになりました。デジタル時代の晩年もいいですが、全盛期といってよい70年代、さらには、フィルハーモニアとの60年前後の録音を初めて聴いて、さすがと思います。ブル7、マラ9は聴き直したいです。
カラヤンは、9番について、マーラーのがちゃがちゃした部分と、古典的な部分のバランスがようやく見つかったので、録音したと語っていたそうです。
実は (親父りゅう)
2018-02-06 10:09:11
私もカラヤンはよく聴きます。
EMI、DG、デッカの正規録音はほぼ全て入手していますが、特に晩年の録音のいくつかは手放していて「全部聴きたい」けど「全部手元に置いておきたい」ではないのがバーンスタインと違うところですね。
最近、ワーナーから出直した古い録音をいくつか買い直してみましたが(それなりに)音質向上していて、以前は(音が悪くて)十分に楽しめなかった1940年代のウィーン・フィル録音の魅力に気づかされたりしています。
カラヤンは、時代時代で、その美質に違いはあるものの、基本的な楽曲のとらえ方はほぼ同じで、すごいと思います。
Unknown (モト)
2018-02-06 14:18:36
カラヤンは小品がうまいという評価は、SP時代に、短い曲を入れた経験と、フルトヴェングラーその他がベートーヴェンなど本格交響曲を録音する中で、まだ小品にしかお呼ばれしなかったという経験が役立ったようです。

また、小節ごとに録音してテープを切り貼り編集するという逸話・・・恐らく当初はほめ言葉、やがて批判的に取り上げられる話は、50年代にベートーヴェンの「英雄」を録音した際、最初の和音だけをえんえん続けさせ、本当に大きな音がそろったところで止めて、その部分のテープを使ったってことから伝説になったように推測しています。
Unknown (親父りゅう)
2018-02-07 15:49:32
テープの切り貼り(編集)は、今や常識になっいて、しかも聴いてもさっぱり(編集箇所が)分かりませんが、さすがに60年代のDG録音では、繋ぎ目が分かったりして時代を感じさせますね。
その「英雄」の録音エピソードのようなことは、岩城さんがN響と録音した第九で同様のことをしたと、ご本人が書いておられましたね。
やはり、ちょっとでも「完璧」な音で残したいということなのでしょうね。
ブルックナー7 (猫ライダー)
2018-02-11 12:57:39
カラヤンとしては最後だったか最後から二番目だったかの録音になった、ブルックナー交響曲7番のライブのCDは最初聴いたときに録音の良さもあって、ほんとにすごいと思ったものです。ただネット上ではカラヤンファンの人までも「自信なげな演奏」「褒めてる人はいませんね」「もうこの頃は目がうつろで」という評価しかしてなかったのでびっくりした覚えがあります。わたしにはゆったりしたテンポでの成熟した素晴らしいブルックナーに聞こえたので。おそらくこの後にブルックナーの9番をウィーン・フィルと録音するはずだったと思いますがカラヤンの死によって実現しなかったのはほんとうに残念です。
猫ライダーさん (親父りゅう)
2018-02-12 16:13:53
いつも、あちらではありがとうございます。
ツイッターは、ちょっとフィルターかけて「外向き」に発信しているつもりで、今はフェイス・ブックがメインになっています。
少々窮屈ですが、勝手気ままにつぶやく快感もありますね。
お若い方は、そういうのがウザくて退散されているようです(笑)。

さてブルックナー7番ですが、実は私も最初は戸惑った方でした。当時は、その良さがあまり分からなかったのですね。
彼のブル7は73年来日のオンエア、EMIのゴージャスな演奏、70年代だったかのベルリン。フィルとの壮絶なライヴ(FM)など、いくつか記憶に残っていて、ついそっち系の演奏を期待したのでしようか?
肩すかしを食らった感じでしたので手離してしまいました。
今のは買い直したものです。
今回の再聴で本当に堪能しました。いやはや、これはよかった。

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