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魚雷と北朝鮮を結びつけるものは?  追記有り

2010-05-20 11:07:13 | Weblog
3月26日に起きた韓国哨戒艦沈没事件の原因調査を行ってきた国際軍民合同調査団の最終報告書が今日発表されることになっている。ところがそれに先だってネット上でも「哨戒艦は魚雷の爆発により沈没した」とか「現場から採取した物質の成分が、韓国軍が7年前に回収した北朝鮮軍の演習用魚雷に使われていた火薬類の成分とほぼ一致することがわかった」とか「現場水域から収集した魚雷のスクリューの破片に北朝鮮で使われる字体の数字が書かれていたことを確認」などの情報が飛び交い、さらには「事件が北朝鮮の魚雷によるものだと断定」とのニュースが流れた。そしてつい先ほどasahi.comは次のように報じた。

「韓国艦、北朝鮮製魚雷で沈没」 国際調査団が報告書

 【ソウル=牧野愛博】韓国軍哨戒艦「天安」(1200トン)が沈没した事件で、国際軍民合同調査団は20日、「北朝鮮製の魚雷による沈没」と断定する最終報告書を発表した。日米韓3カ国は国連安全保障理事会で北朝鮮への制裁を呼びかける方針で、慎重な姿勢の中国との本格的な折衝に入る。北朝鮮は関与を強く否定しており、南北関係の悪化と朝鮮半島情勢の緊張は避けられない見通しだ。
(2010年5月20日10時8分)

この記事だけでは北朝鮮がどのように哨戒艦へ魚雷攻撃をしかけたのかは分からないが、最終報告書はここ止まりなのだろうか。かりに物的証拠となりうると見なされた魚雷が北朝鮮製のものであったとしても、それが北朝鮮の艦船から発射されたものであることが示されない限り、北朝鮮の直接的関与を云々することは出来ない。

北朝鮮が関与を否定している限り状況的証拠に頼らざるをえないが、最終報告書はそこまでも明らかにしているのだろうか。まずは魚雷がどの方向から哨戒艦に発射されたのかを示す必要があるが、それは哨戒艦に残された記録から明らかになることだろう。そして哨戒艦が爆破された時点で北朝鮮の艦船がその周辺のどのように展開しており、魚雷が発射された方向の延長線上に存在した北朝鮮艦船がどのような行動をとったのか、すべては明らかにされるべきであろう。

私は以前に不様な韓国哨戒艦沈没事件で思うことで述べたように、この事件は韓国国民には申し訳ないが韓国海軍の失態であると思っている。真珠湾に停泊していた米海軍軍艦が不意打ちを食らって沈没したような話ではない、自ら危険を覚悟で境界線近くで軍事行動を起こしている哨戒艦の沈没事件なのである。むざむざ沈められたのは明らかに警戒行動に綻びがあったからである。

沈没の状況証拠を開示することは、その一方で元来は最高の軍事機密に属する索敵能力を明かすことにもなるので、最終報告書といえどもそこまで踏み切れるとは思いにくい。ましてや役立たずの哨戒・索敵能力の現状を不様に晒すことにでもなれば、韓国国民がまず黙っていないだろう。

それにしても最終報告書の詳細が待たれる。

追記(5月20日)

韓国国防部のホームページに「Investigation Result on the Sinking of ROKS "Cheonan" Date 2010-05-20 10:04」が掲載されている。

北朝鮮製魚雷と北朝鮮艦船の動きとの関連については次の記述に尽きる。

The North Korean military is in possession of a fleet of about 70 submarines, comprised of approximately 20 Romeo class submarines(1,800 tons), 40 Sango class submarines(300 tons) and 10 midget submarines including the Yeono class(130 tons).

It also possesses torpedoes of various capabilities including straight running, acoustic and wake homing torpedoes with a net explosive weight of about 200 to 300kg, which can deliver the same level of damage that was delivered to the ROKS "Cheonan."

Given the aforementioned findings combined with the operational environment in the vicinity of the site of the incident, we assess that a small submarine is an underwater weapon system that operates in these operational environment conditions. We confirmed that a few small submarines and a mother ship supporting them left a North Korean naval base in the West Sea 2-3 days prior to the attack and returned to port 2-3 days after the attack.

Furthermore, we confirmed that all submarines from neighboring countries were either in or near their respective home bases at the time of the incident.
(強調は私)


私が知りたいのは数隻の小型潜水艦とその母艦が北朝鮮海軍基地を「攻撃」の2-3日前に出てから「攻撃」の2-3日後に戻ってくるまでの航跡であるのに、ものの見事に欠落している。その分、説得力が弱い。記録の有無を明かすことがすでに軍事機密漏洩になるのだろうか。

そして結論、「Based on all such relevant facts and classified analysis, we have reached the clear conclusion that ROKS "Cheonan" was sunk as the result of an external underwater explosion caused by a torpedo made in North Korea. The evidence points overwhelmingly to the conclusion that the torpedo was fired by a NorthKorean submarine. There is no other plausible explanation.」
前半についても北朝鮮製魚雷の仕様が明らかになった以上、これまで採取されたというアルミニウム片や高性能爆薬「RDX」(ヘキソーゲン)が確かにこの魚雷のものであったのと確認がほしいし、また後半の「There is no other plausible explanation.」に至っては少々想像力が欠けているような気がする。いずれにせよこれで軍事行動に走る動きが報じられていないのがせめての救いである。
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