MAXIM'S DE KOBE

Presenting pictures & monologues

デジカメ

2006-10-30 | Weblog

最近、一眼レフでのんびりと写真を撮る時間がありません。
で、移動の最中にコンパクトなデジカメで写真を撮ることが多いのです。
写真はここ数年愛用しているコンタックスのデジカメです。
今は生産もされていない古いカメラなので、機能自体は最近のデジカメにはかないません。
バッテリーもあっという間に切れてしまいます。
ただ、なかなかマニアックな造りで、気に入っています。
チタン製で本革張り、機能的なスタイルでステーショナリーといった趣があります。



私はこの小さなデジカメ以外にもコンタックスの一眼レフとコンパクトカメラを持っていますが、コンタックスのカメラは定評のあるレンズとともにデザインにも独特の個性があり、なかなか面白いものです。

残念なのはコンタックスのカメラを生産していた京セラがカメラ事業から撤退したこと。
そのため、コンタックスのカメラやレンズがオークションでも値段が高騰しており、なかなか入手が出来ません。
こういう個性のある製品を作る会社が事業から撤退することは他の業界でもよくあることですが、なくなってからその価値を再認識してしまうのはつらいことですね。

教育

2006-10-27 | Weblog

先日、医学部の教授から面白い話を聞きました。
追試に合格せず留年した生徒の親御さんが、「追試の合格基準が厳しすぎる。息子の留年は不当である。」と大学に抗議に来たそうです。
その話を聞いて、私は「そんな学生は退学にしたらどうですか?別の道に進ませる方がその子のためにもなると思うけど。」と言ったのですが、その教授は「今どき、そんなことをしたら大変なことになるんですよ。」と、とんでもないという顔をしました。

私も大学で教員をしていたのでわかるのですが、追試をするとほとんどの生徒は基準点を軽くオーバーする好成績を出します。きっと、切羽詰って本気になるからでしょう。
一方、合格点に足りない人は合格点スレスレというより、むしろかなり離れた低い点数を取ることが多いのです。
採点した経験で言えば、仮に60点が合格点の場合、追試では55点前後あれば下駄を履かせて合格にしてしまうのが人情(?)というものです。
そんな話をしていると、その教授も「そうなんですよ。その生徒も合格点から程遠い成績なんです。」と。

大学生の息子の試験の結果に文句を言いに来る親も親ですが、子も子です。
こんな人が将来医者になるのかと思うとぞっとします。

患者が急変したとき、家族もスタッフもヒステリックになり、殺伐とした雰囲気になります。
医者に対しても興奮した家族からきつい言葉で説明を求められることもよくあります。
そんな時、彼ならプレッシャーに耐えかねて、親御さんに助けを求めるのでしょうか?
彼の行った医療行為が適切でなく不幸な結果が出た場合、またお父さんが出てきて「この病院の医療器具は粗悪である。」とでも言い出すのでしょうか?

最近の報道を見ていると、教師に対する厳しい批判が相次いでいます。
確かに教師の態度、言動で生徒が自殺したりすることなどはあってはならないことだと思います。
ただ、教育を受ける側の生徒、そしてその親に問題があるケースも少なくないのではと思うのです。



佳き時代

2006-10-24 | Weblog

午後から母校である六甲学院の健康診断に行ってきました。
この学校は中学高校一貫の男子校なのですが、今日は中学生500人を3人で手分けして診察しました。
同級生が保健体育の教師をしているので、健診が終わってから、彼に頼んで校庭の写真を撮らせてもらいました。



この学校は六甲山の麓にあり、六甲山に連なる広大な庭園があります。
カトリック系の学校なので、その庭園の中に小聖堂がありました。
私が入学したときの校長先生はドイツ人で、英語はアメリカ人、生物はスペイン人の先生に習いました。
教師にはカトリック教の神父さんが多く、神戸らしい(?)エキゾチックな雰囲気のある学校でした。
もっとも、私は大半の生徒と同じく、キリスト教とは無縁に過ごしました。



庭園からみた神戸の街です。
ここから神戸の街を眺めていると、この学校に通っていた6年間が想い出されました。
暖房の効いた教室から見た冬の海は光っていました。
野球部の練習が終わって帰るときに見た神戸の夜景はとても幻想的でした。

クラブでクタクタに疲れた体に鞭打って、夜遅くまで受験勉強をした日々。
運動も勉強も絶対に1番になるぞと思って頑張っていた時代ですが、結果はともかく、今思えばやはり充実したとてもいい瞬間だったとあらためて感じました。


