弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

今夏限定の一大ビジネス!?(なって欲しくないけど)

2011年04月20日 | 経験談・感じたこと
東京電力管内において、夏場の電力需要に追いつかない可能性があることから、エアコンの設定温度を30度にするよう金融庁が証券業界に指針を出すなど、色々と動きが出てきています。

ちなみに、労働安全衛生法に基づく事業所衛生基準規則5条3項では、努力義務とはいえ28度以下に設定するよう事業者に義務を課しています。これとの整合性はきちんと図るんですよね。お役所様!?
(もし図らなかったら典型的な縦割り行政…)


その辺りは省庁間協議に任せるしかないとして、おそらく今後の動きとして、経産省や環境省が夏場のエアコン温度について、何らかのガイドラインを発表すると予想されます。

そんな話をしていた流れで質問を受けたですが、


知人:「行政からの要請に基づき、エアコンの設定温度を30度にした。しかし、猛暑のため事務室内で熱中症で倒れる人が続出した。この場合、会社は安全配慮義務に問われるのか?」

私:「う…。形式論としては安全配慮義務違反が成立する可能性は高いと思います。」

知人:「だったら、エアコンの設定温度の指示・要請を無視してでも、従業員の身体の安全を優先するのが事業者のつとめだよね。」

私:「ウ、ウッ…」

知人:「ところで、今年の夏に向けて、安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求用のWEBページ作成して広告したら、一儲けできるんじゃないの?(ニヤリ)」

私:「そ…そんなぁ…(苦笑)」




まぁ、そんな営業戦略を行う弁護士はいないと思いますが、司法改革が目指すアメリカ型社会であれば、あり得るのかなぁと思ったりもしています。
(「泣き寝入りせずに権利の実現を図る!」という建前論からすれば、上記のような営業戦略をとることは悪くないという結論も導かれますよね…。あぁ…こんな事を考える自体ことが嫌だ、イヤだ。)




インターネット・電子(IT)取引、労務・労使・労働問題、フランチャイズ、広告法務、債権回収を中心業務にしている弁護士湯原伸一のホームページはこちらです。

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