弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

代理人弁護士を公募で行う(兵庫県加西市の試み)

2008年10月24日 | 法律情報
代理人弁護士を公募することが頻繁に行われているのかどうか、私自身は知らないのですが、兵庫県加西市のWeb上に次のような記載がありました。

(以下引用)
加西市は昨日、懲戒免職処分取消請求事件神戸地方裁判所判決(平成20年10月8日言渡し)を不服として控訴したところですが、当該控訴の代理人を担っていただける弁護士(法律事務所)を公募します。

募集期限:平成20年11月11日(火)まで
(引用終わり)

※アドレスは次の通り。
http://www.city.kasai.hyogo.jp/04sise/11osir/osir0810/osir081023a.htm



原審の判決文がそのまま掲載されているので、ざっとだけ読みましたが、要は公務員が飲酒運転を行い、罰金刑を受けたので、当該公務員を懲戒免職処分したところ、当該公務員より処分が厳しすぎるとして懲戒免職処分の取り消しを求めて提起された裁判のようです。
ちなみに、結論としては、公務員が勝訴し、懲戒免職処分を取り消す旨の判決となっています。


昨今の飲酒運転に対する社会的風潮から、飲酒運転発覚=懲戒免職(私企業であれれば懲戒解雇)扱いにするところが増えているようです。

ただ、公務員の関係はよく分かりませんが、労働法的な観点からすると、果たして飲酒運転の発覚によって、そく懲戒解雇処分に付して良いのか、判例法理からするとかなり疑問があるところです。
(もちろん、飲酒運転の結果、人身事故を惹起させた等の重大な被害が生じた場合は一考を要しますが、飲酒運転のみとなると、解雇無効リスクが大きいのではないかと思います)


もっとも、加西市としても、飲酒運転に対する社会的風潮からすれば、おそらく「引くに引けない」状態になっていると思います。
そこで、今回は公募に踏み切ったんだと思いますが、果たしてどの程度の申込みがあるものなんでしょうか?
申込み結果等も開示して欲しいですね。

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