弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

法テラスでの相談は、有料面談が原則?それとも無料電話相談が原則?

2006年11月06日 | 経験談・感じたこと
法テラスがスタートして1ヶ月が経過しました。

私も法テラススタート後に、国選刑事事件を受任しましたが、今のところ特別手続きが変更となったわけではなく、あまりストレスを感じることなく業務は進んでいるように思います(ただ、一番重要な変更点である、報酬請求を判決後2週間以内に行うという点は気を付ける必要がありますが…)。

一方で、私は民事については、1ヶ月が経過して色々と問題点が浮かび上がってきているようです。
特に、今回報道されているのは、コールセンターから弁護士会への無料相談への電話回線が足りず、相談者からクレームが上がっているという点です。

この件で、法テラス側と日弁連側とで意識の差が出ているようです。
すなわち、日弁連側は、「電話による無料相談には限界がある。面談での有料相談こそ本来の姿。法テラスには、面談の予約受付センターへの転送を優先するよう求めた」とのこと。
一方、法テラス側は、「漫然と弁護士に電話を回していた反省はある。だが有料相談が原則になれば『気軽に司法にアクセスできる』とする理念からかけ離れてしまう」とのこと。

どっちが正しいとか論じるつもりはありませんが、弁護士を稼業としている私からすると、何でもかんでも無料相談に回されてしまうと、果たして協力する弁護士は対応しきれるのかという疑問が生じます(容量オーバーの問題もありますし、法テラス側から幾ら報酬をもらっているのか分かりませんが、おそらく時間拘束の割には、あまり条件の良い報酬をもらっていないような気が…)。

無料法律相談が司法へのアクセスを活性化するのは一理あると思いますが、ではその担い手はどうやって確保するのか?(正当な報酬をもらえるのか)という点も検討する必要があると思いますが、いかがなものでしょうか。


関連するニュースへのリンクhttp://www.chunichi.co.jp/00/sya/20061104/mng_____sya_____005.shtml
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