訃報

2006-10-21 | Weblog

今日は先輩のお通夜に行ってきました。
亡くなった先輩は心臓外科を専門にしていた女医さんです。
私より7年先輩でしたが、私が勤務していた大学病院では心臓外科を志した女医の第1号でした。
最近では心臓外科にも数人の女医さんが勤務していますが、パイオニアの彼女の背中を見て、心臓外科を志した女医さんも少なくありません。

私はかつてICU(集中治療室)に勤務していたことがありますが、その前任者が彼女でした。
男勝りの強烈な個性で、我々後輩もよく叱られましたが、多くの患者さんが彼女によって救われました。
ICU勤務はまさに激務で、当直では一睡もできず、心臓外科、消化器外科、脳外科などの重症患者を夜通しで管理するので、朝になるとクタクタに疲れてしまいます。
彼女は私がよく当直明けでボケッとしていると、スペアリブを山盛り作って差し入れてくれたりする女性らしい優しいところもありました。

訃報は突然やってきました。
彼女の趣味はバイクにスキューバダイビング。
ダイバー仲間が1年前に亡くなり、その命日に弔いのダイビングをしている最中に今度は彼女が亡くなったのです。

私が現在、症状の重い患者さんでも何とか対処できているのは、ICUで多くの重症患者を治療してきた経験があるからです。
今夜、急性期全身管理の大切さ、難しさを厳しく叩き込んで下さった先輩にお別れをしてきました。
感謝の気持ちを胸に。



平福にて

2006-10-15 | Weblog

朝、妹の習っているフラワーアレンジメントの展覧会がポートピアホテルであり、義理(?)でちょっとだけ顔を出した後、三ノ宮11時42分発の「スーパーはくと」という特急列車に飛び乗りました。
目指すは神戸から特急で1時間20分ほどのところにある平福という山間の宿場町です。
兵庫と岡山の県境、兵庫県佐用郡というところにあります。


ここには険しい山の上に築城された播磨利神城(りかんじょう)の城跡があります。
別所敦範が貞和5年に築城したとされていますが、当時は天守閣が雲に突き抜けるようにそびえていたことから雲突城とも呼ばれていたそうです。
写真では山の稜線の中央辺りに城跡があります。


平福はかつては因幡街道の宿場町として栄えました。
街道沿いには宮本武蔵が13才のとき、新当流の達人・有馬喜兵衛を一刀のもとに倒したという決闘の場がありました。


家並みの裏手を流れる佐用川沿いの川端風景は写真雑誌などで何度か見たことがあり、一度訪れてみたいと思っていたところです。
川の石垣に並ぶ白壁の屋敷や土蔵は独特の風情を醸し出していました。


平福駅は特急が停まらないので、隣の佐用駅で1両編成のディーゼルカーに乗り換えました。山間部のひなびた駅の雰囲気がよかったです。


昨日は医師会の野球の試合で惨敗を喫しムシャクシャしていたのですが、今日の小旅行で精神的にはとても癒され、あとは筋肉痛を残すのみとなりました。笑

柿が赤くなると、医者は・・・

2006-10-13 | Weblog

先日、お世話になっている和歌山の病院のスタッフに柿を頂きました。
桃、ぶどう、みかん、いちじく、、、
ここでは四季折々、いつも美味しい果物を頂きます。

「こんなに貰っていいのか?」
「先生、柿なんかお金出して買ったことないよ。」
ケーキに載っている果物ぐらいしか食べる機会のない神戸人にとってはうらやましい限りです。

「柿が赤くなると、医者が青くなる。」という諺があります。
柿が赤くなる頃は気候もよく、また柿には体に良い成分が多く含まれているため、医者にかかる人が少なくなるという意味だそうです。

この地方では柿の収穫期を迎えると、一家総出で忙しくしています。
忙しくて医者に行っている暇もないのでしょう。
これも医者が青くなる原因かもしれませんね。笑

安全運転

2006-10-10 | Weblog

私は車を運転するときはとても安全運転です。
高速道路でも制限速度付近で走ります。
街中で暴走する車を見ていると、危険だと思う反面、何となく気の毒に思うことがあります。

かつて名神高速道路の、とあるインターチェンジ近くの病院で当直をしていた時期がありました。
そこは交通事故による瀕死の重症患者ばかりが運び込まれてくるところでした。
若い頃は一人で対処するのは難しいので、先輩医師にお供して当直をしていました。
初めて先輩とその病院で当直した夜に運ばれてきた患者さんは、高速での交通事故で、足が自動車に挟まり、運ばれてきたときは片足で、お尻が半分なくなっていました。まもなく出血多量で死亡しました。
そのときの衝撃は今でも忘れません。

