弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

【コラム】後出しが有利 !?

2024年08月19日 | 経験談・感じたこと

アメリカ大統領選挙が色々と盛り上がって(?)います。

トランプ氏の暗殺未遂事件後、トランプ氏の支持拡大になってと思いきや、バイデン大統領が撤退表明しハリス氏が事実上の後継者とし表明するや否や、あっという間に支持率拮抗(調査会社によってはハリス氏が優位)となりました。

人間心理として、直近で心揺さぶる事象が発生した場合、そちらに流されやすいことを示す事例では…と思ったりします。

 

さて、上記のようなことを皆さん知っているためか、裁判という場でも、時々依頼者より、

「決定的な証拠は後から出したほうが良いのでは」

という提案を受けることがあります。要は、裁判官が判決を書く間際に有利な証拠を突き付け、相手を論破すれば勝訴できるのではという考え方です。

たしかに、裁判官もしょせんは人の子ですので、このような人間心理の影響を受けることも否定はできません。

しかし、私個人の経験論からすれば、後から有利(と当方が考えている)な証拠を出したところで、あまり影響が生じないような気がしています。というのも、裁判官は良くも悪くも事務的作業として裁判手続きを進めており、感情だけで判断しているわけではないからです。

たまに裁判官のインタビュー記事などを読むと、むしろ初期の段階である程度の結論(心証)を決めており、あとはその結論に沿った内容かを確認するだけであると明言する方もいるくらいです。

 

「後出し」が有効なのは、感情で動く場面であることを理解したほうがよさそうですね。

 

 

 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

弁護士 湯原伸一

 

「リーガルブレスD法律事務所」の代表弁護士。IT法務、フランチャイズ法務、労働法務、広告など販促法務、債権回収などの企業法務、顧問弁護士業務を得意とする。 1999年、同志社大学大学院法学研究科私法学専攻課に在学中に司法試験に合格し、2001年大阪弁護士会に登録し、弁護士活動を開始する。中小企業の現状に対し、「法の恩恵(=Legal Bless)を直接届けたい(=Direct delivery)」という思いから、2012年リーガルブレスD法律事務所を開設した。現在では、100社以上の顧問契約実績を持ち、日々中小企業向けの法務サービスを展開している。

 
 
 
 
 

 

 

 


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