何年かしてからは、逆に私が後輩を連れてその病院に当直に行くようになったのですが、運ばれてきた患者さんの半分近くがその場で息を引き取る、まさに戦場のようなところでした。

普段なら怖くて声を掛けることも出来ないような、大柄で迫力満点の暴走族風の男性が、私に「先生、助かるか?助けて。助けて下さい・・・」と。
私が首を横に振り、「無理だよ。どうすることもできない。」
一段落して、私が待合室にある缶コーヒーを買いに行くと、そこでは彼が泣き崩れていました。
彼の暴走で、相手が亡くなったのでしょう。

飲酒運転で電柱にぶつかり、顔面が潰れて運ばれてきた女性もいました。
意識がない患者さんの場合は、挿管といって口から気管に呼吸用の管を入れるのですが、その人の場合は口がどこにあるのかわかりませんでした。
私に患者の状態を聞いて記録する、警察官の極めて冷静で事務的な態度が虚しさを増幅させます。

最近、飲酒や高速での悲惨な事故報道が相次いでいます。
飲酒運転の規制も厳しくなっているようです。
飲酒を勧めた飲み屋の店主も罰せられるそうです。
また、公務員なら同乗しただけで懲戒処分もあるとか。

でも、そもそも人に勧められたからとか、同乗者が止めなかったからという問題ではないと思います。
懲戒免職にして済む話でもないでしょう。
無茶苦茶な運転をしたらどうなるのか?
アルコールを飲んで運転したらどうなるのか?
それだけのことです。

ひっそり静まり返った中で、アルコール匂と遺族の嗚咽だけがいつまでも続く、深夜のER。
あのなんとも言えない空虚な場面を幾度も経験してきた医師の一人として、命をもっと大切にして欲しいと切に願うのです。
死んでしまったら何も残らないのだから。

代替医療

2006-10-04 | Weblog

最近、代替医療という分野が注目を集めています。
メシマコブ、ポリフェノール、ブルーベリーなどの成分の一部に、体にとって好都合な物質が含まれているらしく、それらが健康食品として流通しています。
西洋医学を学んだ我々医者は、それら民間療法のようなものに対しては、どちらかと言うと目を背ける傾向にあります。

ところが、患者さんの考え方、ニーズも多様化し、早期ガンなら必ず手術を受けるという人ばかりではなくなってきました。
また、手術が手遅れとなった進行ガンの患者さんに対しては、現代の医学を以ってしても有効な治療手段はあまりありません。
このようなケースに対して、西洋医学ではまだ確証のない治療法や物質(例えばメシマコブ)に可能性を求めようというのが代替医療です。

しかし、あまたある民間療法の中には、本当かなと疑問に思える治療法や考え方も少なくありません。
そこで、本当にそういう治療法や物質が効果があるのかどうかを大きな母集団の中で科学的に検討する必要があります。
昨年、私がかつて移植の研究でご指導を頂いた伊藤壽記先生が大阪大学の生体機能補完医学講座の教授に就任されました。
医学部に代替医学の講座ができたことには驚きましたが、逆に言えば国立大学にそのような講座が設置されたということは、国がこの代替医学に大きな期待を持っていることの証でしょう。

ならばということで、私も最近、この方面の勉強を始めました。
診療所では西洋医学、休憩時間に法律学、寝る前に「メシマコブ」という濃いメニューで生きています。(笑




日曜日

2006-10-01 | Weblog

今日はクリニックの前にある小学校の運動会です。
スタッフの一人のご両親がお孫さんの運動会を見るため、遠方から遥々来神されたとのこと。
朝から雨がパラつき、運動会は大丈夫かなと心配していたのですが、何とか決行されたようです。

今日は日曜日で休診なのですが、急患があれば受け入れるという当番になっています。なので、1日中自宅で待機することに。
阪神ー中日戦を応援しようというモチベーションも昨日の敗戦でほとんどなくなりました。
患者さんから頂いた本でも読もうかと・・・

写真は以前に行った兵庫・室津港の夕暮れです。
漁を終えた漁船が帰港するシーンです。
ここは疲れたらドライブを兼ねて美味しい魚料理を食べに行くところです。
来週末あたり、久しぶりに車を飛ばしてみようかなと思っています。